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発酵スタートアップが目指すD2Cとして新たな挑戦について語ります。

初めまして、株式会社アグクル代表の小泉泰英です。

私たちは“社会を発酵させる”をミッションに、『発酵 × ビックトレンド』で世の中にない新しい価値を届けています。

現在フードコスメORYZAE(オリゼ)という腸内から美しさを支えるこうじソースのD2C事業をメインに展開しています。

アグクルは2018年5月に宇都宮大学発ベンチャーとして創業しました。創業時は地方発の発酵食品を販売する会社でしたが、2020年より急成長を目指すスタートアップへと変化し、一進一退のなかでここまで生き延びてきました。

2021年度は変化の多き毎日によって、事業の大きな成長とそれに伴う働くメンバーの成長が著しく起こる大変で楽しい1年になるのが私の目には映ってます。

さて今回は地方のスモールベンチャーがスタートアップに変化していくまでをお伝えできれなと思っています。

私は運が良くなる環境に自分がいた。

はじめに、あなたの貴重な時間をいただいてこの記事を読んでいただくからには何かをギフトできればと思い、それを最初にお伝えします。

自分の目指す理想に近づきたければ、「いかに運が良くなる可能性が高い環境に自分の身を置けるかが将来を決める」ということです。

私の起業家としての3年は本当に運が良かったというか、運が良くなる可能性が高い環境に自分の身を置けていたなと思います。

まちを歩いているだけでは会えないような偉大な先輩たちから刺激をもらい、ときに厳しき、ときに助けてもらいました。

出会いの一つでも欠けていたら今の姿はなかったなと思います。

ユーグレナ出雲さんとの出会いがアグクルをスタートアップに変えた。

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私がスタートアップになろうと決意した日は今でもすごく覚えていて、2019年7月16日でした。

ご縁があってお世話になっていた花まる学習会の高濱さんに「出雲さんが今度うちに講演にくるからよかったら参加しなよ」と声をかけていただき参加しました。

今までも出雲さんは本もメディアの記事も読んだことがあって知っていたし、何より同じ微生物の会社として尊敬している会社のひとつでした。

そのときは「右も左もわからない中で会社立ち上げ、成長させ、東証一部にまでなっているなんてすごいな」くらいにしか思っていましたが、講演を聞いて心を撃ち抜かれました

なんだ…この熱量と、この勢いと、本気度は!

正直それまでは、「21歳で起業したんだし、ゆっくりやっても40歳くらいにはまあまあ会社も大きくなっているっしょ」くらいに思っていました。

でもこのときの自分はいつもと違いました。

「私の今のマインドやスピード感では出雲さんには到底追いつくことができない。同世代や後輩の前で一丁前なことを語ってきたけど、このままじゃだめだ」と思ったことを昨日のことのように覚えています。

この日からアグクルは少しずつ変わろうとし始めるのです…

クラウドワークス吉田さんのと出会い

とはいえ目の前の業務も忙しく、そもそもスタートアップが何かを文字面でしか知らなかった私にとってすぐに変化することは難しいことでした。

さらにこれからも「地域に根付く発酵食品の会社を目指すのか、世界に羽ばたく発酵カンパニーを目指すのか」を迷っていたこともあり、経営にブレが生じて思うようには行かず、資金難に陥ろうとしていました。

銀行からもある程度借りていたのでこれ以上は借りられない状況になり、いよいよどうしようかと困ったことも昨日の日のように覚えています。

そんな苦しい中でも止まったらダメだと思い、迷いを持ちながらピッチに参加しました。

そのピッチの場に来ていたのがクラウドワークスの吉田浩一郎さんです。

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実はその後エンジェル投資家としてアグクルの株主になってもらうのですが、ピッチ前は「クラウドワークスって聞いたことある会社だよな〜そこの社長もいるなんですごいな、この場」くらいにしか思ってなくて、ましてや自分に興味を持つなんて思っても見ませんでした。

しかしピッチ後のコメントシートに「腸内の菌に興味あるんで、話したいです」みたいなこと書かれて、「え!?」ってなりました。

その後、お話をして出資していただくこととなり、本格的なスタートアップライフが始まるはずでした。。。

本当の意味でスタートアップ企業になった話。

その後、新型コロナウイルスが広がり始め、人が外に出なくなったことで今までイベント出店や小売店での販売を中心として事業をしていたアグクルは経営がまたしても悪化します。

正直、スタートアップって今までとどう変化しなきゃいけないのか全然わかっておらず、6ヶ月くらい今までの延長線上で過ぎていきました。

「いやーこのままじゃダメだ。本当にただお金が溶けていく。」

そう思ってヒントをもらいに吉田さんに相談したとき厳しいアドバイスをもらいます。

今やってることって(スタートアップというよりかは)地方のお洒落な発酵食品会社だと思うけど、本当にそれがしたいの?栃木県の若手起業家として注目はされているかも知れないけど、今の成長スピードだと新卒1年目の社会人の方がよっぽど成長しているよね。

そしてmtg後にこんな言葉を貰いました。

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このとき初めて、スタートアップというものが表面的な言葉や一時的な熱ではなく、私の覚悟として腹落ちした瞬間だったなと思います。

NOIN渡部さんが事業相談に乗ってくれるようなった。

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吉田さんの言葉を受け、不足しているものを考えました。

当時の自分は流行りのD2Cという言葉も知りませんでしたし、サブスクも単純な意味程度しか知らず、事業づくりとは何かが全くわかっていませんでした。

事業づくりを知っている方にアドバイスをもらいながら一から事業作り直そうと決め、力になっていただけそうな方を探しているときに出会ったのがNOINの渡部さんでした。

NOINは日本最大の化粧品コスメのプラットフォームでめちゃくちゃ伸びているスタートアップでした。(当時はそのことも知りませんでした、ごめんなさい)

壁打ちとしてお会いできる機会をもらったのですが、会うまでまじでビビっていました。

「化粧品のスタートアップの社長が発酵食品の話なんて聞いて興味を持つ可能性なんてあるのだろうか?」なんて思ってとりあえず想いをぶつけようと当日を迎えました。

場所は上野駅のスターバックスでプレゼン資料を作って話したのですが、返答として「いいと思いました。」と言われ一瞬、「??」となり、すぐに「自分自身で全然わかってないんですけど、何が良かったんですか?」と聞いてしまいました。

そしたらば、渡部さんは「小泉さんの事業は自分のためじゃなくて社会をよくしたいという想いのもとやっているのが伝わるし、発酵という切り口も可能性あるなと感じました」と言われ、その後、定期的に相談してアドバイスをもらう関係となりました。

振り返ると2020年7月のことで…そこからは今までとずいぶん変わっていきました。

フードコスメORYZAE(オリゼ)が誕生

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フードコスメのコンセプトメイキングやブランドエクイティなどについては今回は割愛しますが、かんたんにORYZAE誕生の話をします。

私は創業より「次世代が発酵を通して健康である日常をつくりたい」と思っていたことに加え、3歳前後で腸内環境の基礎が決まってしまうということもあったので、子どもに発酵食品を届けることがもっとも本質的であり、アグクルの使命だと考えていました。

しかし行き詰まりも感じていた私たちは、現状を分析しました。

その結果、子どもに発酵食品を届けたいと考えると、購入する親が子どもの健康に関心をもっているかがポイントであることがわかった。

つまりいくら発酵食品の必要性を唱えても両親に関心をもってもらえなければ一生届くことはないということでした。

新しい気づきを得た私たちは、親の中でも特にお母さんに焦点を当て、そのお母さん自身が自分のために欲しいと思うような発酵食品をつくり、使っていただく中でご自身の子どもにも使うようになることで当初の目的を果たそうと決めた。

そう言った背景の中で2020年7月から4ヶ月かけて生まれたのがフードコスメORYZAEなのです。

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メンタルを苦しめた資金調達期間

商品リリース後は、トラクション(実績)づくりを進めながら事業を大きく成長させるための資金調達に動き始めました。

資金調達期間も事業は成長せさないといけないし、会社のお金はどんどんと減っていくし、ピッチしてはダメなこともあるしと、本当に苦しかったです。

でもやり続けられたのは、

①周りの支えがあったから
②発酵が必ず世界を変えると信じていたから

だと思います。

一番は私の妻ですが辛かったときに手紙をくれ、その中には以下のようなことが書かれていた。

起業家なやす(私)だから一緒にいるわけじゃないよ。だからいつアグクルをやめたっていいと思ってるけど、やすは起業して事業している自分が好きな気がしている。

これを読んだとき、涙がこぼれてきました…。

そのほかにも仲間の起業家から

やすは大丈夫、どんなことがあっても、たとえ辛いことで少しはやすんでも必ず帰って来るってわかってるから。プレッシャーをかけようとかじゃなくて、俺にはそう見えてるから大丈夫。安心して迷おう。

って言葉をもらって泣いた。

そしてこの期間中本当にたくさん助けてもらったマイファームの西辻さんからは

いや、今の状況最高だね。数年後にカンブリア宮殿や情熱大陸とかに出たときに話せるものもってないと面白くないからそのときの笑い話だと思えば辛いことも楽しくなって来るよ。

と励ましてもらって本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

いよいよアグクルの第二章が幕を開けます。

今回は創業から私たちアグクルがスタートアップとして変化し、成長するまでの軌跡をお伝えしました。

初めに話しましたが運が良くここまできたなと思っています。何か一つでもパズルのピースがずれていたら今のアグクルはなかったでしょう。

発酵スタートアップ・アグクルの第二章は、フードコスメORYZAE(オリゼ)のD2C事業から始まります。

フードコスメとして使う方の腸内からの美しさを支えるのはもちろんのこと、親をきっかけに子どものいる家族の食卓に深く根付いていく商品として長く愛される事業づくりをしていきたいと思います。

最後に

最後まで4000文字を超える文章を読んでくださりありがとうございました。

アグクルは現在、栃木県の宇都宮に所在地を置いておりますが2021年5月より渋谷区にオフィスを出すこととしました。

製造や発送などは栃木県に残しつつ、マーケティングチームを都内で結成していきます。

それに伴い、現在メンバーを募集しております!

D2Cや発酵、この記事を読んで興味をもったという方がいましたらぜひTwitterまたはFacebookにてメッセージください!


ここまで辿り着いてくださったあなたへ。人生で誰と出会い、どんな縁があるかはわかりません。でもそれを楽しむことができる人生こそが、発酵ある毎日だと私は思っています。サポートはみなさんとコラボするために使いたいので、意思表明としてお気持ちいただければ嬉しい限りです。