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太平洋の孤島『ハワイ』をめぐる不思議な運命。

太平洋上にはいったいどれだけの島々があるのだろうか?
実は太平洋上に浮かぶ島々は1万以上も点在していると言われている。
その島々は大きく分けて3つに分けることができる。
ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアだ。

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「ネシア」 というのはギリシャ語で 「島」 を意味する。
ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアは、それぞれ「小さな島々」「黒い島々」「多くの島々」という意味である。
メラネシアは島が黒いというわけではなく、肌の色が黒い人々が住んでいるという意味のようだ。ピンときた人もいると思うが、メラニン(黒い色素)の 「メラ」である。

私たちの住む日本のすぐ南に位置するミクロネシアには、グアム、サイパンといった日本人にもなじみの島々が点在している。

そのミクロネシアの南に位置するのがメラネシア。
メラネシアと言われてもいったいどんな島々があっただろう? となってしまうが、パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ、ニューカレドニアなどが有名である。

そしてミクロネシアとメラネシアの右側にあるのがポリネシア。
「多くの島々」を意味するだけあって範囲も広く、ハワイもここに含まれている。ポリネシアの範囲を覚えるのは案外簡単で、ハワイ諸島、イースター島、ニュージーランドを頂点とする三角形の中に含まれる島々がポリネシアだと考えると覚えやすい。

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私が最初ポリネシアの範囲を聞かされた時、ニュージーランドやイースター島もポリネシアなんだ、と認識を新たにした記憶がある。
このように太平洋上にはたくさんの島々が点在しているが、ハワイは人が住んでいる太平洋上のどの島からも1000km以上も離れている太平洋上の孤島で、こんなに人が住む他の陸地から離れている島々はハワイ以外にはないと言われている。

1778年に初めての西洋人、キャプテン・ジェームス・クックがカウアイ島西部のワイメアに上陸したが、クックはハワイの島々があることなんてまったく知らずに “たまたま” 島を見つけたのだ。こんな偶然が起きることが奇跡だが、この奇跡のような偶然はこれだけではない。

ハワイという名前を知らなかったクックは、この島々をサンドイッチ諸島と名付けた。“サンドイッチ” という名前は彼が航海を支援してくれたスポンサーが、サンドイッチ伯爵だったことに由来する。
実はクックは全部で3回太平洋を冒険している。赤道南側の航路が2回と、3回目がハワイを発見するきっかけとなった赤道北側の航路だ。
3度目の航海はレゾリューション号とディスカバリー号、二隻の帆船を指揮しながらの航海だった。その目的は北極海を抜ける北周り航路を見つけるため、そして2回目の航海で助力を得たタヒチ人のオマイを故郷へと帰すためだったようである。
オマイをタヒチへ帰した後、北へと進路を変えて太平洋を航行中、1778年1月カウアイ島を発見し、西部のワイメアに上陸を果たしたのだ。

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さらにミラクルは続く。
ハワイはこのとき四大神のひとり、豊穣の神ロノを祀る「マカヒキ」と呼ばれる収穫祭の真っ最中だった。
ロノは妻とケンカして別れ、ハワイを出て行ってしまったがいつか海から帰ってくるという古くからの言い伝えがあった。
西洋文化にまったく縁のない古代ハワイアンはクックが率いる船を見て、ロノが帰ってきたのだと大喜びするのだ。
マカヒキの時期と “たまたま” 重なったこと、ロノの肌はハワイアンのように浅黒くなく、“なぜか”「白い肌をしている」という伝説、さらにはクックが率いていた船の帆が下の絵のようなマカヒキの旗(ロノの象徴 “ロノマクア” と呼ばれる旗)と“たまたま” 酷似していたと言う。

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このような「奇跡的な偶然」が重なり、彼はハワイアンからロノだと信じられ、手厚い歓迎を受けたのだ。
さらにハワイアンは見たこともない鉄の道具を目の当たりにし、彼らが作った木製の道具と交換する。
これで畑仕事や海での漁が楽にできると、豊穣の神ロノだと信じられてしまったクックを神様扱いの大歓迎でもてなしたのである。

ここまでくると偶然というよりも神の計画というしかない。
ハワイは知られるべくして世界に知られ、扉を開いたのである。

頭に乗ったクックはその後、ハワイ島のケアラケクア湾で命を落とすことになってしまうが、その後のハワイは良くも悪くも急速に西洋化し、世界に知られる島々へと発展していく。これも神の計画に他ならない。

おそらく太平洋の島々でこのような神様のいたずらに出会った島は、おそらくハワイ以外にはないだろう。つくづくハワイという島々は神々に愛された島々なのである。


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