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マーケティングとは?定義の中にマーケターの重要な役割がしるされている

マーケティングとは何か、を語る際には一般的に2つの定義をベースに語ることが多いです。

1つは、アメリカマーケティング協会の定義です。

マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、社会全体にとっての価値ある提供物を創造、伝達、提供、交換するための活動、一連の制度、およびプロセスのことである。

2007年AMA定義より

もう1つは日本マーケティング協会の定義です。

マーケティングとは、企業および他の組織⑴がグローバルな視野⑵に立ち、顧客⑶との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動⑷である。
                   日本マーケティング協会 1990年

⑴ 教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
⑵    国内外の社会、文化、自然環境の重視。
⑶   一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
⑷   組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。

引用:日本マーケティング協会ホームページ
https://www.jma2-jp.org/jma/aboutjma/jmaorganization

定義の策定はその分野の見識者が集まって議論を尽くして相応しい文言を選び抜いて作成されるわけですが、そのためいろんな文言が多く入りすぎて結果として文章として理解しづらくなってしまうというのはよくあります。

マーケティング協会の定義にある、「グローバルな視点」という言葉は、たとえば大企業で世界市場で競合しているケースなどグローバルマーケティングの視点は必須です。しかし、日本の観光地の団子屋さんにグローバル視点は必要なのかといわれると、グローバルの競争環境なんて見据える必要はないでしょう。でも、団子屋さんにマーケティングは不要なのかと言われるとそうではないです。

もっとも、外国人の観光客が増えていることを背景に外国人向けのコミュニケーションや外国人観光客が手に取りやすいパッケージにするなどの工夫をすることで売上の拡大が見込むということも含めて考えるとグローバル視点は必要と言えるのかもしれません。

マーケターとして、もっとも重要なタスクがこの定義の中にあります。

「創造」です。

AMA定義には、「価値ある提供物の創造」、マーケティング協会定義には、「市場創造」とあります。

マーケターの最重要任務は、市場創造なのです。でも、どうやって市場は創造できるのでしょうか?

たとえば、有名な話でマーケティングマイオピアで知られるマーケティングの大家、セオドア・レビット先生が言った「顧客はドリルが欲しいのではなく、穴がほしい」という話があります。

ドリルがウォンツで、穴がニーズという話です。

でも、穴がニーズというのも浅いのかもしれません。日本の住宅では賃貸が多いですし壁に穴なんてあけたくないはずです。ほんとうのニーズは壁に穴をあけずにつけられる壁時計かもしれません。さらには家の中でも常にスマホを手に持っている時代に、壁時計を飾る理由も変わっているのかもしれません。顧客ニーズは常に変わり続けているのです。

いつも自社の商品・サービスがどうやったら選んでもらえるかはマーケターならいつも考えていると思います。でも、本質的なニーズの探索へに割く時間は忙しくてできないって人も多いかもしれません。なぜなら、本質的ニーズは顧客インタビューでは聞き出すことができないからです。

マーケティングの定義にある通り、マーケターの重要任務は市場創造です。顧客ニーズを常に突き止める努力を続けましょう。

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