寝不足

朝ぼらけ煙る街
あやかしたちも眠りについて
街が動き出す

昇る朝日 動く電車 
走る車 働く人たち
止まったままの僕の時間

湿ったアスファルトの匂いで
こちら側に戻って来ても
ピント外れの御託を並べて
闇に溶けてゆく

百鬼夜行に魅入られて
仮想現実で空中遊泳
真空パックの時間の中で
柔らかな嘘に包まれながら
また眠る

夕闇に紛れた街
あやかしたちが目を覚まし
街が眠りに落ちる

沈む夕日 灯る灯り
香る食事 帰る子供たち
動き始める僕の時間

淀んだ排水溝の匂いで
あちら側に旅に出る
影法師に手を引かれて
闇に溶けてゆく

百鬼夜行に魅入られて
仮想現実で空中遊泳
真空パックの時間の中で
柔らかな嘘に包まれながら
また眠る

歪んだ陽炎に押し潰されて
鉛色の雲が迫って来る

百鬼夜行に魅入られて
仮想現実で空中遊泳
真空パックの時間の中で
柔らかな嘘に包まれながら
また眠る

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