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【他の人よりもうチョット詳しくなれる】フィンランドのカリキュラムのポイント!


前回の記事に付け加えて、もうチョットだけフィンランドのカリキュラムに詳しくなれるよう、ポイントを紹介します!



前回の記事



NCC2014のコンピテンス


NCC2014(フィンランドの現行学習指導要領)では、


コンピテンスをおよそ次のように定義しています。




「特定の状況で知識とスキルを応用する能力」




何を知っていて、テストで何点取れるかではないということです。


むしろ、何ができて、何をすることができるかといった、パフォーマンス焦点が当てられているわけです!


日本語でいうところの、「わかる学力」や学力調査のB問題(記述回答式の問題)に対応すると解釈して構わないでしょう。



Transversal Competence


コンピテンスの定義に対して、7つのTC(教科横断的で汎用的なコンピテンス)はNCC2014で次のように定義されています。





「知識、スキル、価値観、態度、意思で構成される実体」





日本語でいう「知徳体」で捉え直してみると次のようになるのではないでしょうか?





「知」=「知識」「スキル」


「徳」=「価値観」「態度」「意思」


「体」=「応用」





Transversal Competenceの育成を目指す


Halinen(2018)によると、フィンランドの基礎学校では、内容や知識の理解よりも、TCの育成と発達に焦点を当てるといいます。


特に、児童生徒の評価を行う際に、TCの発達をみるそうです!




では、どのようにしてTCを育成し、どのようにしてTCの発達を見取るのでしょうか?



Transversal Competenceを育成する方法


Lähdemäki(2018)によると、TCを育成する教育実践として、有意義な方法の1つとして、現実世界の現象を教科横断的に探究する学習を例として挙げます。


まさしく、私の研究している、「Phenomenon-Based Learning」と一致します。



とはいえ…


どのように評価をしているかは、私自身、まだ調査中です。



これからの教育方法


これからの教育方法は、多くの国や教育機関で検討されているように、


ICTを活用した有意義な学び、STEAM等の教科横断的な学び等、多様化しています




ただし、学校と社会を結ぶこと、学びが実生活と結びつくこと、


生きていく中で使える力を身につけること、VUCAな社会を生き抜く力を育むこと、


その中で、自分自身を大切にし、他者と協働し、年齢や人種、学問分野や専門領域に関係なく、皆で手を取り合って生きていく力を育成すること。


このようなことが共通点として挙げられるのではないでしょうか?





TCの定義やPhBLはこれらの実現にヒントを与えてくれるように思います!




今後も引き続き、ヒントとなるような情報を記事にまとめていこうと思います!




参考文献


Halinen, I.(2018)「Chapter 6 The New Educational Curriculum in Finland」Matthes, M., Pulkkinen, L., Clouder, C., Heys, B. eds.『Improving the Quality of Childhood in Europe』pp.75-89。



Lähdemäki, J.(2018)「Chapter 13 Case Study: The Finnish National Curriculum 2016- A Co-created National Education Policy」Cook, J. W., Eds.『Sustainability, Human Well-Being, and the Future of Education』Palgrave Macmillan、pp.397-422。

https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-319-78580-6_13




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