【他の人よりチョット詳しくなれるフィンランドの教育】Phenomenon-Based Learningとカリキュラム
以前、フィンランドの教育の特徴として、Phenomenon-Based Learningについて触れましたね!
教科横断的な学習
コンピテンシーを育成する教育方法
これらはどうあるべきか?
その一例として見ていただければ幸いです!
今回は、Phenomenon-Based Learningについて、フィンランドのカリキュラム(NCC)との関連を見ていきましょう!
まず、フィンランドのNCCについてはこちらからどうぞ〜
さて、
Phenomenon-Based Learningは、PBL(Problem-Based LearningやProject-Based Learning)とは、ニュアンスが異なります。
「Phenomenon-Based Learning」とは、教科横断的な現実世界の現象をベースに学習する方法です。
そのため、日本でいう「総合的な学習の時間」のように大々的に記載されているわけではなく、
フィンランドのカリキュラム(NCC)では、Phenomenon-Based Learningという言葉は記載されていません。
では、NCCの中でどのように位置づけられているのでしょう?
Symeodinisら(2016)の先行研究によると、
PhBLはNCCの第4章にある「統合的指導と学際的学習モジュール」の規定に沿っているということが示されました。
内容としては、Transversal Competenceを育成するための学祭的学習モジュールとして位置づけられるという分析がされています。
TCについては以下の記事からどうぞー
このように、PhBLは実際、NCCに明記された学習方法ではないのです。
ただし、Sahlberg(2018)によると、
PhBLは1980年代から、フィンランドの学校文化として根付いていたといいます。
おそらく、背景としては、その頃のカリキュラム改革にヒントが隠されていると思います。
そのことについてはこちらの記事から〜
これらのことから、
PhBLとはフィンランドの学校文化として根付いている
教科横断的な教育方法であるということがわかります。
最後に、このような教科横断的な学習を実施する際の留意点として、NCCに記載されているものを抜粋します。
• 並行学習、つまり1つのテーマを2つ以上の教科で同時に学習する
• 順序づけ、つまり同様のテーマに関連するトピックを順序づけて編成する
• 機能的な学習、つまりテーマ日、イベント、キャペーン、施設訪問、合宿
• 長期的な学際的学習モジュール、複数教科の協力や前述の統合的指導の技法の一部を含む計画と実装
• 異なる教科から内容を選出し、それを統合的モジュールへと形成する
• 全体的で統合された指導、つまり全ての指導は就学前教育と同様に統合された形で提供される
これまで書いてきた記事が関連し始めたところで、
まだまだ漠然としているフィンランドのPhBL。
次回からは、さらにその実態を明らかにしてきます!
チョットずつ詳しくなっていきましょう!
参考文献
Sahlberg, P.(2018)『Finnish ED Leadership』CROWN。
Symeonidis, V., & Schwarz, J. F.(2016)「Phenomenon-Based Teaching and Learning through the Pedagogical Lenses of Phenomenology: The Recent Curriculum Reform in Finland」『Forum Oświatowe Sekcja tematyczna』28(2)、pp.31-47。
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