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ワイキキの真ん中にある聖なる石「魔法使いの石」のこと。

ワイキキビーチに置かれている大きな4つの石の伝説をご存知だろうか?『ナ・ポーハク・オラ・カパエマフ・ア・カプニ』と呼ばれる4つの巨石で、通称「魔法使いの石」と呼ばれている。
16世紀、タヒチからやってきたカパエマフ、カプニ、カハロア、キナヒという4人の祈祷師が、病に伏した人たちをヒーリングするためにオアフ島を巡っていた。男女両性のエネルギーを持ち合わせるとても穏やかなヒーリングのエネルギーが人々を癒し、安らぎを与え、その優れたパワーは、たちまち島中に響き渡ったと言われている。
彼らは島中を旅した後、現在のモアナ・サーフライダー・ホテルのあたりに腰を落ち着け、家を構えたと言う。
やがて彼らがハワイを去る日が近づいて来ると、彼ら祈祷師の4人がハワイを去った後も、島民がヒーリングのエネルギーを受け取れるようにと、パワーを封じ込めた巨石を安置することにしたのである。

巨石は、カイムキにあるベル・ストーン(叩くと遠くまで響き渡る巨石)の中から、地元の人たちが神様の声に従って選ぶように、と指示をしたと伝えられている。
人々は協力し合ってひとつ数百kgもある巨石をカーネの夜(陰暦27日の夜)に運び、ふたつは彼らの家の敷地内に、そしてあとのふたつは沐浴して身を清めるための海辺に安置したのだ。
4つの石にはそれぞれの祈祷師の名前が付けられ、ヒーリングのエネルギーを封じ込めるための儀式が執り行われた。儀式は断食して呪文を唱え続け、次の満月まで続いたと言われている。そして儀式が終わると、彼ら4人はいつの間にか姿を消してしまったと言う。

19世紀後半、リケリケ王女はこの石ひとつひとつにレイをかけ、お祈りを捧げてから海に入ったと言われている。彼女の夫であるA.S.クレゴーン氏は、「この聖なる石を決して動かしてはならない」という遺言を残しているほどこの石のパワーは凄いものだったようだ。
しかし残念なことにワイキキ地区の開発で石は何度も場所を移され、一時は行方不明になり、その後、著しく破損した状態で発見されたのだ。
1980年に今の場所に安置されたが、何も知らない観光客が石に腰かけたり、タオルを干したりしていたので、1997年に柵を作って保護するようになったようである。
聖なる石は今もなお、そのパワーを人々に与え続けていると言われている。中には石から「今すぐに故郷に戻りなさい」とメッセージを受け、帰ってみたら母が病に倒れたばかりで、家のものがなぜタイミングよく戻ってきたのか不思議がっていた、という事例もある。
単純にヒーリングするための石というわけではなく、必要な人にはメッセージも告げてくれる、そんな「聖なる石」なのである。


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