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USで売れているメタルアーティスト2015-2020

しばらく前に書いた記事「インフォグラフで見るメタルのトレンド」がnote公式に取り上げてもらったのでPVが増えています。この機会に偽メタルさんの別の動画もご紹介。いろいろと面白い企画が多いんですが(インダストリアルヒップホップとインダストリアルメタルの比較とか)、今回紹介するのはインフォグラフ系の第二弾動画で、2016年から2020年のUSでのHM/HR系のベストセラーアルバムをまとめてくださったもの。こちらも日本のメタラーからすると結構意外な内容になっています。少なくともBurrn!とか、webの日本語空間ではそれほど話題に上らないアーティストが上位に来ているのが印象的。それでは見ていきましょう。

2015年

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2015年、いきなりブレイキングベンジャミンが一位。このアーティスト知りませんでした。いわゆるオルタナティブメタル系のバンドで、グランジを彷彿させる音像。このアルバムから一曲どうぞ。歌メロ主体ですね。

このバンド、日本ではBurrn!誌ではほとんど取り上げられないし、あまりメタルの文脈で語られていないかも。USでもメディアからの評価は低い、というか、あまり相手にされていません。各種メディアの評価を集めたAOTYでもかなり評価は低め。LoudwireとかMetal Hammerといったメディアでレビューもされていないので、商業的にはハードロックやメタルに分類されるけれどメタラーからはメタルとして扱われていない印象も。Encyclopedia Metallum(以下EM)にもページはなし(ただ、「ブレイキングベンジャミンってどうよ?」みたいなスレッドは発見)。まぁ、ちょっとハード目な音の普通のUSロックといえばそんな感じかも。

2位はファイブフィンガーデスパンチ。これも売れているけれどメディア評価は低いバンドですね。ただ、こちらの方がメタル的なエッジは強め。

サビに行くとわかりやすくポップになります。ニューメタルの続き、という感じですね。こちらはMetal Hammerでも取り上げられていて★★★★を獲得。日本でもそこそこ知名度がある印象です。

3位がディスターブド。オジーオズボーンが「メタルの未来」と評価したというニューメタルの旗手ですね。NWOAHM(ニューウェーブオブアメリカンヘヴィメタル)の一員。

ただ、こちらもメディアからの評価は高くないバンド。Metal HammerでもKerrangでも★★★と微妙な評価。上位3組の中だと一番個人的には好みですが。

4位以下は旧譜が続きます。メタリカのメタルマスター、そしてAC/DCのバックインブラック。6位のAC/DC Rock Or Burstは2014年発表の新譜ですね。このリリースの影響で旧譜も売れたのでしょう。ベテランバンドは新譜を出すと旧譜も売れる傾向にあります。

7位がこれまた日本ではあまり知名度がないShinedown。メタル仲間で好きな人がいるので個人的には知っていますが、あまり知名度はないんじゃないでしょうか。まだこんなに人気があるんですね。2001年デビューでそこそこベテラン。ややグルーヴィーなオルタナティブメタルです。

Shinedownもあまりメディア受けは良くないバンドで、レビューもされないしレビューされてもそれほど評価は良くありません。あまり新規性がないんですよね。ただ、曲のクオリティは高い。耳に残るフックがあるし、Alice In Chainsに通じる感覚がある。ポストグランジの生き残り。生き残るだけあってセンスが良いです。

8位はメイデンのブックオブソウルズ(魂の書)。バンドについてはもはや説明しませんが、この並びの中で気を吐いていますね。リードトラックは多少US的といえばそうですが、やはり音もメロディも他とは違う。むしろ、この並びの中だと地味に聞こえると思うし、ポップなフックも少なめです。

メイデンは強固なファン層をUSでも確立している、ということなのでしょう。やはりライブバンドですし、USツアーで着実にファン層を積み上げてきた結果なのかと。

9位がHalestorm。日本にもこのころラウドパークで来日していましたね。女性ボーカルを擁するハードロックバンド。こうした系統の中ではUSでは人気が頭一つ抜けていることが分かります。

オーソドックスなハードロックですね。Led ZeppelinやWhitesnake系というか。ブルージーなハードロック。こちらもUSメディアの評価は低め。売れている若手バンドはけっこうメディアでは評価が低い、年間ベストアルバムとかには一切出てこない感じがありますね。Halestormは日本ではメディアも好意的な気がします。個人的にもけっこう好きですね。

続いてフーファイターズのベスト、メタリカの旧譜、Zeppの旧譜と来ます。ZeppはUSでは強いですね。ニッケルバックのDark Horseも2008年作ながらランクイン。ニッケルバックはUSでは人気がありますね。

ちょっと意外だったのが最後に入っているTrans-Siberian Orchestra(TSO)。これ、つまりSavatageです。中心人物であったポールオニールとジョンオリヴァがSavatage後期にサイドプロジェクトとしてスタートし、より本格的なロックオペラをクリスマスをテーマにやるという企画だったのですが、USで大ヒット。改めて調べてみたらクリスマスシーズンの定番になっていて、デビューアルバムは300万枚以上売れているとか。ほとんどのメディアで黙殺されているし、年間ベストとかにも出てこないのでスルーしていましたがUSでは大人気。ライブ映像を見てみたらかなりショーアップされていて、ミュージカルのような作りなのですね。ライブの動員数が高く、ミュージックショーとしてロングラン、といったプロジェクトなのかも。

クラシックの名曲やクリスマスキャロルをハードロック調にアレンジするプロジェクト(オリジナル曲もあり)。Savatageの後期作が好きな方は通じるものを感じ取れると思います。

2016年

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2016年はMetallicaの新譜が一位。Metallicaはやはり強いですね。旧譜も軒並み順位を上げて、3位~6位を独占。下の方にもKill Em Allが入っています。

2位は昨年もチャートインしていたDistorbedのImmortrized。じわじわ売れ続けていますね。

7位に入ってきたのがMegadethのディストピア。スラッシュ四天王の一角。

80年代スラッシュメタルシーン出身で気を吐いているのはMetallicaとMegadeth。両者ともメロディにフックがある、メロディアスでキャッチーなフレーズを作るのがうまい印象です。

ちょっと意外なのがSlayerの最終作Repentless(2015)が2015にも2016にもチャートインせず。やっぱりポップさが足りないからですかね。Anthraxもチャートには入らず。

8位は昨年に続いてFive Finger Death Punchがランクイン。その次9位にNWOAHMの旗手の一つ、Avenged Sevenfold(A7X)が入ってきます。

でも、意外と順位が低いですね。けっこう若手USメタルバンドでは人気がある印象だったんですが、Five Finger Death PunchやDisturbedの方がセールスでは上なのか。

10位にガンズアンドローゼスのベストがランクイン。クラシックラインナップ(スラッシュとダフが復帰)でツアーを行い、この年のコーチェラでヘッドライナーを務めたことによる話題性が大きかったのでしょう。

11位はデフトーンズのゴア。これはポストメタルですね。従来のメタルとは違う音像。

DeftonesはUSではメディアの評価も高く、年間ベストアルバムなどにも顔を出してくる印象です。メタル系だけでなく、ロック系全般、ベストアルバム全体にも顔を出す印象。その代わり、日本ではあまりメタルとしては扱われていない印象も。Radioheadなどの影響も感じるし、従来の「メタル」の枠を超えたバンドです。その分日本だと評価が定まっていない印象も受けます。ヘヴィロック、ラウドロック、といった括りだと入るんですけれどね。NeurosisやToolとかも「どう扱っていいか分からない」系なのかも。

12位にヴォルビート。デンマークのバンドなので欧州の人気の方が盛り上がっている印象ですが、USでもここまで人気なのですね。

こちらも海外メディアの評判はあまり良くありませんが、わかりやすくてかっこよいロック。こういうバンドがやっぱり売れるんですね。個人的にはメロディが良くてけっこう好きです。なんだかんだ、メタルってポップだと思っているので。80年代メタルの魅力って、ポップさ、キャッチーな歌メロだと思うんですよね。キャッチーな美メロと暴虐性のあるギターリフやブラストビートの対比がメタルの醍醐味。

続いてAC/DCの旧譜、ガンズの旧譜、昨年に続いてTSOのアルバム、Shinedownが入り、17位にA Day To Remenberがランクイン。

メロコアっぽさもあるバンドですね。オルタナティブメタル、90年代のメインストリームに繋がるバンド。やはりUSでのヒット傾向はあまり変わっていないのか。このバンドも日本での知名度はあまりありませんね。売れているだけあってクオリティは高いですが、それほど新規性も感じません。モールコアと揶揄される感じの音像。メディアでもあまり取り上げられず。欧米メディアはUSで売れているバンドを取り上げていないことも結構多いですね。

19位にKornがランクイン。Kornはメディアからの評価も高まっており、メタル系のランキングには常連となっています。とはいえ売り上げは意外に低いんですね。もっと人気かと思っていました。

こうして聞いていくと迫力があるというか、やはり気合が入っています。フックのあるコーラスはあるものの攻撃性、怒号、怒りと哀しみの表情が強い。

最後、20位に唐突にBon Joviが入ってきています。何があったんだろう。そういえばちょくちょく新譜を出していますがランキングには出てきませんね。意外に売れていないのか、あるいはハードロック/ヘヴィメタルには近作は分類されないのか(後者の方が妥当な気がします)。

2017年

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2017年、引き続きメタリカがぶっちぎりで1位。2位もブラックアルバムが出てきています。2021年にブラックアルバムの30周年記念盤が出たからまた伸びるのでしょうね。

3位にフーファイターズの新譜がランクイン。

どうもフーファイターズってメタル感はないですよね。一応Burrn!でも取り上げられていますが。あまり大きな扱いではない。グランジって日本のメタル史だと小さめに扱われています。USハードロックの一つの大きなムーブメントだったんですが。フーファイターズは日本でも人気が高いですが、メタラー内での人気より一般人気の方が高い印象です。これはニルヴァーナにも言えることですが。USの若者の感覚だとメタルやハードロックのど真ん中がオルタナティブメタルでありグランジ以降なのかも知れなくて、そこは日米のメタラーで”王道”のイメージの差異がありそうなところです。

5位にリンキンパークのデビューアルバムがランクイン。2017年にチェスターベニントンが亡くなった影響でしょう。でも、リンキンパークの旧譜でこういう時に売れるのはハイブリッドセオリーがとびぬけているんですね。メテオラも同じぐらい売れるのかと思っていたので少し意外でした。

7位にQueens Of The Stone AgeのVillansがランクイン。ストーナーロックの雄ですね。ボーカルでリーダーのジョシュオムはフランスでライブがテロに巻き込まれたイーグルスオブデスメタルのメンバーでもあります。

70年代ハードロックやサイケデリック、サザンロックとドゥームメタルを組み合わせたのがストーナーロックですが、ここではロカビリーやロックンロールに回帰しています。90年代のストーナーロックは00年代以降のガレージロック、ルーツロックリバイバルの先駆的な動きだったとも言えるでしょう。

旧譜を挟んで10位にニッケルバックの新譜が登場。00年代より勢いが衰えたとはいえまだ人気が健在です。

ポップでわかりやすいメタル、ハードロック。カナダのバンドなのでやはりUSの流行に沿っているところもありつつ少し離れたところから見て抽象化している感じもあります。流行を冷静に見て、極端な変化ではなくまとめながらうまく取り入れている感じ。

AC/DC、ガンズといった常連を挟んで13位にMastodon。こちらもメディアの評価が高く、メタルの年間ベストアルバムなどには必ず顔を出すバンドですね。商業的にはそこそこの成功。

Mastodonあたりになってくるとけっこうアンダーグラウンドな薫りもしてきます。しかしこうしてみると旧譜が良く売れていますね。メタリカ、ガンズ、AC/DCが常連。特にメタリカの強さが際立ちます。旧譜が売れ続けている。

2018年

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あまり変わり映えがしなかった2017年からガラッと変わり、大きな変動がある年です。1位がグレタ・ヴァン・フリート。1位のFrom the FiresはデビューEPに曲を追加したもの。5位のAnthem of the Peaceful Armyがデビューアルバムです。Zeppフォロワーとして名前は知っていますが実はきちんと聴いたことがないんですよね。こんなに人気があったとは。まさに衝撃的なデビューですね。

ものすごくロバートプラント的。70年代の大物感があるサウンドなのに若者が奏でているという、不思議なミスマッチ感があります。新譜が2021年に出ているので後で聞いてみようと思います。

2位はブラックアルバム。このアルバム売れすぎですね。毎年コンスタントに売れ続けています。

3位がFive Finger Death Punch(5FDP)の新譜。変わらぬ人気。

この曲のYouTubeの再生回数も9000万超えと爆発的ですね。やっぱりカントリー的な要素があるから人気なのでしょうか。ポップカントリーってUSで人気があるんですよね。USだけで閉じた人気ですが。

6位にはブレイキングベンジャミンの新譜がランクイン。こちらも2015年の前作ほどの勢いはないものの人気を維持。

この曲は激しい怒号からスタート。攻撃性が増していますね。これは前作からの進化が感じられるかも。

7位にはディスターブドの新譜がランクイン。

ただ、正直このEvolutionというアルバムはあまり勢いが感じられない、散漫な内容でバンドの勢いがなくなってしまったように感じます。売り上げもそれを反映してあまり伸びず。なんというか、音から迫力が減ってしまったんですよね。

ガンズを挟んで9位にShinedownの新譜がランクイン。このバンドも強いですね。

グランジマナー、静ー静ー動ー静を守りながらコード進行などは流麗に流れていきます。曲作りのセンスを感じます。このバンドはきちんと聞いてみよう。なんだろう、ポップ寄りのメタルなのは確かなんですが、音に説得力があるんですよね。きちんと盛り上がっていく。

10位は5FDPのベストアルバム。

11位、Ghostです。北欧、スウェーデンからの新星。USでもここまで成功しているんですね。好きなバンドなのでもっとビッグになって欲しい。欧州的な湿り気とダークでゴシックな雰囲気を纏いつつポップでキャッチー。

ちなみに「Ghost」で検索するとバンドまでたどり着けないんですよね。他の情報が多すぎて。まさに”Ghost”のようなバンド(”Ghost band”で検索すると出てきます)。

13位、パーフェクトサークル。ツールのボーカリスト、メイナード・ジェイムズ・キーナンのサイドプロジェクトですね。独特の世界観を持ったバンド。

ニューウェーブ、ゴシック的な浮遊感にアグレッションのある音像。

14位にゴッドスマック。1995年結成のベテランです。今もこんなに人気があるんですね。

いわゆるオルタナティブメタル、ポストグランジと呼ばれた世代。さすがのベテランの作曲、編曲能力。しかし、新譜から1曲ずつ「一番再生数の多い曲」を選んでいるんですが、バラードが多めですね。”メタルバンドのバラードがヒットする”のは90年代から変っていないようです。メタルバンドのバラードはバラードだから攻撃性が薄く聴きやすいけれど、メタルバンドらしく大仰でドラマティックですからね。こういうサウンドが好きな層が一定数、文化として醸成されているのかも。

メタリカ、リンキンパークの旧譜を挟んで17位にメタルゴッド、ジューダスプリーストの新譜がランクイン。結成50年に及ぶ大ベテラン、メタルを生んだレジェンドの一つが気を吐いています。

ヘヴィ・メタルという音楽スタイルを定義したアーティストの一つでもあり、メタル以前から活動するアーティストでもあるので、70年代のクラシックロックのテイストも自然に持っているんですよね。サウンド的にはザクザクしていますが、この曲のメロディなんかはクラシックロック、ジャングルポップ的な親しみやすさもあります。

2019年

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この年の1位はTool。13年ぶりのアルバムにしてビルボード1位を達成。独特の音楽性で孤高のバンド、1バンド1ジャンルとでもいうべきバンドです。

1996年ごろから商業的成功を収めており、時代的にはポストグランジぐらいの時期から伝説化したバンド。ライブパフォーマンスがすごいらしく、ライブから火が付いたようです。ポストメタル的でもあるし、時代を先取りしていたといえば先取りしていたような音。

2位がスリップノット。意外とセールスが伸びていません。ちょっとUSでの勢いに翳りが出てきたか。まぁ、キャリアを考えれば十分大物だし、長い間活躍していますが。ライブ動員や各種ストリーミングの再生数、話題性などを考えると現代メタルシーンを代表するバンドの一つなのは確かです。

しかし、特徴であるトライバルなリズム、複合的なビートは健在ですが、デビューアルバムに比べるとかなりメロディアスになり聞きやすくなりましたね。

3位メタリカブラックアルバム、4位はグレタヴァンフリートのデビューアルバム、グレタヴァンフリートは売れ続けていますね。その後もガンズ、AC/DCと常連が続きます。

目を惹くのは11位、モトリークルーのザ・ダート。これはネットフリックスのモトリークルードキュメンタリーのサントラで、ドラマーのトミーリー役をマシンガンケリーが演じたことでも話題になりました。

リユニオンツアーも計画中。

Toolの新譜に合わせて旧譜もランクイン。それらを挟んで16位がKornの新譜。ここのところKornはコンスタントに良作をリリースしています。このアルバムThe Nothingはメディアの評判も良く欧米のベストメタルアルバム2019でよく見かけた印象です。

2020年

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この年はベテランが強いですね。AC/DCがかなりいろいろなトラブル(メンバーの死、病気、逮捕など)を乗り越えて6年ぶりに出したニューアルバムが1位。

解散危機がささやかれていただけに新作復帰がファンから熱狂的に受け入れられた印象があります。

そして2位も復帰組、オジーオズボーン。オリジナルラインナップでのブラックサバスの復活~封印を挟み、10年ぶりのソロアルバムです。

これまでのキャリアを総括しつつ、メタル以外の人脈(ポストマローン)ともコラボした意欲作。アルバムタイトルOrdinary Man(普通の男)というのはオジーが言うとなんの皮肉かと思いますが、タイトルトラックを聴くと「普通の男として死にたくはない」という内容。

3位、4位は定番のAC/DC、メタリカの”ダブルブラック”を挟んで、5位に5FDPの新譜。コンスタントにアルバムを出していますね。

だんだんレイドバックしている気もします。

6位にメタリカとサンフランシスコ交響楽団が共演したS&M2がランクイン。20年ぶりのオーケストラとの共演の様子を記録したものです。

流石の迫力。

他はZepp、ガンズ、AC/DCなどの旧譜を経て11位にDeftonesの新譜Ohmsがランクイン。

より進んだポストメタル、シューゲイズ的というか音響的な工夫が凝らされて、音を全身で浴びるような体験に。メディア評価も高く年間ベストアルバムに軒並みエントリーされていました。

16位にラムオブゴッドのセルフタイトルアルバムがランクイン。激烈な音楽性ながらこのアルバムはかっこよかった。一定の商業的成功も収めたのですね。強烈な攻撃性を持ったアルバム。

最後、18位はエヴァネッセンスの新譜。ニューメタル世代としてデビューし、デジタルを取り入れ、ゴシックでダークな雰囲気をまとった特徴は健在。

歌姫エイミーリーもだんだんゴツくなってきましたね。

以上、2015年から2020年までのUSのトップセールスでした。あまり日本では知名度がないバンドが売れていたり、逆に日本ではビックなバンドが名前が出てこなかったり、けっこう印象と違いますね。このあたりがUSの今のトレンドといったところです。今回も先入観やイメージをデータで正してくれる素晴らしい情報でした。

欧州だとまた結構事情が違うと思います。欧州の事情だと各種メタルフェスの各ステージのヘッドライナーを追っていく方が分かりやすいかもしれません。それがそのまま「客を呼べるアーティスト」なので、人気度合と比例しています。

USで一番売れているメタルアーティスト

最後に、USで一番売れているアーティストのリストはこちら。ハードロック、メタル系です(一部「?」というアーティストも混じっていますが、ロック系なのは確か)。なお、あくまで「USだけ」です。そのため、世界規模で見るとトップレベルで売れているメタルバンドであるアイアンメイデンは入っていません。

※RIAAの認定をもとにした集計なので、ゴールド(50万枚)以上のアルバムだけの集計です。

1.Led Zeppelin (111.5 Million)
2.AC/DC  ・  Pink Floyd (75M)
3.Aerosmith (66.5M)
4.Metallica (63M)
5.Van Halen (56.5M)
6.Guns N’ Roses (44.5M)
7.Def Leppard (35.5M)
8.Creed ・ Queen (35M)
9.Bon Jovi (34.5M)
10.Pearl Jam (31.5M)
11.Ozzy Osbourne (29.5M)
12.Nirvana (28M)
13.Linkin Park (27.5M)
14.Mötley Crüe ・ Red Hot Chili Peppers ・  Rush (25M)
15.Green Day ・ Nickelback (24M)
16.Kiss ・ Meat Loaf (21M)
17.Smashing Pumpkins (19.7M)
18.Stone Temple Pilots (17.5M)
19.Korn ・ Limp Bizkit (16.5M)
20.Black Sabbath ・ No Doubt (15M)

出典

こうしてみるとZeppが圧倒的にUSでは人気なのですね。グレタヴァンフリートの人気も頷けます。Zeppの幻想が大きいのでしょう。

8位のCreedはけっこう意外ですね。USで人気があったのは知っていましたがここまで大物だとは。日本(というかUS以外)ではあまり人気がない気がします。

あとは18位のStone Temple PilotAlice In ChainsSoundgardenが入っていないのにランクインしているのは少し意外です。


以上、今回はセールスデータを元にUSで人気のあるメタル音楽を見てきました。個人的にはあまり好みではないバンドもいましたが、どのバンドも売れる理由はわかるというか、「USではこういうのがヒットするんだな」というのは一定の共通項があるような気がします。あと、売れているバンドはやはりメタルの入り口としては入りやすいのかも。メタル初心者におススメするときには参考になりそうです。

それでは良いミュージックライフを。

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