マーケティング活動がブランド・エクイティの向上に寄与させるための4つの評価指標とは
ブランド・エクイティは、そのブランドが持つ金銭的な価値を示し、顧客の反応(欲しい→買う)の度合いがその価値となります。企業の無形資産である「のれん」に含まれるため、ブランド・エクイティの向上は企業価値の向上に直接寄与します。
ブランド・エクイティの測定方法
ブランド・エクイティの測定方法には以下の3つのアプローチがあります:
コスト・アプローチ:ブランドの開発費用を積み上げる方法。
マーケット・アプローチ:同一カテゴリーのノーブランド品との売上高の差から導く方法。
ファイナンシャル・アプローチ:ブランドの将来修正の正味現在価値(NPV)から計算し、ブランドの貢献度を測定する方法。
これらの方法を組み合わせて、ブランドと顧客との関係性をより正確に評価します。
ブランド・エクイティモデル
ブランドの大家デイビッド・アーカーは、以下の5つの指標からなるブランド・エクイティモデルを提唱しています:
ブランド・ロイヤルティ(Brand Loyalty)
ブランド認知(Brand Awareness)
知覚品質(Perceived Quality)
ブランド関連性(Brand Associations)
その他のブランド資産(Other Proprietary Brand Assets)
これらの指標を数値化し、マーケティング活動の効果を測定します。
FRMUモデル
ジム・ステンゲル氏は、顧客の知覚に重きを置いたFRMUモデルを提唱しています。これは以下の4要素から成ります:
親しみやすさ(Familiarity):ブランドを認知し、理解していると感じる度合い。
好感度(Regards):ブランドを好み、尊重している度合い。
意味性(Meaning):ブランドを自分の生活と関連性があると感じる度合い。
独自性(Uniqueness):ブランドが差別化されていると感じる度合い。
これらの要素を一つの複合体として評価し、日々のマーケティング活動の成果指標とブランド・エクイティの向上を連動させます。
実際のマーケティングへの応用
例えば、高いブランド・エクイティを持つブランドが、親しみやすさ(F)と好感度(R)に支えられているが、意味性(M)や独自性(U)が低い場合、顧客はそのブランドを特別とは感じていません。この場合、意味性と独自性を高めるためのマーケティング活動に集中することで、より高いブランド力を構築できます。
まとめ
ブランド・エクイティの評価は、企業のマーケティング戦略の中心です。デイビッド・アーカーのモデルやジム・ステンゲル氏のFRMUモデルを活用し、ブランド価値を向上させるための効果的なマーケティング活動を展開することが求められます。顧客の声を拾い上げ、戦略に反映させることで、ブランドの競争力を高め、持続可能な成長を実現できます。
参考文献
ダイヤモンド社ハーバードビジネスレビュー2024年1月号「ブランド構築とパフォーマンスマーケティングを両立させる方法」ジム・ステンゲル他
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