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外貨を稼ぐ中小企業になるために

今日は中小企業診断士協会の勉強会で金型製造業S社の社長のご講演を聞く機会がありました。

S社はメディアにも取り上げられることがしばしばある高い技術開発力と地域企業との連携など革新的な企業として知られています。

S社はシンガポールのJVを起点にしてグローバルに事業を展開されていますが、その中長期的に方向性を定めてブレることなく挑む姿勢がすばらしいと感じました。

その方向性とは、高付加価値品で外貨を稼ぐです。

外貨を稼ぐとは、国内の技術で生産した製品を海外に輸出して売上を得ることです。

そのためには、安価な生産コストの海外品との勝負に勝たなくてはなりません。

そのために、S社が選択した戦略は「安価品とは戦わない」です。

徹底的に自社の技術力を磨き高付加価値の微細品に特化することを選んだのです。

市場規模としては大きくない特殊品に絞り込むことは経営者としてかなり勇気の決断であったと思います。

そして、高付加価値商品を受け入れる市場ターゲットを絞り込みます。一人当たりGDPの高い国、シンガポール、アメリカ、フランス、ドイツなどの国々で、医療分野などの開発に取り組みます。

さらに、自社の開発力に磨きをかけます。金型などの中小製造業は試作、生産が事業の領域ですが、高い付加価値を目指すには研究開発、商品企画、設計といった上流にこそビジネス領域があると捉えて微細な注射針の開発に取り組んでいます。

実際の販路開拓において、海外の主要な展示会に出展を続けて、現地の商社をパートナーとして着実に成長を遂げています。

まとめ

いかがでしょう?歩んできた道のりをさらっと並べてみましたが、実は結構難しい道を常に選んでいるな、と感じました。

例えば、海外でビジネスをしようと考えれば安い海外生産を考えることも可能だったろうし、日本の商社に販売を任せてしまうことも考えることは可能だったと思います。

でも、それでは高付加価値品で外貨を稼ぐという方向性には行き着くことはできません。

やはり長期ビジョンを持ってブレずに続けることが重要なんだということを再認識することができた講演でした。

最後までお読みいただきありがとうございます。



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