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ベンチャー企業で活躍する人の特徴 -「裁量権がある」の本当の意味とは

新卒採用・中途採用の文脈で「ベンチャーで自由に働きたい」という言葉を最近よく耳にします。
本記事では、あなたは本当にベンチャー企業で「自由」を手にした時に、その自由に向き合う覚悟があるのかを問いたいと考えています。

今回は、ベンチャーで活躍する人の特徴を複数ピックアップしながら、その特徴ごとに解説を付け加える形になっていますので、この記事を読み終わった後に、本当にベンチャー企業にチャレンジしたいと思えるか考えてみてください。

※本記事はあくまで私個人の意見となりますので、全ての企業様に当てはまるものではありません。


改めて、本記事をご覧いただきありがとうございます。
私は株式会社ヘルスベイシスというHR(人材)とSaaS領域で事業展開を行う企業で、執行役員CMOを務めております。
ヘルスベイシスは、主にIT領域とヘルスケア領域のHRにおける課題解決を支援しており、私自身もかなりの数のベンチャー企業様のHR領域の課題を目にしてきました。案の定、弊社も課題は山積みなわけですが、どの企業でも、世の中の「ベンチャー企業」のパブリックイメージと実態が、割とかけ離れているがゆえに、主に採用からなる組織作りにかなり苦労しているという印象を受けます。
そのため、今回の読者の想定は以下としています。

  • 大企業とベンチャーどちらに就職をしようか悩んでいる新卒学生の方

  • 組織規模の大きい会社で自分の成長が止まっていると感じる方

  • ヘルスベイシスに興味を持った方

はじめに、一番私が面接で候補者の方に伝えることが多い頻出フレーズをお伝えします。

「あなたは大企業に向いている」

候補者の方とお話をさせていただいて、毎回心苦しくなるのですが、その方のバックグラウンドとビジョンをお伺いした時に、その方のベストなキャリア選択を問われると、やはり大企業に進む方が良いのではないか、と思うことがよくあります。
(もちろん、面接前にヘルスベイシスのことをより理解いただけるような土台作りもまだまだだと思っておりますが...)

つまり、ベンチャー企業にチャレンジできる素養を元々持っている人はなかなかいません。体感1割もいないのでは、と思っています。

ただここで一つ付け加えておきたいのは、素養を持っている人があまりいないのと同時に、この先で書いている「ベンチャーで活躍できる人の特徴」を意図的に体現することから始めて、後にとんでもない活躍を見せる人も一定数いるという事実です。
私は、以下に示す特徴を覚悟を持って実行できる人であれば、ベンチャー企業を主戦場とすることを心からおすすめしたいと考えています。


1, 売上を追うことを厭わない人

急成長を遂げている企業も、シェア率国内トップを走る大企業も、個人またはチームが生み出した売上(利益)により会社は成り立っているという事実があります。ここにどれだけ目を向けられるかが、ベンチャー企業で活躍する人としない人の分かれ目になります。
まずは顧客を生み出し、顧客により売上(利益)が生まれ、その売上(利益)により自分の雇用が成立しています。さらには新規事業開発への投資、組織への投資などが可能になっている。
というような構図を理解する必要があります。
そして、ベンチャー企業はいつ潰れるか分からないという事実を理解し、その会社が潰れないよう自分自身が売上(利益)を生み出し続ける必要があります。

2, 「ワークライフバランス」と「成長」がトレードオフの関係であることを理解している人

ベンチャーを選択する理由の中でも特に多いのが、「自己成長をしたい」というものがあります。これだけを聞くと大変素晴らしい動機に思います。しかし、同時に伝えられることの多い要望として「自分の時間も大切にしたい」というものもあります。はっきり言って、成長したいと思うのであれば、それ相応の時間投資が必要になるのは当たり前です。
非科学的なものではありますが、有名な法則の一つに「1万時間の法則」があります。何かを習得しようと思った時に、1万時間かければどんなものでも習得できるというものです。
特に新卒などの若い人にはよく伝えていることですが、成長したいならたくさん努力することをおすすめします。仕事で得られる成長は本当に多いです。
そして、そういう環境で会社と一緒に成長していきたいと思う人と、私は一緒に働きたいと思っています。

3, 何事もポジティブに捉える人

ベンチャーの良いところの一つとして、まだ見えぬ未来に期待を寄せ野望を抱くことができるという点があります。これは、出世争いなどの内向きなアクションにフォーカスするのではなく、「どうしたら自社のサービスをお客様に選んでもらえるか」という外向きのアクションを考えることができるとも言えます。本質的かつ楽観的に未来を想像することができる人が活躍しているという側面があります。もちろん「ストックデールの逆説」にあるように、楽観的であると同時に、地に足をつけて目の前のことに対応していく姿勢も重要になります。

「どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。そして同時にそれがどんなものであれ、自分が置かれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。」

ストックデールの逆説 / ビジョナリー・カンパニー② P137

特にベンチャー企業では、常に多数の困難に向き合っています。市場での競争、技術的な課題、人材の確保など。楽しい時間よりも苦しい時間の方が長いです。
長い時間軸で人生やキャリアを捉えた時に、その困難に立ち向かい、失敗しても何度でも立ち上がれる/立ち上がりたいと思えるかどうかがベンチャーに向いているかどうかの一つの指標とも言えます。

4, ビジネスに「答え」は存在しないことを理解している人

これは、ベンチャーであるか否かには関わらないですが、ビジネスの世界には、今まで皆さんが多くの時間を費やしてきたであろう「勉強」とは異なり、「正解」が良くも悪くも存在しません。さらに、もしその正解(っぽいもの)が見つかったと思えても、明日にはその正解が不正解になる可能性もあります。
ビジネスはこのような「不確実さ」に向き合うからこそ面白いのですが、「このタスクはどうやるのが正解ですか?」という質問を投げてくる人もいます。私はこういう人に出会うと、「ビジネスの一番面白いところが目の前に転がっているのに勿体無い」と感じます。

5, 自分で考え行動する人

前項にも通ずる部分は大きいですが、やはりベンチャーの醍醐味は「裁量権」の大きさです。ここを前提に考えた時に、学生の皆さんからされる質問で違和感を感じる質問があります。

  • 1日の流れを教えてください

  • 業務内容はどんな内容ですか?

私は、何をするかが決まっている会社が「裁量権のある会社」だとは思いません(深ぼっていくと、逆質問の定番の質問らしいので、質問してしまう学生は多いみたいです。勿体無い。)。1日の流れが決まっているベンチャーに行きたいのであれば、大企業に行った方が良いと思います。より洗練された業務フローで、質の高い研修によってあなたが学べることは増えるはずです。ベンチャーで働きたいと思っているのであれば、失敗してもいいのでたくさんチャレンジして欲しいなと思います。

6, プロセスの評価を求めていない人

こんなことを書いていますが、前提、プロセスの評価をしてあげたい気持ちは山々ですし、プロセスを評価してあげられるような会社は、従業員のエンゲージメント的な観点から素晴らしいと思います。ただ結果>プロセスの構造は変わりません。
それは会社という主語で考えたときに、「あなたがどんな工夫をして仕事に取り組んだか」よりも「あなたが仕事においてどんな結果を残したか」の方が重要だからです。
ベンチャーは特に組織と採用が重要なので、プロセスを評価する文化を作ると一気に市場に対してのコミットメントが不足します。プロセス評価はないと思った方が良いです。

7, 必要なことは現場で学ぶというスタンスの人

これもありがちな質問で「研修制度はありますか?」というものがあります。ベンチャーを志望する方に理解していただきたいのは、研修=会社が時間的・金銭的投資をしてでもやるべきだと考えることをギュッと集めた虎の巻であるということです。ベンチャー企業は、時間的にも仮説検証の量が担保されていないため、「研修を提供しない」のではなく「研修を提供できない」という状態に近いです。
そもそも、研修によって先輩から学ぶよりも現場に出て学べることの方がよっぽど多いです。研修は、”部活の練習”や”学校の授業”のようなものなので、それだけでは実践で戦えるスキルにはなりません。
そもそも答えは常に市場にあるという事実を理解してください。

8, コンフォートゾーンを自ら出る人

弊社は、企業フィロソフィーに「Always Update!」を掲げています。言葉の通り、メンバーには常にアップデートを続けて欲しいという思いを込めて企業フィロソフィーを設定しました。会社としてもオフィスを移転したりと、会社の成長を実感できるようになってきました。
弊社としてもようやくステージが変化し始めたところですが、ベンチャーは基本的に「現状維持は衰退」という考えを持っています。現状維持をしている間に競合他社との市場競争に負けてしまうというリスクとも向き合わなければいけませんので、各々がいかに当事者意識を持ち、変化を恐れずチャレンジできるかが生き残る上で非常に重要です。ベンチャー企業の経営者はそういったマインドセットを持った人材を求めています。
チャレンジできない人の多くは、自らの経験をアンラーンすることができず、ちょっとした成功に自惚れてしまう人です。やはり成功する人は、常に不安で恐怖のある選択も厭わない人であると思います。

9, 利他の精神を持っている人

すごく根本の話にはなりますが、ビジネスというのは、誰かの課題を解決し、その対価を顧客から得ることで成り立っています。
誰のためにもならない事業は市場には残りません。何のために、誰のために事業をしているのかという熱量は、自らの仕事の誇りに繋がります。ぜひ、その目線で目標を持ってチャレンジしていただきたいです。

10, ビジョンへの共感をしている人

ビジョンとは会社が何のために存在しているかを示す宣言です。
そしてビジョンは、今この瞬間どのように振る舞うべきかという日々のToDoや、その会社が危機に陥ったり、どうにも立ち行かなくなった時に何をするかという命運をかける意思決定にいたるまで、常に立ち帰り考える場所となります。ここに共感ができない人が入社しても、日々の失敗の連続に打ちのめされて立ち直れないと思います。そのくらい重要です。


以上、ベンチャーで活躍する人の特徴を10個挙げてみました。学生からすると、少々不安を煽るような文章にはなっていますが、列挙した内容は事実でもありますが、反対にベンチャーで働く醍醐味でもあります。
ぜひみなさんにもこのチャレンジの楽しさを共有したいと考えています。
興味を持っていただいた方は、エントリーをお待ちしております。

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