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マーケティングミックスが4Pから7Tへ?~マーケティング・マネジメント第16版を読む

2022年11月に翻訳版が発表された「マーケティング・マネジメント」第16版を読むながら気づきを書いています。

マーケティング戦略を具体的に戦術に落とし込んだものがマーケティング・ミックスです。

マーケティング・ミックスといえば、4P(Product, Price, Promotion, Place)がすぐに頭に思い浮かぶ人が多いと思います。

本書においては、7つの戦術(7T)が紹介されています。

TはTactics (戦術)の頭文字です。

7つのTは、本書の共著者のアレクサンダー・チェルネフ教授の"Strategic Marketing Management)によって2019年に紹介されています。

7つのTは、製品、サービス、ブランド、価格、インセンティブ、コミュニケーション、流通からなります。

7つの戦術は、顧客価値を設計(製品、サービス、価格、ブランド、インセンティブ)し、伝達し(コミュニケーション)、提供する(コミュニケーション)プロセスであるとしています。


ここまでの7つのTですが、4Pと比べると複雑で使いづらいイメージがないでしょうか?私はそう思いました。

しかし、マーケティング・ミックスを7Tへと進化させるにははっきりとした3つの理由があります。

1つ目は、モノとサービスの垣根がなくなったことです。サービスドミナントロジックなどとも言われますが、現代の製品にはサービスの要素が付加されています。サブスクビジネスなどに代表されるようにモノの所有とは分離されたビジネスモデルも増加しています。顧客価値の創造がモノとサービスを区別し設計する必要があります。

2つ目は、ブランドです。これまでブランドは品質なども含めた製品の一要素でしたが価値創造の観点では独立した要素として設計される必要があります。ブランディングの価値はより一層意味を持っています。

最後が、プロモーションです。従来のプロモーションはいわゆる広告のようなものとクーポンなどの割引といった2つの性質の異なるものが含まれていました。また、本書には記載ないですが現代は顧客のSNSなどでの発言力は非常に重要となっており、プロモーションという言葉では言い表せなくなっています。そこで、従来のプロモーションを価値設計のインセンティブと価値伝達のコミュニーケーションに分類しました。

上記の理由からも4Pを洗練したものが7Tだということが分かってきました。



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