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光は。

光。

光は宇宙で一番の速さで、動いている。

でも自分で止まることも曲がることも出来ずに、ただその速さで真っ直ぐ進む。  

ただし、何かの横を通る時にほんのちょっと曲がることができる。

その何かが重ければ重いほどたくさん曲がれるけど、それでもほんのちょっと。

そして自分では止まれないけど、物にぶつかった時にだけ止まることができる。そして消えてしまう。 

光は不思議。

でもただ消えて無くなるだけではなく、エネルギーという、力の元のようなものになる。 

そのエネルギーをぶつかったものに渡す。 

 そうすると受けたものは、力の元をもらって何かが変わる。

何が変わるかは色々で、熱くなることもあれば、そのエネルギーを取り込んでしまうこともある。

熱くなるときは、光が消える代わりにぶつかったものを揺さぶって、動きが激しくなって温度が上がる。

エネルギーを取り込んでしまうときは、そのあとに、力の元が増えたせいでなんだかふらふら不安定になる。

だからふらふらから落ち着いた安定に戻ろうとして、その時に新しい光が飛び出したり、電子という粒が飛び出したりもする。


光は無数。

私達は、光が動いているところを横から見ても何も見えず、正面から飛んできたものだけ見ることができる。

もうちょっと言うと、目に向かって真っ直ぐ飛んできて、目に入ったものだけが見える。

飛んでいるボールは、どこからでも見えるのに、飛んでいる光は目に入ってきた、ほんのちょっとしか見えない。

本当はこの世界には、この宇宙には、光が無数に飛び交っている。

目に入ってくる光の、何倍か分からないくらいのたくさんの数の光が飛び交っている。

それにぼんやり景色を眺めていると、ずっと同じ景色が見えているように、光は何回も、何回も、ずーっと飛び続けている。

何時間も、何日も、何年も。

光がちょっと休んだりしたら、一瞬見えているものが消えるはずだが、そんなことは無い。

そしてそのたくさんの光同士はぶつかることがない。

光同士が出会うたびにぶつかって、方向が変わったり、ぶつかって消えたり、また光ったりしていたら、世界はぐちゃぐちゃに見えてしまう。

けどそんなことも無いので、光と光はぶつからず、すり抜ける。


光は無。

光には重さが無い。

重さが無いので、大きさも無いから、光と光はぶつからないけど、他のものにはぶつかって無くなる。

もうちょっというと、普通二つのものとものは重なることができないからぶつかるけど、光と光は重なることができる。

だからすり抜ける。

光が宇宙一の速さで飛ぶのは、実は質量という重さがないためで、そのため何にも邪魔をされずに進むことができる。


光は波。

光は、光る粒のようなイメージかも知れないけど、波でもある。

波とは、うねうねとした曲線が規則正しく繰り返されているもので、一粒では波にならない。

人間が作るウエーブは、一人が手を上に挙げて下に下げてを繰り返して、というのを何人もがちょっとずつずらして行うと、うねうねした波に見える。

一人では上下しているだけで、進まないので波にならない。

では歩きながら上下すればいいかというと、光はそういうものでもない。

一つの粒が、何もない真空の中で、まず自ら上がったり下がったりができない。

でも色々な確認や姿で、確かに波であることは分かっている。


光は色。

虹は光が波だから、虹に見える。

波のうねうねの山の頂上から、次の山の頂上まで長さが色々な波がある。

そしてその山から山の長さによって、色が決まる。

短くなると段々紫になり、長くなると段々赤になる。

その中間でちょっとずつ長さが違うと、青、緑、黄、橙と色も変わる。

そして太陽の光は、これらのどれでもない、白。

直接太陽を見ると、目を傷めるので見てはいけないけど、ちらっと見てしまったときは、真っ白な残像が目に残る。

光の色は、赤から紫まで全部の色が混ざると、なぜか白になる。

太陽の光は、実は全部の色の光が出ていて、混ざっている。

虹は、雨の粒が集まったスクリーンに、太陽の光が当たって反射すると現れる。

だから映画館で、後ろから映写機で前のスクリーンに映した映画を、座席から見るのといっしょ。

後ろの太陽の光が、前の雨のスクリーンに当たって、虹ができる。

だから太陽がうしろにあって、前の方に雨が降っていて、自分がいるところは晴れていないといけない。

じゃあなぜ七色になるか。

雨の粒は水の固まりで、そこに光が入ると、光の方向がちょっと変わる。

そしてそのちょっと変わる度合いが、光の波の山から山の長さによって違う。

つまり色によって、方向の変わり方が違う。

方向が違うということは、光が水に入ったときに色が分けられる。分けられた色が、人の目にはだいたい七色に見える。

分けられた色は水の中で反射して、私達の目に入る。

雨のスクリーンは雨の粒の集まりなので、本当はスクリーン全部で七色に分けられて、反射している。

でもスクリーン全体が七色に見えるわけではなくて、目に真っ直ぐ向かってきている七色だけ見える。

それがまるい虹の橋の形になっている。

スクリーン全部で七色に分けられているので、歩いていても、車で走っていても、虹はずっと見えている。


光は謎。

速さは光が生まれた瞬間から宇宙一で、だんだん速くなったり、だんだん遅くなったりもしない。

でも確かにどこかで生まれて、進んでいる。

粒でもあって、波でもある。

波のちょっとの長さの違いで色が変わる。


そして、そんな光がどんな形をしているのか、まだ誰も知らない。  


ここまでの光のことは、たくさんの科学者が長い時間かけて調べて考えた、本当のこと。

だけど、まだ分からないこともある。

間違っていて、未来に直されることもあると思う。

まだ分かっていないことが未来には分かってくると思うけど、できれば自分が生きているうちにそれを知りたい。

(まだ続くのですが、長いと読みづらいと思いますのでここで区切り、次回のインターミッションおよび解説編に続きます)

#キナリ杯

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