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カスタマーサクセスとは#2-5(前半)

前回はリテンションモデルにおけるプロダクトの価値について学習しました。
そしてそのプロダクト価値を創るためにはプロダクトチームとサクセスチームがどんな連携を取るべきか、と言うチーミング論も学びました。
今回は買ってもらった後が重要なリテンションモデルを象徴するデータに着目して成功要因を確認していきます。

参考図書

リテンションモデルの成功要因

毎回ですが成功要因の絵は挿れておきます。

リテンションモデルの成功要因1

リテンションモデルの成功要因2

成功要因④ データからカスタマーの未来を創る
〜原則その4 データの統合・分析に投資し組織全体でデータをフル活用せよ〜

・原則4はカスタマーサクセスの武器について
<モノ売り切りモデル>
[目的]ワンタイムバリューの最大化(モノを一つでも多く売る)
[勝負の舞台]買ってもらうまで
[勝負どころ]効率的な認知と配荷づくり
[最大の武器]モノの売り方を知り尽くすこと
<リテンションモデル>[目的]ライフタイムバリューの最大化(長続きするファンを1人でも多くつくること)
[勝負の舞台]買ってもらってから
[勝負どころ]カスタマーの成功につながる効果的な育成と支援
[最大の武器]カスタマー一人ひとりを知り尽くすこと
・いずれのモデルでも「データ」が武器の威力の鍵を握る
・近年取得できるデータの量と種類が格段に向上し、特定の人の経験や知見が最も頼れる武器だった時代は終わり、データが最強の武器になっている
・セールスフォースが採用する組織営業のベストプラクティス「The Model」のポイントは、認知(来訪)から購買(受注)、継続に至るカスタマーライフサイクルのプロセスを要素分解し可視化して分業による効率化で各プロセスの勝率を上げること
リテンションモデルではデータを活用して再現性の高いアプローチを実践する事が不可欠

引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034  P146~149参照

<所感>
売り切りモデルとリテンションモデルを成功要因の作り方に関しての説明でした。
この成功要因は結構ベースな気もしてます。
データを使うとは良く言いますが、何をアウトプットしたいの目的設定から、ゴミのようなデータは何か、使えるデータは何かを考えるのはかなり難しいです。ほんとゴミみたいなデータが多いし、実際欲しいデータがよりよって取れてない…みたいなこともあります。
ましてや複数のシステム/デバイスからデータを出力していると特に欲しいデータが無いことが多いです。プロダクトチームと連携してちゃんとデータが取れる仕組みと後からデータ取得を追加できる仕組みが必要です。

リテンションモデル成長方程式

ちょっと最初のセクションが長いので区切ります。

組織営業のベストプラクティス

リテンションモデル成長方程式

リテンションモデル成長方程式の2つのポイント

本書ではここに区切りはありませんが、まとめが冗長に映ってしまうので、ここでも区切ります。

【リテンションモデル成長方程式のポイント①】
・成功したカスタマー数を増やす2つの式
[式①]成功したカスタマー数 = CSMの人数×CSM一人あたりのサクセス生産性
[式②]成功したカスタマー数 = カスタマー数 × オンボーディング率 × アダプション率
[式①]におけるカスタマーサクセス部門・CSMがカスタマーの元へ赴き、直接顔が見える関係を築いて丁寧に育成・指導する(ハイタッチ)が最も効率的と考える
・式①をベースにするとカスタマー数に伴ってCSMが必要となり企業として持続可能ではない
・ハイタッチ以外では
メールやセミナーなどの複数まとめた顧客接点で育成するロータッチ
自動返信メールやチャットボットなどのテクノロジーを活かした顧客接点で育成するテックタッチ
・ハイタッチの効率が悪いならば、ロータッチやテックタッチを取り入れればよいと考えがちだが、正しくない。CSMの人数を用いた式①を用いる限りCSM数は増え続ける
[式②]におけるカスタマーサクセス部門・オンボーディングに成功したカスタマー数 ÷ 全カスタマー数を成功率とする
・ただ使い方を理解したカスタマーは成功した数には含めず、オンボーディング中に「Wow moment」を体験し「買って良かった」と実感してもらえて初めて成功したとみなす
・アダプション率はオンボーディングに成功したカスタマー数に対して「成功」を手にした比率
前提として問題が生じた時もひどい体験をせず、プロダクトが仕事/生活の一部になっている
・式②は、CSMを1名増やしてもオンボーディング率もアダプション率も自動的に上がらずCSMの増員が成功率の増加を保証しない
成功率をあげるには、カスタマー一人ひとりを理解し最も効率的な育成・支援をすることに尽きる

【リテンションモデル成長方程式のポイント②】
・予測的な対応に活用でき、するべき
・成長方程式を使う上で最も重要なことは、データからカスタマー一人ひとりを知り尽くしたあとにどのような行動をとるか
・データから取るべき3つの対応
1.受け身の対応(Reactive)
・問い合わせ、追加契約、チャーンの連絡などカスタマーから働きかけに対して動く
・カスタマーからの働きかけにつながった要因を特定する原因解明分析する
2.先回りの対応(Proactive)
・カスタマーからの働きかけはないが、将来起きそうな働きかけの兆しを見つけ、働きかけられる前に先回りする行動(バグ修正、社長訪問、アップセル提案など)
・結果につながる兆候と結果を変えるのに必要な行動を特定する因果関係を分析する
3.予測して仕向ける対応(Predictive)
・働きかけもその兆しもないが、ビッグデータ解析で「こういう人は・こういうときに・こうなる」という法則を見出し、その法則に則って対象となるカスタマーを望ましい結果へ仕向ける行動
望ましい結果は究極的にはオンボーディング率・アダプション率の改善、ないしアップセル・クロスセルの増加
・「こういう人は・こういうときに・こうなる」法則を特定する認知行動分析
・高精度の予測に基づきカスタマー一人ひとりに個別化された体験を一斉に展開できれば好ましい行動を意図的かつ大規模に仕向けることができる

引用:カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 ISBN 978-4-86276-268-9 C0034  P150~157参照

<成長方程式2つのポイントの所感>
ポイント①の式①②に関する説明は納得の一言です。
正直カスタマーサクセスを知れば知るほど「手間がかかる」と感じていました。一方でワンタイムバリューでなくLTVを最大化するためには手間をかける必要がある、とも理解していました。
ただビジネス観点では「固定費高くなるから、どうやって利益が出る値付けをするのだろうか」と疑問を持っていました。
必ずしもハイタッチでなくても必要に応じたコミュニケーションを取ることで効率的にできる部分はありそうです。
一方でビッグデータ解析はまた別のリソースが必要ですね。引く手あまたの人材だと思うので採用が大変そうです。

原則4-1~4-3について

かなり悩みましたが、本書ではここから原則4-1がスタートしますが、分けることにしました。
細かく刻むとは言うものの、少しつながりが悪くなるので、最悪マージするかもしれませんが今日はここまで。


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