夏の日のこと

今年最初の陽炎が
見つからずに消えていく
夏の空気が街に滲んで
アスファルトに立ち昇る

ソーダ水が弾けたら
どこからかプールの匂い
溶けかけたアイスをなめながら
横断歩道渡った

気になるあの子はどこにも居なくて
ジェット機が空を震わせて飛んだ

挨拶がわりに鳥が羽ばたいた
夏が過ぎてく
振り向かないまま歩いていく
涙は見せずに

夢の中でならあの子に会えるよ
目を閉じた後も夏の日は続く

意地悪なほどに陽が照り付けてる
夏が過ぎてく
振り向かないまま歩いていく
涙は見せずに

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