流通チャネルの役割を考えよう〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

今回から第15章 流通チャネルの設計と管理に入ります。

流通チャネルはマーケティング・ミックスにおけるPlaceに該当します。
企業にとっては流通業者は自社の製品を買ってくれる顧客であり、最終顧客への橋渡し役でもあり非常に重要です。

最近では、製造業から顧客へ直接販売するD2Cのコンセプトや次回に解説する予定のオムニチャネルという施策を導入する企業も増えており、流通チャネルの重要性は増しているといって良いでしょう。

まずは流通チャネルの役割です。

流通チャネルの役割

製品を製造する企業にとっては、自社で作ってるものを直接使ってくれる顧客に販売したいはずです。間に仲介業者が入るとその分コスト(業者が取る利益)がかかりますから顧客の購入単価は上がります。

でも、自社での直接販売だけですと限界があります。その商品のことを知らない潜在的な顧客にアプローチできなくなるのです。製品のことを知らない、もしくはどこで売ってるのか知らない潜在的顧客とつないでくれるのが流通チャネルの役割です。

流通チャネルの機能として、以下のものがあげられています。

  • マーケティング環境の情報を収集する

  • ブランドロイヤルティを育むための説得的コミュニケーションを開発、拡散する

  • 価格などの交渉をまとめて、所有権や占有権を譲渡する

  • 製造業者への発注する

  • 保管料に充てる資金を調達する

  • チャネル業務におけるリスクを請け負う

  • 購買者に融資して、支払いを援助する

  • 購買者の支払いを銀行などの金融機関を通して支援する

  • 実際の財の所有権譲渡を管理する

業界によってはちょっとイメージが合わないと感じるものもあると思います。例えば、融資の例を取ると、B2Bの場合では売掛金として支払いまでの期間を長めに設定することも融資の手段ですし、車や自動車といった購入の場合は、ディラーが購入者のローンの設定を手助けします。

まとめ

このように、非常に重要な役割を担ってくれる流通チャネルですが、関係性の部分もあって、営業任せになっているようなことも正直多いと感じます。
そのためかマーケティング・ミックスの中でも検討が一番後ろになっていることがよくあります。でも、販売チャネルをうまく構築して顧客との強い絆を気づいている企業も増えてきました。デジタルの影響では優先順位はますます上がっていると言えるでしょう。
まずは役割でしたが次回以降でチャネル管理について解説していきます。

最後までお読みいただき有難うございました。


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