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360度絶景が広がる海の真ん中に立つ。カネオヘ湾の聖地『サンド・バー』。

オアフ島のカネオヘ湾には『サンド・バー』と呼ばれる砂地ができる。
ここは全米最大の珊瑚礁によって外海から守られ、湾内は常に穏やかな海が広がっている。満月近くの大潮の時の干潮時になると、珊瑚礁に守られた湾内に白い砂洲が登場する。くるぶしほどしか海水が来ないため、まるで海の真ん中に立っているような感じになるのだ。

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英語では「サンドバー(sand bar)」だが、ハワイ語では「アフ・オ・ラカ(Ahu o Laka)」と言い、「フラの女神ラカの丘」という意味。ここはフラの女神であるラカが、火の女神ペレにフラを捧げたという伝説が残されているフラの聖地でもある。

実はハワイの伝統舞踊フラには悲しい歴史がある。
カメハメハ大王が亡くなった1819年以降、カメハメハ大王のお妃のひとりであるカアフマヌがキリスト教へ改宗したことがきっかけで、キリスト教布教のために宣教師が続々とハワイへやってきた。
その際にフラを初めて見た西洋人たちは、宗教儀式だったフラを男女とも上半身裸で踊るために卑猥な異教徒の踊りとして禁止した。
そんな時代、海の真ん中の人目を凌げるこの場所でひっそりとフラを捧げていたと伝えられている神聖な場所なのだ。

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360度見渡す限り海と空、そして遠くにはオアフ島最大の聖地とされていたクアロア山が広がる。風も優しくて気持ちよく、大自然との一体感を感じられる場所だ。

なぜ海の中でここだけ丸く円を描いてサンドバーがあるのか?
それは太古の昔、地震による地殻変動で海底火山の噴火口が隆起し、その後気の遠くなるような歳月をかけて砂が堆積し、その上に白化した珊瑚の死骸が堆積したために丸い円形のサンドバーが形成されたのだ。

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ここはまた珊瑚の環礁が周りにあるため、海洋生物の宝庫だ。
アウマクア(家の守り神)のひとつであるホヌ(ウミガメ)の生息地でもあるため、きれいな海の中にウミガメの姿を見ることもできる。

サンドバーへは当然ボートで行かなくてはならない。ツアーに参加するしか基本的にはここへたどり着く方法はない。
サンドバーの白い砂地が完全に100%海の上に出るのは、満月に近い大潮の日の干潮時だけである。それ以外の日は砂地は海の下に沈んでいる。
それでもこんなに気持ちのいい場所はそうそうないし、海の上に立つ体験など滅多にできるものではない。大自然のエネルギーを感じにサンドバーに行くのも、心を癒されてとてもいい体験だと思う。子供も大人も楽しめるまさに「楽園」だ。
まったくの余談だが、私がスキューバダイビングの最終的な認定試験を受けたのはこの場所だったことをふと思い出した。その頃はここが聖地だったなんて知らなかったから、今思うとすごい場所で認定されたんだなと思うと感慨深いものがある。

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