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Rina Sawayama / Hold The Girl Tour 2023@東京ガーデンシアター 2022.1.20

Rina Sawayamaを観てきました。初単独来日公演らしい。フェスでの来日はありましたが単独公演は初。会場は有明の東京ガーデンシアター。

東京ガーデンシアター入口

ショッピングモールや劇団四季シアターもある複合施設。広いですね。モールとシアターを繋ぐのがニ階部分なのに一階に降りてしまって大回りしました。広大。

中に入ると音楽出版社と並んでテレビ局からの献花が。出演番組か、テーマソング提供してるのかな。日本ではエイベックスがマネジメントしていたはずですがエイベックス色はあまり感じず。ツアープロモーターもクリエイティブマンだし。ダーティーヒットとしてライブネイションと契約していて日本ではクリマンだったのかな。クリマンはライブネイションと提携しているので。なぜかエイベックスの日本公式サイトでは告知すらしていません。

物販

物販列はそこそこの並び。だいたい30分ぐらい並んでマーチャンダイズをゲットしました。

物販

日本独自の物販はなはし。公式サイトの物販と同じでした。デザインを見るにツアーデートが入ったTシャツも日本公演の前までっぽいです。日本独自でなんで作らなかったんだろう。Tシャツ一種類ぐらい増やせばいいと思いましたが、なんだかこの辺りは色々ありそう。

昔は物販買わなかったんですが最近は買うようになりました。ストリーミングになり、あまり音源を買わなくなったからですね。その分グッズを買うようになった。僕だけじゃなく一定数の人がそうなんじゃないかな。最近、物販列でよく並ぶんですよね。グッズの種類も全体的に増えたし。バンドTシャツがファッションとしても確立されたのも大きいかも。メタリカとアイアンメイデンはファッションブランドだと思っている若い人もいるとか。

会場

会場入り。かなり埋まっています。

会場


ガーデンシアターはなかなか面白い作りで縦に四階層に分かれています。オペラハウスのような作り。ステージを取り囲んで距離が近い。その分高さがあります。これはいいハコですね。そういえば中止になってしまった2020年のドリームシアターは予定通りならここで開催されていたはずでした。

19時開演予定で、10分ほど遅れて開演。客席はほぼ満席です。観客層は若めで、オシャレな人が多い。色々なライブに行って思いますが、観客の年齢層はアーティストに近い気がしますね。20代のアーティストなら20代が多いし、50代のアーティストなら50代が多い。フェスは別ですが。もちろん、大物になると幅広い年代層に聞かれるし、そうでなければスタジアムクラスにはなれませんが、ライブハウス〜ホールクラスのアーティストは自分に近い年齢層のコアファン層が中心な気がします。

この日のセットリストはこちら。

Minor Feelings
Hold the Girl
Catch Me in the Air
Hurricanes
Your Age
Imagining
STFU!
Frankenstein
Holy (Til You Let Me Go)
Bad Friend
Send My Love to John
Chosen Family
First Love(Hikaru Utada cover)
Cherry
Comme des garçons (Like the Boys)
XS
Encore:
This Hell

いくつか感じたポイントを。

・冒頭二曲はアルバムと同じ曲順、最初の方にツアータイトルトラックでありキラーチューンと言える「Hold The Girl」を演ったのは少しビックリ。これで会場のボルテージが上がる。

・ステージセットはバックスクリーンに映像は流さず、光とスモーク中心。後ろの円形のライトがさまざまな効果を出していた。ちょっと90年代のピンクフロイドのステージセット(The Division Bell Tour)も連想。

円のステージライトを活かしたピンクフロイドのツアーセット

・けっこうニューメタル的な曲が耳を惹いた。1st”Sawayama”収録の「STFU!」が筆頭。2020年ごろにニューメタル的なディストーションギターをポップスに取り込むのが流行った印象(USのPoppyとか)。ただ、2nd”Hold The Girl”にはほとんどニューメタルの影響を感じなかったので(ポストパンク的な曲はあった)、リナサワヤマがメタル好きと言うわけではないんだろう。個人的にはこういうギターリフが挟まれるとテンションが上がる。

・ニューメタル、ポストパンク、ディスコ、エレクトロニカ、R&Bなど曲ごとにコンセプトがあってバラエティに富んでいる。ある意味雑多なのだがセカンドアルバムからの曲はそれらを貫く力強いボーカルラインを感じた。逆に言えばファーストからの曲はまだ模索中な感じ。それ故のスリルもあるから魅力的ではあるのだけれど、ポップスとしての強度が上がりアーティストとしてセカンドアルバムで一皮剥けたんだなぁ、とライブを観て実感。ファーストアルバムとセカンドアルバムで制作陣はそこまで変わっていない(もともとco-writingする人で、参加コンポーザーの面子はそれほど変わっていない)ので、本人が進化し、キャラクターが確立してきたのだろう。

・この日の観客は6500人で、リナサワヤマの単独公演としては過去最高の規模だったらしい。本人がMCで話していた。今ホールクラスのアーティストだけれど、ここからアリーナクラス、スタジアムクラスになるだろうか。今回のライブの盛り上がりを見ていると、次作で更に進化できればポテンシャルは十分あると思う。

・MCは完璧な日本語だった。完全なバイリンガルなのね。

・宇多田ヒカルをカバーしてくれた。日本語の歌を観客に向けて歌うのは初らしい。日本公演ならではのサプライズプレゼント。宇多田ヒカルの影響で歌い始めた、と言って歌い始めたこの曲はかなり完コピに近いクオリティ。

・ライブ時間は約1時間半。きちんとショーアップされたビヨンセのようなスタイル。ドラムとギターは生演奏を足していて、後はトラック。ダンサー2人がいて計5名のステージ。比較的小規模な編成なので東京ガーデンシアターのステージだと余白も大きかったがそこをリナサワヤマの存在感で埋めていた。

・最後は”This Hell”で締め。日本のテレビでも披露してたのね。

・リラックスしてひたすら楽しめるライブだった。セクシャルマイノリティや抑圧されたシチュエーション(彼女が女性かつ移民なのでそういう視点の曲も多い)を扱いながら、それを力強くポップスとして昇華しているからだろう。互いを受け入れ、鼓舞するという姿勢がステージから伝わってきた。暖かいものが胸に残ったライブ。また観たい。

それでは良いミュージックライフを。

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