見出し画像

誰がためのオリンピック

実質最初の投稿が東京オリンピック、何にもイギリスに関係ないが、余りに酷い惨状に感じるので、思うところをつらつらと書いてみる。

そもそも東京オリンピック、招致活動時点では余り盛り上がってなかったと記憶している。今にして思えば、昔のオリンピックは、これから経済盛り上げたい都市や成長の起爆剤にしたい街が招致するイメージだった。

それこそ昔の東京オリンピックもそうだし、近年だとアテネやリオなんか、古い街だが経済が停滞したりスラムなど問題を抱えていて、それらを解決する一つのきっかけとして期待していたんだと思う。
北京オリンピックはちょっと政治的アピールの要素が強く、起爆剤というよりは、近代的、いやある意味現代的に生まれ変わった中国という国のお目見え舞台みたいな感じだった。

翻って今回のオリンピックの招致活動を紐解くと石原元都知事が2006年に招致本部を立ち上げて2016年オリンピックの招致活動を始めたのが最初。
うーん、結構昔の話、、、ホリエモンが逮捕された年なんだ。
当時は徐々に景気も回復して株価も上がり、起爆剤なんかいらない感じだったし、その後2008年のリーマンショックで招致活動盛り上げどころでなくなり、2009年のIOC総会の選考でリオに敗れた。
しかし2011年の東日本大震災でリーマンショックを遥かに超えるダメージを受けて、いよいよ日本全体に閉塞感や手詰まり感が横溢してきた気がする。
不謹慎もいいところだが、お祓い代わりにオリンピック的な前向きなイベントが求める空気が出てきて、まぁ良いかもねという雰囲気が徐々に広がったと思う。

加えて中国人の爆買いもこの頃から盛り上がっていた。異様な光景だったが、確実にプラスの経済効果をもたらしていたし、少子高齢化がデフレの根源と喝破した藻谷浩介氏のベストセラー「デフレの正体」もこの頃の出版で、景気維持には移民が必要不可欠という論者も増加し、まずは海外から人を呼び込もうという機運が高まっていた。
これらが、あの「お、も、て、な、し」に繋がり、2013年に2020年東京招致に成功するのである。
色々批判される電通だが、このプレゼンは素晴らしかったし裏工作含め底力を見せたと思う。
そう、現金を配りまくったという黒い噂も飛び交い(以前東京都は招致経費の帳簿を紛失した。マズいと思ったのか(笑))、多分本当だろうが、まぁ他国も似たようなことやってるのだから私としてはそこは批判しない。
そもそもIOC委員なんて今の有様を見ても、とても褒められた人々でないのは確かだし、褒められた話でないにせよ大人の解決と思う。

で、結局2020年東京オリンピックの目的は何だったかといえば、上記のとおりで外国人誘致の起爆剤、景気向上のカンフル、もっと言えば閉塞感のお祓いというのが真相だと思う。
因みに意義とかモットーとか麗々しく公式サイトに出ているが、諳んじることができる人は多分電通と関係者の人々以外にいるのだろうか?
復興五輪なんてお題目もあったが、被災者からしたら殆ど使えないスタジアム(スポーツ業界からは最悪のスタジアムと囁かれている)に1,500憶円もかけるなら、もっと復興に回してくれと思うだろう。本当にお題目である。

身も蓋もない話だが、多くの人はオリンピックの目的なんてそんなものだろうと思っていたからこそ大きな反対もなく、薄気味悪いぐらい盛り上がっていた。コロナ禍が始まるまでは、、、(長くなったので次回に続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?