第7回 プロダクトポートフォリオマネジメント
こんにちは。今回はプロダクトポートフォリオマネジメントについてです。この理論を私が始めて知ったのは、社会人になって5-6年たったくらいのころでした。
当時、細かな業務をいろいろと抱えて忙殺されることがあったのですが、このコンセプトを知って、自分が担当していた顧客を4象限のどこにあてはまるか考えてみました。
そうすると、ここは金のなる木だからいちおう丁寧に対応するけど手間をかけすぎるのはよくないな、ここは問題児、花形だからもうちょっとやり方工夫しよう、ここは負け犬だから手を抜こうっていうふうに仕事を分けてみたらすごく頭がすっきりして仕事の回転が良くなったと感じたのを覚えています。
経営学の勉強を少し始めたくらいだったのですが、うれしくなってまわりの人に説明して回ってました。
他の理論でも経営企画やマーケティングの部署でないと必要ないなんてことはなくて、結構、どんな仕事でもあるいは家庭でも考えを整理するのに役立つことってあります。
「いやぁ、これは本来の考え方とは違うのでは?」。
そんな細かいことは気にせずに自分に役に立つように適当にアレンジして使ってみるのがいいと思います。
PPM理論
ちなみに上の図の中で使用している画像はネット上の拾い画像です(スイマセン)。
もともと、ボストンコンサルティンググループが開発したことで有名ですが、複数の事業や製品を持った企業が経営資源の配分を検討するための管理ツールとされています。では、横軸と縦軸の意味合いから考えていきます。
横軸:相対的マーケットシェア
相対的マーケットシェアというのは自社以外のシェアトップ企業と自社とのシェアの比率です。たとえば、2社しかいない市場で自社と他社がちょうど半分(50%:50%)ずつの場合、相対的市場シェアは1になります。よって、相対的市場シェアが1以上というのは自社が市場1位であることを指しています。
縦軸:市場成長率
市場の全体の成長率です。成長率が高い市場ですと新規参入もあり競争が激しくなります。競争に勝つためには設備含めた投資が必要となります。成長率は業界の特色によって違ってくるため明確に線引きするところはありません。一般的にはGDPと比較して高いか低いかで判断していることもあります。
では、なぜ、この2つの判断基準となるのかですが、それは規模の経済と経験効果というところから来ています。
規模の経済はたくさん製品を製造するとそれだけ大きな設備を持つこともできますし、また、原料の購入コストの低減も期待できます。
経験効果は、累積生産量が増えれば、それだけ習熟させることできコストが削減されます。この2つの効果によって、企業の競争力がより増強され、さらに、コストの削減効果が増すという具体に好循環が生まれるのです。
各象限ごとの取るべき方向性
この4象限とプロダクトライフサイクルと重ね合わせて考えます。
最初に新規に上市した商品はシェアも高くないので、問題児からのスタートです。そして、投資活動によってシェアを奪うこととで花形製品に成長します。やがて、市場が成熟してくると金のなる木になって、徐々に新商品にとって代わられ負け犬となっていくというのが製品の寿命となります。
ライフサイクルを考えた時に、問題児にあたるタネをたくさんもっていること。そして、育成して花形製品にする。金のなる木は、現在の会社の利益を支える柱となるものなので、現状の売上・利益の維持を図りながらも、そこでの資源をできる限り問題児・花形製品の育成の投資に向ける。負け犬の製品は、撤退も視野に入れなくてはならないですが、再生の方法がないのかを検討する。リブランディングによって新たな問題児として生き返らせるのです。
まとめ
最初に述べました私が入社5-6年のころにいた部署の担当業界は、会社全体で見ると金のなる木から負け犬へ入っていくようなフェーズの業界でした。そう考えるてしまうと少し残念な気持ちになるかもしれません。(これはPPM理論の欠点の一つに上げられています。)
でも、大事な収益源となるのは事実でしたし、リブランディングという創造力を発揮できる機会も与えられているのだと考えるようにしました。もし花形部署にずっといたら会社の目的がはっきりし過ぎて、ただただ前に全力で走るだけだったかもしれません。
次回から消費者行動分析のパートに入っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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