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心が疲れた時の、カフェのえらび方

日常というものは、疲れる。

私たちの毎日は、困ったことでいっぱいだ。
仕事でのトラブル、恋人との口論、友人とのもめ事、SNSでの炎上。あなたを悩ますものはそれこそ無数にあるだろう。

だというのに、やることは山積みだ。
仕事は休めないし、必要な連絡は溜まっているし、趣味は趣味でタスクが満載、人付き合いにも気をつかうしで、真面目な人ほど毎日へとへとのはず。
「もう無理だ!」となってしまうことがあるかもしれない。

そんな時、自分に鞭打ってはいけない。
頑張れ頑張れと言い聞かせてはいけない。
トラブルに対処して、人間関係で走り回って、家のことまでこなしていたらそれこそ倒れてしまう。

そんな時どうすべきか。

仕事を休んでゆっくりする?
温泉にでも行って数日間だらける?
思い切って長旅に出る?

素晴らしい。最高だ。
だが現実的にはなかなか難しい。
海外や温泉宿でのんびりしたくても、そこまでの時間も余裕も無いことが大半だろう。

なので、素敵なカフェにいこう。

カフェといってもスタバやドトールじゃない。
古き良き、静かなカフェだ。あなたの心が安らぐ場所だ。
日常ではなく、少しだけ非日常な空間だ。

想像してみて欲しい。

しんと静まった店内。
丁寧に手入れされた、木製のテーブル。
机上に並ぶのは、一目でアンティークとわかるソーサーとカップ。手間のかかった装飾が好ましい。
あなたは柔らかい椅子に背を預け、お気に入りの小説を片手にコーヒーを口元に運ぶ。鼻腔をくすぐる芳醇な香り。
少し酸味の効いた味を楽しみ、目を閉じる。しんとした店内にあなたを悩ますような雑音はない。
聞こえるのは古い時計が針を刻む音だけ。
そのリズムが、妙に心地よい——

どうだろう。
日々の煩わしさを忘れた時間が過ごせるような気がしないだろうか。

非日常を求める行為を旅とするなら、カフェに行くのはそれ自体が小さな旅だ。
疲れた体と心を癒やすには最適だろう。

では、疲れた時はどういうカフェに行くのがいいか?
以下、私なりのえらび方を述べてみよう。

1:静かであること

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最重要項目だろう。
疲れたからカフェに来ているのに、がやがやしたお喋りばかりだったら逆効果だ。
日曜昼下がりのフードコートのような騒ぎだったら目も当てられない。

おすすめは人口密度が低く、かつ店主がでしゃばらないタイプの個人経営店だ。

人口密度低め、というのはいうまでもないだろう。
密度高め=グループ客中心だ。
サイゼリヤのようなファミレスを想像してもらえるとわかりやすい。

グループになれば話したくなるのが当然、一人一人は小声でも、複数集まればかなりのノイズとなってしまう。
それが悪いわけではないが、今回の目的にはそぐわない。

「店主がでしゃばらないタイプ」というのも重要だ。

個人経営店は総じて静かなことが多いが、上記のタイプだと落ちつくとは程遠い環境になってしまう。
特に「名物マスターとファンの集い」な店だと最悪だ。
静かな環境に癒やされにきたのに、なぜコミュニティで盛り上がらないといけないのか。

幸い、今はネットのレビューが充実している。
信憑性が高いのはGoogleの口コミだろう。口コミで「狭い」「うるさい」などが複数あった場合、そこは避けた方が良い。

なお、食べログのようなグルメサイトはマニアや身内が少なくないので話半分に聞いた方がいい。
写真と同じで、マニアの意見はあまり当てにならないものだ。

レビューが皆無or少ない場合は、自分の目で確かめるしかないが、それは慣れてからでもいい。
まずは事前情報がある店を選ぼう。

2:店内に余裕があること

静かであることに、にも通じる。

余裕があるといっても、広いという意味ではない。
むしろ、スペースをどれだけ贅沢に使っているかだ。
どれほど広くても、所狭しと席を並べていては意味が無い。
逆に、狭いように見えても、席と席の間に余裕があり、窮屈な感じがしないなら余裕があると言える。

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このように開けた感じだととりわけ好ましい(画像はスターバックス弘前公園前店)。

空間的な余裕は、気持ちの余裕に直結するものだ。
広々とした場所に開放感をおぼえることはあなたにも良くあるだろう。
カフェとて例外ではない。

気になるカフェがあったら、内装写真を探してみよう。
出来れば、外からちょっと覗いてみよう。

それだけで、「ゆったりしてそう」「狭苦しそう」というのはわかるものだ。
「ここはゆったり出来そうだな」という直感はアテになるので、判断基準にしてみよう。

3:通いやすいこと

忘れがちだが、重要だ。

「ここだ!」というカフェを見つけたとしよう。
何度でも通いたい、と感じたとしよう。

でも、あなたの家から2時間かかるようだったら?
駅から徒歩で30分かかるようだったら?

どうしたって足が遠のいてしまうだろう。
行くだけで疲れてしまうだろう。

そもそも癒やされるためにカフェを探しているのだ。
通いづらかったら意味がない。

大事なのは、あなたが無理なく通えること。
ご近所とまでは言わないが、出来れば通学路や通勤路の途中にあるのが望ましい。
私も含めて人間は怠けたがりなものだ。距離があったらついつい通わなくなってしまうだろう。

全国で喫茶店の数は実に67,198店舗(2018年調べ)。
探せば意外なところに意外な良いお店があったりする。

Googlemap頼みもいいが、散歩がてらに探してみるのも楽しいものだ。
実際、私も通勤中に、いつもと違う道を通ったら理想に近いカフェを見つけたことがある。
明日にでも少し遠回りしてみて欲しい。

4:自分の肌にあうこと

なんだかんだでこれが1番大事だ。

どれほど静かでお洒落で広い店内だろうと。
最高のコーヒーと紅茶を出してくれようと。
あなたの家から徒歩1分の場所にあろうと。

「なんか違うなあ」と感じるなら、やめておいた方がいい。

繰り返すが、あなたが探すべきは「良いカフェ」ではない。
「あなたが癒やされるカフェ」だ。

どんな名店だろうと、その目的を達成できなければ意味がない。
自分の直感を信じよう。
「ここいいな」「素敵だな」という心の声に耳を傾けよう。

なにもレビューをするわけではないのだ。
客観的な良い悪いではなく、主観的な合う合わないを第一にするのが大事だ。
最初は難しいかもしれないが、意識して繰り返すうちにカフェを見抜く感覚が育ってくる(しかもこれはカフェに限らない)。

では、本日はこのあたりで。
あなたの心と体がゆっくり癒やされることを祈っている。

5:参考文献

カフェにまつわる本は数多い。
その中から、写真が美しくガイドとしても役立つものを紹介しておく。
いずれもおすすめだ。

最後についてはカフェは一部だが、お好きな方が多いと思うので取り上げた。
私も折に触れて読み返している。


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