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【教員発信】 安田女子高校STEAMコースの特徴~デザイン思考の研修~

安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。
安田女子高校STEAMコースでは、”A”にあたる部分の中核としての「デザイン思考」を大切にしています。そしてデザイン思考を身につけるための研修を、教員・生徒にそれぞれおこなっています。


■タクトピア株式会社

このデザイン思考の研修は、タクトピア株式会社さんに協力していただいて実施しています。

タクトピアは『「グローカルリーダーへの発射台」をミッションに掲げる教育企業』(タクトピア公式サイトより)で、『世界の若者が「自分の人生を切り拓く冒険者」へと成長するため』の支援をおこなっていらっしゃいます。


■教員研修

まず、新年度が始まる時期に半日の教員研修をおこないます。STEAMコースに関わる教員の目線あわせもありますが、実際にデザイン思考を体験してもらうことに大きな意味があると思っています。そして、研修で学んだデザイン思考や成長マインドセットを、PBLの授業や日々の教育活動に活かしていくことを大きな目標としています。

2022年度に向けての教員研修では、STEAMコースの一期生も交えて実施しました。

まずは、アイスブレイク。「Learn by doing(手を動かしながら学ぶ)」をキーワードに、手を動かしながらチームビルディングをしていきました。

次に、簡単な座学。「4C」「デザイン思考のポイント」「Serious Play」などを教えていただきました。

そして、デザイン思考の実践。チームは教員+生徒の構成、「入学後の生徒同士が仲良くなるアイデア創造」をテーマ、生徒を「ペルソナ」(ターゲット・人物像)として、
インタビュー(共感)
  ↓
アイデア出し(創造)
  ↓
プロトタイプ
  ↓
発表・フィードバック
という流れでおこないました。参加した教員の感想としては、生徒が教員よりも活発にアイデアを出したり、積極的に挑戦したりする様子が印象的だったようです。

モールを使ったプロトタイプ

■生徒研修

さて、生徒たちへの研修も必要です。なかなか普段の学校生活では、デザイン思考を集中的に学ぶ時間は取れません。また、いつも同じ人から学ぶだけでは刺激が弱くなってしまします。

そこで、夏休みに2日間(宿泊はなし)の夏季研修を、教員研修でもお世話になっているタクトピアさんにお願いして実施しています。

2022年度の研修では、一度体験している一期生(高2)と初めて体験する二期生(高1)をシャッフルして、多様性を高めることでデザイン思考によるアイデア創造や課題解決を活性化できるように構成しました。

こちらの研修でも、教員研修と同じく、アイスブレイク・「Learn by doing」でチームビルディングをおこないながら、デザイン思考の簡単な座学から始まり、実践的な学びをしていきます。

教員研修より時間が長いこともあり、合間合間に身体を使った活動などを入れてリフレッシュしながら、デザイン思考を2回転させてアイデアなどを改善していきました。

最後の発表でも、単なるプレゼンテーションではなく、状況が伝わりやすくなるように「ミニ演劇」のような形式でおこないました。生徒たちは役割分担をしながら、互いの短所を補いつつ長所を発揮して、とても学びの多い2日間の研修になりました。

グループ間での情報共有をしながら、進めていただきました
2日間がんばったあとの集合写真

■最後に

デザイン思考は、本やウェブサイトなどからも学ぶことはできますが、やはり実際に体験すると学びの深さや視点などが変わると思います。デザイン思考に興味がある方や勉強したい方は、一度体験することを強くお勧めします。

一般向けの研修はかなりお高めなので、デザイン思考を体験した方に教えてもらいながら、一緒に体験するだけでもかなり違ってくると思います。この場合でも、教えてもらうだけ(聞くだけ)でなく、何かのワークを一緒に体験することをお勧めします。


■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(2年目)
教員歴23年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。
大学・大学院時代は、赤外線天文学を専攻、できたてほやほやのすばる望遠鏡を使わせてもらいながら褐色矮星について研究していました。
未知の人と関わるときは尻込みするタイプですが、STEAMと関わり始めた2年前から一念発起して、いろいろな人と関わろうと努力しています。

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