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国の借金の返し方【経済学】

最近よく、「国の借金が過去最大になった!」「日本は財政破綻する!」と言われています。

日本の財政状況は以前noteで紹介し、日本の財政は健全であるということを説明しました。

今回は、財政を語る上で重要な国債、いわゆる「国の借金」と呼ばれるものについて勉強してきたので、アウトプットも兼ねて解説していきます!

財政破綻の定義

よくメディアなどで「日本はこのままだと財政破綻する!」と叫ばれていますが、そもそも財政破綻とはどのような状態なのでしょうか?

財政破綻の定義は、その年に返さなくてはならない借金を返せなくなった状態です。

このことを債務不履行(デフォルト)、政府なら国債のデフォルトと呼ぶ。


現在も日本政府は、新規の国債を発行して昔の借金を借り換えています。

これを継続すれば、返せなくなることはありません。

国の借金は国民の資産

よく政治家さんがこのようなことを言いますよね。

「国の借金は約1000兆円ある!国民一人当たり800万円以上だ!」

実はこれは全くのデマです。

まず、借金をしているのは政府であって国ではありません。

したがって、ここからは国の借金ではなく「政府の借金」という呼び方とします。

借金には貸し手と借り手がいるのはご存知ですよね。

では、政府の借金は誰からお金を借りているのでしょうか?

下の図をご覧ください。

財務省のホームページより

これは財務省のホームページから引用した国債(政府の借金)の貸し手を割合で表した図です。

これを見ると、約半分が日本銀行で、もう半分が国内の金融機関ということが分かります。(海外も多少ありますね!)

日本銀行は政府による出資比率が55%の子会社のため、事実上借金ではありません。

もう半分の国内の金融機関ですが、金融機関のお金は国民が預けたお金です。

つまり、政府の借金の約半分の貸し手は国民ということです!

だから、政府の借金は国民の資産であるということなのです!

政府の借金を分かりやすく例えると

といっても、やっぱり難しいですよね笑

では一つ例を出してみましょう。

登場人物はAさん、Aさんの父親、Aさんの祖父の3人です。

Aさんの父親はお金が必要になったため、Aさんの祖父に1000万円の借金をします。

当然、借金は返さなければならないので、Aさんの父親は一生懸命働いて借金1000万円を返済しました。

返済後、Aさんの祖父が死んでしまいました。返済した1000万円は誰のものになりますか?

相続したAさんの父親にのお金になります。

では、その後にAさんの父親も死んでしまったら?

相続するからお金はAさんのものになりますね!

では、父が祖父に借金したとき、Aさんに借金はありますか?

なりませんよね!

つまり、貸し手と借り手が最終的に同じになるから、それは借金では無いということです!

したがって、「政府の借金を将来世代へのツケに回すのか!」という主張がありますが、それは将来世代がいずれ受け取る資産でもあるのです!

政府の借金が国民の資産を超えてしまったら?

まず、政府の借金は、使われたら消失する訳ではないのでありえません。

100歩譲って、その仮説が当たっているとしても、問題ではありません。

まず、政府の借金の一番の貸し手は「日銀」です。

日銀が保有している国債は約530兆円(全体の43.3%)です。

先述したとおり、日銀は政府の子会社のため、事実上借金ではありません。

また、日本は世界一の借金大国であると同時に、世界一の資産大国でもあります。

これは以前にも説明したことがあるのでそちらをご覧ください。

仮に政府の借金を返済する場合の返済方法

政府の借金は返さなくてもよいのは先述したとおりです。

しかし1万歩譲ってその借金を返済しなくてはならない場合の返済方法はどのような方法が最適なのでしょうか?

政府が資金調達する場合の方法は主に3種類あります。

①税金
②国債(政府の借金)
③通貨発行益

通貨発行益とは、要するにお金を増やすということ。政府か日銀が紙幣を印刷して使う方法です。

通貨発行最大のデメリットはいわゆる「ハイパーインフレ」。

ただ、現在の日本はデフレなので、通貨を発行しても問題ありません(最近はインフレが進んでいますが…)。

政府の借金は返済方法によっては問題

ちなみに一番最悪な返済方法は「消費税増税」です。

先ほど、政府の借金は国民の資産だから問題ないと述べましたが、実はその返済方法によってはすごく問題です。

政府の借金の貸し手は、国民と言ってもお金がある国民に限られます。

もし、貧しい人から税金を徴収して借金を返済したら、政府が国内の貧しい人から富裕層の人に再分配したということになります。

そのため、もし借金を返すなら、その返済方法が最も重要なのです。

そしてその最適解が「通貨発行益」なのです。

というのも、政府の借金は長い時間をかけて、インフレと経済成長によって返すものです。これを「ドーマー条件」と呼びます。

(ドーマー条件とは、政府の歳入支出が均衡している場合、国債の利子より経済成長率が高ければ財政赤字は維持可能という概念)

実際に、日本が戦争で負けた前年の1944年の政府の借金は約1520億円でした。

今となっては大した額ではないが、当時の日本のGDPは約697億円でした。

つまり、当時の借金の大きさは現在とほとんど変わらないのです!

では、今から見ればその借金の額が少なく感じるのはなぜでしょう?

それは、それだけ日本がインフレと経済成長を果たしたからです!

これが、政府の借金の返済方法なのです!


しかし、それにもリスクがあります。

それは「ハイパーインフレ」という現象です。

ハイパーインフレについては、次回また解説するのでお楽しみに!

まとめ

  • 政府の借金は国民の資産である。

  • 政府の借金は使ったら消失する訳ではない。

  • 仮に政府の借金を返済する場合は、インフレと経済成長によって返済する。

参考


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