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マーダーミステリー「推理」「RP」「重量級」それぞれおすすめのオンラインシナリオ紹介 vol.6

 最近、マダミスのシナリオってめちゃくちゃ増えてますよね。

 黎明期はオンライン作品の数も絞られており、オンライン上に存在する全シナリオを把握する事もできていたのですが、今では毎日レベルで新作が出ており、追っかけることもできない…。

 こんな状況だからこそ「どのシナリオがオススメか」、更に言えば「そのシナリオはどういう層にオススメか」というレビュー記事の価値が高まるのではないかと思っています。

 自分も何度かレビュー記事を書いているのですが、しばらく書いていなかったので、前回から今回に至るまでにプレイしたシナリオの中で、特にオススメのものについてご紹介したいと思います。

 また、いくつかの作品は筆者がプレイした時の録画をyoutubeにアップロードしているので、併せて紹介しています。どの卓も楽しく思い出深い卓なので、通過した人は自卓とどう違うのか、見てみると面白いかもしれません(※いずれの動画も、本編ネタバレ注意!)

※注意※
レビューを見ても作品を楽しめるよう、誰が犯人か、どんなギミックがあるかといった部分はぼかしていますが、「どんな傾向のシナリオか」といった点は紹介しているため、作品傾向をネタバレとして感じる方は、ご自身の判断で読み進めて頂きますようお願いします

【推理好きにオススメできるシナリオ】

■時計の針は5時半を指していた

 最近では逆に珍しいくらいの推理重視シナリオであり、マーダーミステリー本来の謳い文句である「推理小説の中に入ったような体験」がぴったりな作品。

 推理小説を想起させるタイトルから始まり、ゲーム全体のビジュアル、設定等あらゆる所に一貫してミステリ愛が感じられる作品。

 初心者の人がとりあえずマーダーミステリーの入門としてプレイするでも、最近変わり種ばかりで、久々に正統派のマーダーミステリーがやってみたいなぁ…という人にもオススメできる、そうそうこういうのがマーダーミステリーだよね、こういうのでいいんだよこういうので、という清涼剤のようなシナリオ。

■推理しない名探偵と振り回される助手

 シュレディンガーのタコ先生の最新作

 「推理」をこよなく愛するシュレタコ先生の作風はもちろん本作も踏襲されおり、本作品は「プレイヤーが推理をするため」の作品であり、「シュレタコ先生がプレイヤーに推理をさせるため」の作品であるため、推理モノをやりたい人にとってはまさに垂涎の一作。

 基本的な路線は「30mins detective」と同じ、1PL用の推理ゲームではあるが、今回の作品はキャッチ―なメインビジュアル(ロングヘアの美少女が二人も!)と、調査中にもプレイヤーを楽しませる工夫が随所に見られる。

 推理モノということで敷居の高さを感じるかもしれないが、推理が不慣れなプレイヤーに対するフォロー体制も出来ているため、「推理は自信がないけど、表紙の探偵の女の子が可愛いな」という程度の認識で初めても問題ない。

 正統進化したシュレタコ先生の最新作と胸を張って紹介できる一作。

【ロールプレイ好きにオススメできるシナリオ】

■MERCHANT ★特にオススメ★

 そがべ様の新作にして意欲作。

 従来のマーダーミステリーとしての枠組みを超え、エンターテイメントとしての完成度を高めるための工夫を随所に凝らしており、ストーリー冒頭からエンディングまで、まるでジェットコースターに乗ったかのような緩急と驚き、そして最後には満足感を得られることが必至の大ボリューム作品。

 魅力的な設定とキャラクタービジュアルナレーションや説明資料すら工夫を凝らしており、とにかくプレイヤーの満足度を高めるために余念が無いことに加え、推理難易度が低めであること(booth公開情報)から、作品全体が非常に豪華であるにも関わらず、プレイするにあたっての敷居も低いことも特筆すべきセールスポイントの一つ。

 本作を通過後に感じた感想は「自陣最強。これ以上のロールプレイをできるのは他の卓ではないのでは?」と思ったが、それはひとえに、この作品が丁寧にキャラクターの造形を作り、プレイヤーをうまく「ノせる」感情の導線を作っているからであり、とにかくプレイしていて気持ちが良い作品。

 「マーダーミステリーの楽しさとは?」という命題に、新しい角度と工夫で豪華に仕上げた珠玉の一作。マダミスプレイヤーとしてもマダミス作者としても、感心するべきポイント、学ぶべき所が多い、素晴らしい一作。

※筆者がプレイした時の録画。同卓者にも恵まれた思い出に残る卓(本編ネタバレ注意!)
https://www.youtube.com/watch?v=0Ts3Oh3lVf0

■DIABOLOS7

 目を引くメインビジュアルと、それに輪をかけて特徴的で魅力的なキャラクター。「7つの大罪」をテーマにしており、「憤怒」や「怠惰」、そして「色欲」といった人間の欲望を具現化した悪魔たちになり切ってロールプレイが楽しめる作品。

 メインビジュアルから受けるポップな世界観の期待に応える形で、7つの大罪をモチーフにしているため、それぞれのキャラクターに与えられたイメージそのままにアクセル全開でのロールプレイが推奨されており、ロールプレイしたい人は思い切り大暴れできる作品。

 「怠惰」であれば思い切りダルく、「憤怒」であればトゲトゲしく、そして「色欲」であれば……(以下検閲削除)

 7つの大罪をテーマにしている故に、人間的な倫理観など投げ捨てて、悪魔達として思う存分好き放題楽しんで欲しい。特に「色欲」。

※筆者がプレイした時の録画は以下(本編ネタバレ注意!)
https://www.youtube.com/watch?v=g4EQPJ2HFpA

■躍呂奇珠杖最期のステエジ

 ポップなキャラクターと、奇術師をテーマにした作品。とにかくプレイしていて「ワクワク」する要素が散りばめられており、プレイが終わった時には、一つの演劇やサーカスのショーを見終わったような満足感がある。

 「物語をつくる、という点に主軸を置いている」と事前公開情報にもある通り、ゲーム中はとにかくキャラクターとしてガンガンロールプレイして主張していった方が楽しい作品であり、クセが強いキャラクターとして推理中も読み合わせ中もどんどんクセを出していくことでより楽しむことができる。

 オンラインマダミス初期から存在する作品ではあるものの、今なお色褪せない名作。

【重量級シナリオ】

■キマイラの惨劇 ★特にオススメ★

 「駆け引き重視」を謳ったシナリオの中でも、特にそれに特化した高難易度の作品。作品の構想からしてかなり尖った構想となっており、事前公開情報として「理不尽なPCのロストが存在する」こと、「自分で考えてプレイするのが得意な人」向けが公言されている。
 
 看板に偽りは無く、プレイヤーに対して、シナリオもシステムも、そしてプレイヤー同士の悪意も容赦なく牙を剥くため、ぼやぼやしていると何が何だか分からないうちに目的達成できないという事が往々にして発生する。

 推理も駆け引きも重量級の体験ができること間違いなしであるため、ぜひとも腕に自信のあるプレイヤーを集めてプレイしてみて欲しい。

※筆者がプレイした時の録画。この卓はメンバーに恵まれ、さくべえさん、すーわさん(ARCANA/REVERSED作者)、ぬむぅさん(ドクドグラ、カタリカタリ作者)等と同卓した、全員キレキレの卓だったのでせひ見て欲しい(本編ネタバレ注意!) 
https://www.youtube.com/watch?v=2lLmGc_iwMM

■星陰りて、謀り響く

 作品自体はかなり初期から存在しており、マダミスジャンキーの間では噂になっていた作品。とにかく作品の世界観が綿密に作り込まれており、気合を入れてHOの読み込みを行い、キャラクターの性格や時系列のみならず、世界観をインストールしなければ作品を十全に楽しめないという重い作品。
 
 事前説明にもある通り、ハンドアウトの事前読み込みが2時間は必要であるため、更には「PvP要素あり、キャラロストあり」「ゲーム内描写: 政治・社会問題、宗教、恋愛、オカルト、グロ」と、敷居が高いキーワードのオンパレードであり、調査のためのルールもかなり複雑であるため、プレイするのに覚悟が必要であることは間違いない。

 ハンドアウト読み込み2時間というのは脅しでも何でもなく、それだけ気合を入れないと振り落とされてしまう。「ゲームが始まってから必要になったら読み返そう」という緩い意識では確実に情報整理が追いつかない。覚悟を決めてこの作品はプレイするように。

 だからこそ「覚悟を決めた」プレイヤーを集めてプレイすることでしか得られない栄養素がある。歯ごたえを求めるプレイヤーにはオススメの一作。

■ようこそ、宇宙人狼ホテルへ

 某宇宙人狼ゲームをモチーフにしたシナリオ。タイトルにも入っている通り、設定そのものが某宇宙人狼ゲームを前提としており、某宇宙人狼ゲームの知識を知っていないと、舞台設定やキャラクターの背景など、うまく作品を楽しむことができないという懸念点は存在するものの、裏を返せば随所に某宇宙人狼ゲーム愛を感じられる作品で、それを知っている人であれば常にニヤニヤしながらゲームをプレイできる。

 某宇宙人狼ゲームの知識や立ち回りが勝率に直結するかというとそれほどでもない。某宇宙人狼ゲームがどういうゲームで、そこで出てくる各種の用語がどんな意味を持っているか(「クルー」「インポスター」「サボタージュ」「ベント」「アドミン」「エレキ」等)が分かれば、マダミスとしてのプレイに支障はないので安心して欲しい。

 単なるパロディネタに留まらず、マーダーミステリーとしての推理や駆け引きもしっかりと用意されており、宇宙人狼らしく(?)「キャラロストあり」も事前情報として明言されており、やりごたえは十二分にある作品。

 また、最近では珍しい「9人用シナリオ」という大ボリューム!

 「某宇宙人狼ゲームを知っている」かつ「やる気満々」のプレイヤーを「9名」集めるという、若干の敷居の高さはあるものの、それを乗り越えればお祭りのように楽しいプレイが約束されている作品。ぜひ気合を入れてメンバーを集めてプレイして欲しい。

※筆者がプレイした時の録画、細かくは語れないが、非常にエキサイティングが展開が多かった面白い卓(本編ネタバレ注意!)
https://www.youtube.com/watch?v=vpbJWBvit5k

【万人にオススメできるシナリオ】

■人喰い森に眠る月 ★特にオススメ★

「マーダーミステリー付き音楽アルバム」

もう一度言う

「マーダーミステリー付き音楽アルバム」

である。

「音楽付きマーダーミステリー」

ではない。

 常日頃から「マーダーミステリーにはBGMが重要」と主張している筆者だが、まさか「サウンドトラックが本来で、マーダーミステリーがオマケ」という作品が出てくるとは。まさにコロンブスの卵。びっくり仰天。いやそんなのアリか??? ズルでは????

 音楽を主体としているだけあり、音楽についてはもう何も言う所なく満点。このために作られた音楽なので当然なのだが、場面場面に最適な音楽が流れ、没入感を高めてくれる上に、音楽単体としても非常に聞いていて心地よい音楽ばかり。

 「マーダーミステリー付き音楽トラック」という事で、マーダーミステリー部分がおざなりかと言うと全くそんなことはなく、魅力的なプレイヤーキャラクター、マーダーミステリーとしての推理や疑心暗鬼もしっかりと作られており、総合的な点数は非常に高い。ぜひプレイしてみて欲しい、一押しの作品。

※筆者がプレイした卓の録画。筆者がプレイしたキャラクターが上手くハマってとても楽しかった卓(本編ネタバレ注意!)
https://www.youtube.com/watch?v=5Ee1QaI08fQ

■ふわふわクリームさらにジューシー

 一見、タイトルからどんなジャンルのマーダーミステリーなのか想像し辛くどんな内容であるのかを説明しようとしてもネタバレになってしまいそうなのが若干歯がゆい作品。

 ネタバレにならない範囲で言うと、「推理」と「エモ」をどちらも全力で両立させようとした作品。

 甘ったるいスイーツのようなタイトルからふわふわとしたライトなシナリオを想起させるが実際はその逆。情報量も多く、色々な意味でプレイヤーに対する負荷が高いシナリオであり、プレイ時間も4~5時間と、重量級の部類に入る。

 非常にこだわって作成されている作品ではあるものの、十分にこの作品の醍醐味を味わうためには「推理も積極的に行う」「エモもどんとこい」「何が起こっても大丈夫」と、ある程度の経験と意識が必要。

 上記の前提を踏まえた上で「よくわからないけど、面白そうなシナリオだからやってみたい!」と飛び込めば、こだわりぬいて作りこまれた、推理もエモも全部入りのシナリオを楽しむことができるだろう。

■マーダーロワイヤル

 あっごめんなさい最後に自分の作品を宣伝させてください!!!!

 僕もマダミスシナリオを作成している身として、今回ご紹介した作品をプレイして感じた楽しさや工夫点などを数多く参考にさせてもらっています。

 この場を借りてお礼とネタバラシをすると、最新作の「マーダーロワイヤル」は、「”MERCHANT”で感銘を受けたプレイヤーをロールプレイにノセる技術や演出」と、「”キマイラの惨劇”で感銘を受けたプレイヤー間の駆け引き」から色濃く影響を受けており、それに加えて、自分が思うマーダーミステリーの楽しさを色々と加えた、全部入りの自信作となっております。

 加えて、今流行りの「AIイラスト」技術や、独自の「リアルタイム時系列」システムなど、様々な技術・工夫を凝らした自信作で、万人にオススメできるシナリオとなっておりますので、ぜひ皆様ご覧ください!

 なお、この記事をご覧になっている方には、既にマーダーロワイヤルをプレイした方も数多くいらっしゃるかもしれません。
 その場合は、こちらの「マーダーロワイヤル」RP重視のわちゃわちゃリプレイ!」が爆笑必須の面白い動画となっているので、ぜひご覧ください!(※本編ネタバレ注意!)
https://www.youtube.com/watch?v=KOaROSYgd_k

【おまけ:シナリオ紹介記事バックナンバー】


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