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『SeaBed』聖地巡礼記②北野異人館周辺 Part1

前回に引き続き今回は、『SeaBed』の直接的な舞台と言っても過言ではない北野異人館を紹介しよう。とはいえ作中では実はフルCGで作られていることもあり、実際の異人館(おそらく「うろこの家」)とは大きく異なる。しかし、要所要所では作中のような雰囲気を醸し出している(なお、現在は修復工事中のため訪れることができない)。

「うろこの家」外観。
作中の描写と比較すると、CGの外の描写がなされていることが分かる。

この館の位置や前庭から推察できるように、館の傍に駐車できるスペースが存在しない。ちなみに、同地の名称について、Paleontologyの旧公式のHPには「旭七ホテル」と記載されているが、これは海苔の養殖が盛んな相生湾がある、兵庫県相生市旭あたりを意識したのだろうか? 実際、作中でも海苔の養殖が示唆される場面がある(第二章の「寂れた駅舎と古い車」より)。ともあれ、館内の様子を見てみよう。

入口から撮影。
作者Twitterにもある通り、現物に比べると質素な感がする。

さすがにこの画角からでは「配色がなんとなく似てる」以上の雰囲気は掴めないが、これが画面奥の階段上からだとやや印象が変わった。

画面奥の階段より撮影。

作中にはないこの視点に立つことで、画面左手にある非常用ベルあたりの位置に例の電話があるのではないか、という感覚が個人的には掴めた。次に1階部分を探索してみよう。

うろこの家のキャプション。七重のアンティーク趣味の源泉だろう。

やや見づらいが、画面右にある見取り図を参考にすると、作中で描かれる建物とは大きく構造が異なっている。そのため、うろこの家自体は、舞台(および細かな設定)の直接的なインスピレーションの源であること以上には、実はそこまで深い意味はない。

内装その1。
内装その2(居間)。
ホテルの食堂のCG。比較してみると似ていない。

ある程度散策を終え2階へ進むと、その先で面白いプレートを発見した。

先ほどの階段を登る。作中みたく螺旋状ではない。
第四章の「小母さんの話」の元ネタだろうか?
初見時には演出に驚かされる箇所。

その後ぐるりと一巡りしたが、やはり直接的にそのままモチーフとしたものは少なかったような印象を受けた。強いてあげるなら、

内装その3。作中の玄関入口にある受付に似ている?
なぜか黒電話を見るだけで少し嬉しくなってしまう。

もしかすると見逃しもあるかもしれないが、うろこの館自体はこんなところだ。私が行ったときはコロナ禍の真っ只中だったため、いくつかの館は閉鎖していた。もしも聖地巡礼に行かれる場合は、目当ての館が開館しているかどうかを確認の上行かれたい。

次回は、異人館周辺ということで、異人館の麓にある場所をいくつか巡ってみたので、それについて紹介しよう。

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