見出し画像

コロナ禍がもたらしたモノ・コト ~その1~

2020年3月上旬までは、余裕があった。創業以来経営は順調だったし、これまでの考え方の延長線上の発想で乗り越えられると思っていた。何社かのクライアント様からも、「うちは研修を中止しませんから」「新型コロナでも感染に気を付ければ予定通り実施できます」等々、力強く温かい言葉をいただいていたからだ。

状況が急変し始めたのが3月下旬。都道府県の中でもコロナ感染者の極めて低い地域のお客様から、研修・コンサルティングのキャンセルが相次いだ。「うちとしてはやりたいんですが、県全体として首都圏からの流入はまずいって雰囲気になってきまして・・・」本当に申し訳なさそうにおっしゃってくださり心が痛む。しかし、懐も徐々に痛み始めた。

そして4月7日の「緊急事態宣言」。数日前から知れていたこととはいえ、国の宣言の影響をまだまだ甘く考えていた。が、それは予約キャンセルのファンファーレであった!雪崩を打ったように中止・延期の連絡が入る。ケータイが鳴り発信者を確認すると、何のご用件かすぐにわかってしまう。年間スケジュールの一覧表が、みるみる「キャンセル」の赤い文字に塗り替えられていく。まるでオセロゲームのように・・・。

減っていったのは研修・コンサルティングの予約だけではなかった。心がすり減り、過去8年間で蓄えた会社のキャッシュが減り、なんと体重が2ヶ月で8キロも減った(ベルトの穴2個半分!)。独立起業後初めて、前途に広がる暗雲で視界がふさがれたような気持になった。半面「これまでが順調すぎた。これが経営というものの本質だろう」という気持ちも、心の片隅にないではなかった。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?