詩『通り雨』
一瞬、何かがよぎった気がした
あ、通り雨だ
誰かが叫んだ
声が、すっと遠くの方から来たかと思えば、通り雨がかき消してった
あの通り雨は、どこから来てどこへ行くのだろう
眠くなっても、眠らないのかな
ずっとどこかへ向かい続けているなんて、可哀想だ
通り雨だって、きっと眠くなる事もあるに違いない
でも、常にどこかへ向かっているなんて素敵な事だと思う
私は、どうして通り雨になれないのだろう
いつもこの場所に居続けている
でも眠くなれば眠る事もできる
このおんぼろの部屋の中で
でも、いつまでもここにいる
通り雨みたいに、一瞬でどこかへ行ってしまいたい
ここでずっと雨を降らしていたら、いつか部屋中カビだらけになってしまうだろう
早く早く
あの通り雨を見習って
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