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プレミアム・ガラパゴス化のススメ

日経新聞(10月12日付)Deep Insight (中村直文編集員)の記事が非常に興味深い内容でした。

ざっくりとした内容としては、

「日本版」という言葉がよく使われるが、海外モデルの使いまわしで日本の自立性の低下を象徴しているようだ(例:米疾病対策センター(CDC)から日本版DCC法など)

一方で、80年代くらいまでは海外の改善、改良を重ねた家電、自動車は世界を席捲していたが、現在はEVなど産業界は後手に回っている

実際に世界のおける競争力は低下しているのは事実だが、インバウンドの増加を背景に日本のモノ・サービス・コンテンツは評価されている。(例:コンビニ、祭り、エンタメ、マンガ、アニメなど)

日本の競争力は低下したが、文化・風土に根差したきめ細かい「課題解決型の発想」は世界に誇ることができる

ただ、「良いものを安く」の考えが根付いたままで、簡単に模倣されてしまうようなエンタメや課題解決といった無形資産を守るために「良いものを高く」という発想へ転換する日本発のプレミアム・ガラパゴスを伸ばすべきだ。

というような内容です。

プレミアム・ガラパゴスというネーミングがすごく気に入りました。

ガラケーに代表されるように「ガラパゴス」という言葉は世界では通用しないというネガティブなものとしてとらえられています。

しかし、日本の文化、社会の価値観に根差して作られたモノは海外から日本に訪れる人たちによって評価されています。

日本の歴史を遡ると、日本は自分たちの文化を軽視して西欧の文化を取り入れることで発展を遂げてきたと言えます。

そして今は日本市場だけを見ていても成長は見込めないと考えている産業が多いです。

「ガラパゴス」という名のもとに日本市場の良さ、重要さを大企業を中心に忘れてしまっているのではないだろうか?この記事を読みながらそんなふうに考えていました。

もう一度、日本市場で日本人の価値観・ニーズに合うモノ・サービスを提供することを目指すことで、世界での競争力の向上にもつながるではないかと思います。

それができるのは、現在、売上利益の多くを海外市場から稼いでいる大企業ではなく、中小企業なのかもしれません。

そして、価値に見合った価格設定で『良いものを高く』買ってもらうことが重要です。

しっかりと目を向ければもっとも手厳しいかもしれない日本市場で価値を高めて成長するプレミアム・ガラパゴスを目指すことが世界から憧れられるブランドへと成長するための一番の近道なのかもしれません。

そんなふうに考えると日本市場の大切さが改めて認められるような気がしてきました。

そして、私は記事で紹介されていたファミマのラインソックスが気になっています(余談です)。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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