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煩悩座談会

2020.02.04@直七法衣店

京都、西本願寺近くの法衣店。直七法衣店でのイベントです。
1月に開催された「懺悔ナイト」のシリーズ企画です。

今回は二人の講師が、参加者からの質問に回答する形でお話しいただきました。

浄土真宗の立場から 佐竹大智師


仏教で煩悩とは三毒のこと
三毒 貪=貪欲。むさぼり
   瞋=怒り。腹を立てる
   痴=無明。真理を知らない
  (痴はいろいろな解釈があり説明が難しい)

Q ご利益を求めることは煩悩ではないか?
A 「祈願が叶うと次の願いが生まれ、欲望が際限なく膨らむので仏への祈願を行わない」というのが浄土真宗の考え方
Q 阿弥陀仏は煩悩を消したり減らしたりできるか?
A 消せないし減らせない。欲は生存のために最低限は必要なものであり、ゼロにする必要はない
無欲ではなく少欲知足が大切
Q 煩悩はネガティブなものか?
A やる気・意欲につながる健全な欲もあるので、ネガティブなものばかりではない

神道の立場から 村上浩継師

神道では欲を肯定的に捉える
(出世欲が仕事への意欲につながるなど)
一霊四魂 一霊を中心とし、4つの働きかけがある
     一霊=直日(なおひ) 人の霊魂の中心
     四魂=和魂(にぎみたま) 親和、協調性
        荒魂(あらみたま) 勇敢、行動力
                             幸魂(さきみたま) 愛情、育成
        奇魂(くしみたま) 知性、探求
四魂には大きさと方向性があり、四つのバランスのとれた状態を理想とする煩悩を敢えて神道で解釈するなら、四魂のいずれかが行き過ぎてバランスの崩れた状態禊祓によって四魂のバランスを整える
Q 煩悩(ケガレ)の根源は内的なもの(人間が本来内在している)か外的なもの(魔物とか悪霊)か?
A 四魂の行き過ぎによるものなので、内的なもの

その他

気候・風土と宗教の親和性
インドでは密教が、中国では禅が、日本では浄土教が好まれる

神道は言挙げ(教義や解釈を言葉にする)を避ける

神殿の前に置かれた鏡(カガミ)の前で自らを省み、我(ガ)をなくすことで神(カミ)と対峙できる

感想

煩悩は仏教用語なので神道にはその概念がなく、説明が難しそうでした
仏教のほかの宗派の見解も聞いてみたいと思っていたところ、シリーズ企画が開催予定とのことで、楽しみにしています

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