研究始めたての時に見るとブーストできるソース

この記事は2023年KCSアドベントカレンダーの12日目の記事です.11日目はこちら.13日目はこちら.全体カレンダーはこちら

はじめに(ポエムなので飛ばしてOK)

何かを研究するということを志して,それを実現するために自分で研究を始めようと思い行動する人は須く尊いです.例えそれが結果に結び付かなくとも,その行為の中で培われたものはきっといつかみなさんをさせるでしょう.そんなみなさんに一つ無能ながらも時間だけは前に経験することができた先輩からのアドバイスです.「研究をするなら最低2年,通常3年は結果が出るまで待ちましょう」.多くの優秀で聡明で有能な人がその優秀さゆえに研究やプロジェクトを1年半,早ければ1年未満で打ち切ってしまうところを見てきました.これはとてもとてももったいないことです.ぜひ続けましょう.研究を続けるかどうかの指標は有能さや早熟さ,聡明さではなく最後まで打席に立つ執念です.

対象読者

この記事の想定読者は私の所属する脳波研究を行う慶應大学環境情報学部青山研究会の後輩です.しかし,脳科学を学びたい学生や慶應所属の方等も利用できるような公開されている情報源もあります.順次取捨選択していってください.

この記事の狙い

この記事は主に「サーベイ編」と「執筆編」に別れています.研究の段階によって使い分けてください.次にそれぞれの記事の中において「全体公開」「慶應生向け」「研究会生向け」の情報を含みます.それぞれ自分の所属に基づいて見てください.

サーベイ編

サーベイは研究の方針決めや実験の設定など,それぞれの場面において適宜必要になってくる.(例えば実験後に「こんなことが言えるんじゃないかな?」と思ったらまたそれを主張している論文がないかどうかなどを調べないといけない.もしそのような論文があれば『少なくとも的外れな論文ではなさそうだ』ということは考えることができる)

全体公開

論文のいろは:御合山研究室の先輩が作成したスライド.一般的なサーベイ方法がまとまっている.

先端技術とメディア表現1 #FTMA15:7周年になる,いわゆる「落合フォーマット」が記載された48ページ目が有名なスライド.

脳科学の達人2022:日本神経科学学会市民公開企画が公開している講演等のまとめ.年度に限らず色々な研究が同チャンネル上で紹介されているので興味に合わせてみると良い.
(最近では発表等もyoutubeで公開される時代なので興味のある分野の学会の名前や研究題材をyoutubeで検索してみると良い.電車内などで倍速で聞いたりするとインプットが捗る)

https://research-er.jp/articles/search

日本の研究.com:日本で行われている研究を紹介するサイト.ここのプレスリリースや解説記事などを見ればサーベイすることができる.知らない分野のことを調べたくなった時はまずはここから当たるのはあり.他にも研究者の獲得資金(公開のもののみ)も閲覧することができるのでサイト自体の汎用性は高い.

RSSフィード:論文誌によっては独自のRSSフィードをぶんやごとなど分けて持っているところもある.それらを用いて情報収集をすることもできる.おすすめはNature とelifeなど.

塾生向け

各メディアセンター主催の文献探索セミナーなど:慶應のメディアセンターではたまに論文誌の人を呼んで(!)論文の検索セミナーを行っている.大概はオンラインでもあるので日程や時間が合うときに参加することで感覚を掴むことができる.青山研究室でも主催しているので興味のある人は参加されたし)

メディアセンターのリサーチナビ:義塾側が「こうやって調べてくれ」と揃えているサイト.ゼミごとや分野ごとにもあるのでそれらを見れば参考になる.

研究室向け


科学英語論文と研究戦略ウェビナー,理系のための英語論文の探し方,英語論文投稿セミナー(Web of Science):上の三つは青山研究会共催で行ったセミナーである.これらはまずちゃんと見ておくことが前提となる.

scopus_gpt4,lettermaker.py:研究室のサーバー上ではgptが論文を要約してくれるbotが既に稼働している.なのでそれを用いてサーベイを行うことも可能.また,RSSも稼働している.

執筆編

僕自身が執筆活動をしたことがあるわけではないので深くは語れないが取り組みはあるので紹介する.

執筆の際に使うかもということでGrammalryのプレミアム紹介をおいておく.

全体公開

目指せ、国際学術雑誌出版!:最近では執筆に関することもyoutubeなどで解説する人も増えてきている.書き方で迷った時などは調べてみると良い.

塾生向け

科学英語論文の書き方・英語プレゼンテーションの心得 セミナー:毎年(?)開催している書き方セミナー,三田と日吉でやっている.

研修室向け

まだ執筆について分かっていないので有効なアドバイスはできない.強いていうならlettermaker.pyでイントロならば書けるといった具合.

最後に

現代は無料のコンテンツが溢れ,やろうと思えばいくらでも情報と鍛錬を積むことができる.しかし,それは必ずしも「誰でもできる」ということではない.きちんと目標を見据えて必要なものを適宜補いながら研究を行えば良い.健闘を祈る.

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