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最後まで諦めない(当日編)

 前回は、総論的なことを書きましたので、じゃあ、具体的どうするの?ということを述べていきたいと思います。
 前回書いたように「当日だから(本番だから)諦めない」ということはありません。敵(大変失礼しました。試験委員の偉大なる先生方)はいろんな手を尽くして受験生をあきらめさせようとしてきます。合格率が10%台以下の試験は明らかに落とすための試験です。宅建も行政書士も社労士も司法書士もマンション管理士も、達成度(習熟度)を確認するための試験ではなく、「選抜」の意味を持つ厳しい試験です。
 受験生をあきらめさせようとする代表的な手法は、①選択肢の最初(例えば、選択肢の1,2あたり)に正誤判断に迷うレベルのものを出題して受験生を混乱させる(ビビらせる)。②個数問題(「誤っているものは何個か?」というタイプの問題)を連続して出題する(適度に散りばめ、「今年は個数問題多いなあ」と錯覚させる、)、③解答用紙のマーク欄をみてみると、1つの選択肢が多数問続いている(たとえば「3」が5問続いている)、④特定の科目はとても難しいが、一方でほかの科目は例年並み、などです。
 中でも最も受験生の諦めにつながるのは、上記のようなことを駆使して、問題を解いている受験生に手応えを感じさせなくすることです。本番中に手応えがないことはとても怖いです。「これは過去問で繰り返し出ているから間違いなく正解は「3」。この問題は確実に取れた!」というような小さな手ごたえの積み重ねがないと、本試験受験中はとても不安です。その不安が平常心や冷静な思考力をかき乱し、通常ならしないであろうミスを誘発したり、「こんな手ごたえがないんじゃ。今年は無理だ」と思わせたりします。ここまで読んでいただいて気づかれたかもしれません。本試験中に不安に感じるのは(諦めたくなるのは)、皆さん(受験生)のせいではなくて、そのように巧妙に出題が仕組まれているからなんです。皆さんはまったく悪くありません。真面目な方ほど素直にこれらの罠に引っかかってしまいます。

 ですから、 もし本番中に「わからない」「今年もダメかも」と思ったら、まずは深呼吸です。そのままいったら、試験出題側の思うツボです。ちょっと一息ついて立ち止まってもらって、上記①から④について逆手にとるように振舞ってみてください。①問題の選択肢の1,2が難しかったら、それ以降に明らかに過去問知識で判断できる選択肢が含まれているはずと思って先に進む(選択肢1,2には時間をかけずとっとと3以降の選択肢を検討する)、②個数問題が多いと感じたら、いやだと思うのは自分だけじゃない。仮に過去問の知識で判断できない(自信が持てない)ならその問題は正答率が低いので合否には関係せず、どんどん次に進む。③多肢択一式試験では、正答が同じ番号でつづくこともある(答えが「2」ということが5連続であることもある)ので、気にしない。気になるなら、全部解き終わってから戻るようにする。④特定の科目が難しかったら、他の科目は例年並みだろうと考えて他の科目を先にとくなどです。

 難しい、ダメかもと思ったら、それはみんな同じです。そこからが勝負と思って頭を切り替えてください。諦めている時間はありませんよ(上記①~④で述べたようにできること、やらなくてはいけないことはいっぱいあります)。

 さて、最後に、絶対お伝えしたいことがあります。「この問題わからない」となったとき、難しい、悩ましい問題にあたって時間を思った以上に使ってしまったとき、最後の2つまでしぼれたが、どっちか判断がつかずなかなか先に進めなかったとき、こういうことは必ず本番で生じます。そのとき私が自分に言い聞かせていることは、「本当の勝負は次の問題だ。ここで崩れない」ということです。わからない問題・悩ましい問題にあたったとき、多くの方はその問題がヤバいと思います。でも、僕はその次の問題こそヤバい(→本当の勝負)と思うようにしています。ここは試験のテクニックです。ある程度学習を積んで(過去問を解いて)わからない問題は、他の受験生もわからないし、迷っています。なので、その問題自体では勝負はつきません(みんなできません)。差がつくのはその次の問題です。その難しい・悩ましい問題で崩れてそれを引きずってモヤモヤしたまま次にいくか、頭を意図的にリフレッシュして気を引きしめて次の問題に取り組むかでは全然正答率が違っていきます。(ちなみにその次の問題も難しければ、さらにその次の問題で崩れないようにすればよいだけです)。

 本当に気を付けるべきは難しい問題の次の問題。これは本当に大切なことだと思います。

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