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40.妖艶なるオカルト・メタルの深淵 = Death SS

Death SSはイタリアのメタルバンドで1988年アルバムデビュー。とはいえ1977年結成で、アルバムデビューまでに複数枚のシングルをリリースしているので70年代から活動を続けているバンドです。Death SSのSSはリーダーSteve Sylvesterのイニシャル。B級ホラーのカルト・ムービー的な世界観と、邪悪さを醸し出しつつどこかキャッチーで印象に残るオカルト・メタル・バンドです。イタリアと言う国は音楽が盛んで、酒場に行けば流しのギター弾きが各テーブルを回ってくるし、街角も音楽があふれているそう。イタリアの王道の歌といえばカンツォーネやオペラなわけですが、歌に溢れるお国柄からかイタリア出身のバンドは音楽ジャンルを問わず歌心がある気がします。あと、イタリアン・プログレもそうですが息が長いバンドも多いですね。決してメインストリームではないものの、アンダーグラウンドでも活動を続けられる強固なファンベースがあるのでしょう。

なお、Death SSはデビュー当時はメンバーがそれぞれ吸血鬼、ゾンビ、狼男、ミイラ、死神という設定でした。ライブもギミックに満ちたホラーな世界観を再現しています。

他にもいくつかホラー風味のメタルバンドをご紹介します。まずはフィンランドのLordi。

2004年のセカンドアルバム「The Monsterican Dream」より。2006年のユーロビジョン・ソングコンテストでフィンランド人アーティストとして初優勝し、世界的な知名度を獲得していく前の時代です。B級ホラー色が強く、好きなビデオです。

続けてスウェーデンのGhost。

Ghostは別記事でも取り上げました。今やグラミー賞獲得バンドとなりましたが、こちらは2013年のセカンドアルバム「Infestissumam」より。B級ホラー風味がたまりません。最近のPVもより凝った作りになっていますが、芯はぶれずにオカルト色が強い独自の世界観を深化させているバンドです。

続いてKing Diamond。

デンマーク出身のミュージシャンで、1981年のMercyful Fateを結成して83年にデビュー。メタル界に衝撃を与えます。1985年から自身のバンドであるKing Diamondで活動。世界中に根強いファンベースを持つオカルト・メタル界の巨星です。

最後は日本が誇るオカルト・メタル。聖飢魔Ⅱ。1985年のデビュー盤「聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる」のB面(当時はLP)を飾る大曲「悪魔組曲 作品666番ニ短調」をどうぞ(なぜか埋め込めないのでリンクで)。日本で初めてヘヴィメタルとして10万枚を超える売り上げをたたき出した作品であり、世界に通用する高品質なオカルト・メタルを奏でています。


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