「確率思考の戦略論」を読む 第6章 需要予測の理論と実際
マーケティング関連のベスト書籍として有名な「確率思考の戦略論」。読み直しながら、自分なりにまとめています。今回は、第6章の需要予測です。
投資の意思決定を行うために需要予測を行います。
まず最初に、根本的なことですが、「需要予測は外れるもの」です。
どれだけ慎重に検討しても実際に市場に出てみないとわからない不確定要素があります。大きく外さないことが重要です。
その上で、経営陣が弱気になったり、説明報告のために余計な時間を割かないためにも需要予測は実際の販売よりも少し低いくらいがいいとしています。
要するに、ピッタリよりも少し慎重めくらいの数字が一番良いということですね。
需要予測には2つのアプローチがあります。絶対値と相対値(シェア)の2つです。
絶対値の方法において、消費者データを現実に変換するためのデータベースの整備が必要です。
相対値の方法は、現実に近い予測ができる分、予測は正確ですが、初期の段階では使いづらいです。
両者を比較すると絶対値を用いる方が一般的には使いやすいですが、今西氏は独自のシェアの予測モデル「今西シェア・モデルB P-10」を開発しました。
今西シェア・モデルB P-10は、本章において詳しく解説されています。ここでまとめることは非常に困難ですので、ぜひ、本書をお読みください。
簡単にいうと、消費者のコンセプト・テストからコンセプト・シェアお導き出し、認知率と配荷率の現実値と価格要素を踏まえて、年間の予想売上高を出すというものです。南米のケースを合わせて解説されており非常にわかりやすいです。
USJハリー・ポッターの需要予測
新製品の需要予測の事例解説として、USJのハリーポッターを上げています。
ベンチマークとして、東京ディズニー・シーや映画の観客動員を使った取り組みについての話はすごく臨場感があり面白いです。
日用品とアトラクションの予測を立てる際の違いなども、なるほど、って思わさせられます。
まとめ
本章では、「ハリーポッター」の需要予測を、マーケターの森岡氏と需要予測担当者の今西氏が答え合わせをします。需要予測は、マーケターの立場だけで見ると想いが反映され過ぎてしまうことがあります。経営の立場からすると、それだけでは信じられず予測担当者のお墨付きが欲しくなるところでしょう。
中小製造業の場合は、具体的な販売取引先の需要見込みからの数字を積み上げていくことからスタートするでしょうし、小売業ですと周辺の店舗の売上や通行量などを使って予測することになりますね。予測を自前で立てたい時にはベンチマークの使い方とか本書が参考になると思います。
最後までお読みいただき有難うございます。
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