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カスタマーサクセスとは#2-6(前半)

全開#2-5(後半)では、リテンションモデルの要とも言えるデータをどう組織間で利用していくか、について説明がありました。
組織を作る際にヒントになりますし、組織変更のタイミングなどでも見直すと良い内容です。

今回はいよいよ5つの成功要因の最後のスケーラビリティについてです。

参考図書

リテンションモデルの成功要因

この絵を毎回挿し込むのも最後です。

リテンションモデルの成功要因1

リテンションモデルの成功要因2

成功要因⑤ スケーラビリティ構築力
~原則その5 カスタマーの手と知恵を活かせ(そのための基礎を育め)~

・原則その5は原則その1~4を実行するために必要不可欠なカスタマーサクセスの組織能力について
・組織は事業やその成長段階によって変わる
あらゆる組織に共通する大切な視点は「再現性」。つまり運にも時流にも優秀な人材にも依存せず、いかなる状況でも勝ちに行ける組織を作ること
<モノ売り切りモデルに求められる組織力>
・一つでも多く売れる「ヒット商品」となるプロダクトを作って売れる組織が重視
ヒット商品づくりに必要な要素を再現可能なプロセスへ落とし込み、機能別の分業でプロセス効率を徹底的に磨き込み「再現性」×「効率性」の高い組織を追求
<リテンションモデルに求められる組織力>
「再現性」×「急進性」の高い組織を追求
・急進性は、採用や育成に時間のかかる人材というリソース量に依存せずに売上成長できる組織
・デジタル時代は、技術の進化が早く、顧客も賢いためプロダクトが優れていれば優れているほど指数関数的にカスタマー数が増える
「再現性」×「急進性」の高い組織はスケーラビリティが高いと言われ、ある事業の規模が急成長できる能力という意味
・事業のスケーラビリティは組織のスケーラビリティに大きく依存する

引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034  P165、166参照

<所感>
カスタマーサクセスとは#0-1でも記載しましたが、ネットでカスタマーサクセスと検索すれば、相当数の有益な情報を拾うことができます。
私も飛び飛びで確認して従来のカスタマーサポートとの違い、これからはカスタマー作成が重要、ということは把握していました。
しかし、この成功要因で説明されている組織の作り方まで言及している内容はあまり目にしませんでした。参考になります。
第2章の成功要因はこの後全体を確認できるようにまとめなおしてみます。

組織のスケーラビリティを上げる2つの秘訣

秘訣① セルフサービス(Self-Service)
カスタマーの「自助」
・問題や質問したいことがあるときやより良い使い方を学びたい時に、サポートセンタに電話したり、セミナーに参加する代わり自分で調べて解決すること
・具体的にはFAQやナレッジがまとまったヘルプページや使い方を紹介する動画など
・近年セルフサービスを好む人の割合は年々上昇している。理由はAIを使ったチャットボットなどエフォートレスな体験に優れたセルフサービスが増えているのと、エフォートを要するなら他へ切り替えるカスタマーが増えているから
秘訣② ピアツーピア(Peer to Peer)
カスタマー同士の「互助」
・問題や質問したいことがあるときやより良い使い方を学びたい時に、売り手でなく同じプロダクトを使う仲間の話を聞き教えてもらう
・具体的にはカスタマーレビューやオンラインのユーザーフォーラム記事やユーザーコミュニティに参加したりすること
・売り手の売り言葉より実際に使っている人の言葉により信頼を高める
秘訣①と②の共通点
・カスタマー自身の手や知恵を最大限に活用し、売り手側の時間を使わずにカスタマーがやってくれる・やっておいてくれる点
売り手がやるべきは、自助や互助が促進される優れた基盤を作ること
・その基盤にロイヤリティの高い、世話好きのカスタマーが増えれば、カスタマーサクセス部門やサポート部門の人員を増やさずにアダプション率を高めることができる
・カスタマーが口コミで新規顧客の紹介やアップセル/クロスセルを誘導してくれるようになれば、マーケティング部門と営業部門の人員を減らしても売上が伸びる
これらがスケーラビリティの高い組織の究極のカタチ

引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034  P166~169参照

<所感>
このセクションは素晴らしいですね。カスタマーサクセスは大事だが人海戦術になり固定費ばかり増えてしまう。どうすれば・・・という疑問を一発で解消してくれる内容です。
しかもいまや、自分が使っているアプリでも同じことをすでに体験済みです。よく説明書はありますか?ということを第一声で聞いてしまうことがありますが、説明書なしで使いきれることが重要ですね。ましてやプロダクトが常に進化しているので、重要な要素の動画などで完結していることが非常に多くなっています。
これまでの当たり前を疑ってかからないとダメだと痛感しました。


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