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『SeaBed』聖地巡礼記番外編①偽海外

今回は急遽、番外編である。前回は北野異人館(特に「うろこの家」)を散策したため、その流れで神戸市中央区の散策を行おうとしたのだが、新たな聖地の特定が進んだのと、かなり面白い情報を掴んでしまったので、今回は寄り道ということで、偽海外という些か奇妙な『SeaBed』情報を紹介しよう。

蟹の看板で有名なサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフ。

まず前提として『SeaBed』では、佐知子と貴呼の旅行の話が頻繁に語られる。中でも序章のイタリアのカンプス・フローラ広場周辺(現:カンポ・ディ・フィオーリ広場)や、何度も登場するアメリカのサンフランシスコ(金門橋、ノブヒル、アルカトラズ島、フィッシャーマンズワーフ)の二か所は、かなりの分量が割り当てられており、本作のファンなら是非とも訪れたい場所となっていることだろう。

ローマのパンテオン。

そう思わせるのは、ひとえに作者の描写力もあるだろうが、見逃してはならないのは写真素材の使い方だ。これはノベルゲームならではの要素だが、このイタリアやサンフランシスコの背景素材の多くは、写真の画角等から、おそらく実際に作者が現地で撮ったのであろうと思われる。

しかし時々、全く文脈のない海外画像が(もちろん加工した上で)使われることがある。この「描写されている内容と明らかに異なる舞台」をして、「偽海外」と呼称しよう。この「偽海外」は、普通にプレイしていればおそらく特に違和感を抱くような場面ではないが、『SeaBed』を斜め上から楽しむためにはうってつけの要素(?)かもしれないので、以下見てみよう。

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