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これからサザンオールスターズを聴く若者達へ⑥〜隠れた名曲10選後半〜

前回に引き続き、隠れた名曲の後半。

では早速。

⑥逢いたくなった時に君はここにいない/1990

この曲がサザンで最も隠れた名曲という称号に相応しいと勝手に思ってる。初めて聴いたのは14歳のとき。山手線に乗りながら、ウォークマンから流れてきた純粋なメロディに心を打たれ、1人涙を流していた。歌詞を良く聴くと少し複雑な事情の恋愛を描いていることがわかるが、なぜかストレートな失恋ソングとして心に響く。逢いたくなった時に君はここにいない、失恋してわかる寂しさ。胸に刺さる。コード進行も至って単純。歌詞も全て日本語である。そのシンプルさこそがこの曲の真髄で、真っ向勝負なバラードであることが窺えるのだ。

⑦慕情/1992

ミスチルの桜井さんのプロジェクトであるBank Bandでもカバーされた名曲。イントロのキーボードの伴奏から神秘的で幻想的な空間が広がる。そして冒頭の"夢の中で交わしたキッスは悲しみを抱いている"に代表されるように、言葉ひとつひとつが美しい。そして特筆すべき点は桑田佳祐の歌唱力。その丁寧で繊細な歌声は静かなバラードほど際立つ。吐息の入れ方、ファルセットの出し方、言葉の余韻の残し方等ヴォーカリスト桑田佳祐の技術と魂が宿っているのだ。とりあえず先入観を取り除いた、感情を無にした状態で聴いていただきたい。きっと涙なしには聴くことができないだろう。

⑧Moon Light Lover/1996

大人としての落ち着きや余裕がこのバラードでは感じられる。月明かりに照らされた中での色恋沙汰が描かれている。ライブではよく夕日が沈み出し、徐々に暗くなっていくタイミングで演奏され、これがまたよく映える。グルーヴ感のあるバンドサウンドとエモーショナルなバラードとしての魅力が上手にミックスされていて、聴き手を全く飽きさせない。ストリングスのアレンジや間奏のハーモニカも雰囲気にマッチしていて、効果的である。そして"愛がスローに満ちたワイン酔わせて"をはじめとする手の込んだフレーズの数々。サウンド、歌詞共に"オシャレ"が最もよく似合うバラードである。

⑨BLUE HEAVEN/1997

サザンのシングル曲の中では陰を潜めている上に売り上げも好調ではなかったが、この曲は隠れファンがきっと多くいるだろう。何が好きなのかと聴かれても、上手く言語化することができない。強いて言うならば、この曲の醸し出す雰囲気が好きである。1番と2番共にBメロで"翼の折れたエンジェル"というフレーズが含まれていて、中村あゆみの楽曲へのオマージュになっている。アコースティックサウンドがフィーチャーされたバラードで、特にCメロのギターソロとアウトロは聴き応え抜群である。

⑩栄光の男/2013

"栄光の男"であるミスタージャイアンツこと長嶋茂雄の引退を題材にしている。1970年頃の日本と21世紀を比較し、過去を懐かしみ現代を憂いている。ラスサビの"この世は弱いものには冷たいね"というフレーズから見てもよくわかる。僕が初めて参加した2015年のドームツアーで夕日の演出を背景にこの曲が演奏された。感無量のステージで今でも僕の記憶に鮮明に残っている。高度経済成長を生き抜いた世代には特に歌詞が響くと思われるが、"鬼が行き交う世間"を生き抜いて頑張る若者世代にも希望をもたらしてくれる応援ソングである。桑田佳祐は情景を歌詞にするのが上手い。


以上が隠れた名曲である。

どれもそれぞれの良さがある究極の10曲だ。


次回は恐らくラスト"マニアックな曲"を特集するので、お楽しみに。

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