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プロダクト・ライフサイクルについて〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

第17章 競争市場における成長の促進より、今回はプロダクトライフサイクルについてです。

プロダクトライフサイクル理論を図式化すると以下のようになります。


上の図とは少し違いますが、売上と利益の曲線を描いて、導入期は少しの売上はあっても利益がマイナスであることを表しているものもあります。

プロダクトライフサイクルは以下のことを前提としています。

  1. 人間と同じで製品には寿命がある

  2. 製品の売上はライフサイクルの段階を経て、様々な課題や機会、問題に遭遇する

  3. ライフサイクルのどの段階にいるかによって、利益は増加したり減少する

  4. ライフサイクルの各段階に応じたマーケティング活動を含めた経営資源の配分が行われる

上記の成長から成熟、衰退に至る曲線の長さは製品によって全く違います。
人間にも寿命の長さが違うように製品それぞれで全く長さは違うのです。

例えば、アニメのキャラクターグッズなどは一時期急速に売上が増えて、その後、成熟期を経ずに急速に低下するでしょう。

逆に、ずっと成熟期で売上が維持されて低下しないように見えるものもあります。例としては、赤城乳業のアイスキャンデーの「ガリガリ君」があげられます。

「ガリガリ君」は発売開始から40年以上経ちますが安定的な売上をあげています。もちろん、長い期間の中で一時的な停滞もあったと思いますが、何度も持ち直して売上を維持しています。

「ガリガリ君」もただ40年間同じ商品として販売しているわけではないです。パッケージのデザインや大人向けのフレーバーや少しづつ市場の変化に対応しています。

このように市場の変化に対応して、製品の寿命を伸ばすことをライフサイクルマネジメントと言います。

成熟期から衰退期に向かうライフサイクルマネジメントの方策としては、市場の成長製品の改良の2つの側面があります。

市場の成長
市場を成長させるためには、使用者数を増やすか、既存使用者の利用回数を増やすかのどちらかです。
使用者数を増やすには未使用者の使用を促すか、競合他社の顧客を獲得するかのどちらかとなります。
既存使用者の利用回数を増やすには、新たな使用機会を提案する、1回あたりの使用量を増やす新しい用途の創出の3つを検討します。

製品の改良
製品の改良には、品質、特徴、スタイルのいづれかを改良します。

上記の策を施すことでうまく成熟期の期間を伸ばすか、新たな成長期を迎えることができれば成功といえます。
努力むなしく、衰退期になってしまった場合、収穫(コストを徐々に減らして売上を維持する)か撤退(他社への売却)を検討しなくてはなりません。

まとめ

プロダクトライフサイクル理論について簡単に説明しました。大事なことは製品には寿命があることを常に意識することです。必要な策を検討し続ければ長く市場に居続けることができるでしょう。


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