吳明益『自転車泥棒』 世界文学としての台湾文学と人新世[アントロポセン]
大学院の特別講義で、台湾におけるネイチャーライティングの講義があり、その予習として吳明益『自転車泥棒』を読みました。その読書感想文と、講義で感じたことなどをメモしておきます。
感想文台湾でかつて製造されていた幸福自転車。台湾の複雑な時代背景の中で、自転車をはじめあらゆるの物質や動物が、さまざまな角度で対比され、ストーリーに組み込まれています。
台湾文学の中で切り離せないのが日本統治時代(植民地時代)や戦争の描写。物語の軸となる自転車は、銀輪部隊における兵器として。東南アジ