【実体験】プロダクトマネージャーのなり方(Webディレクター編)

どうも、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。

2019年5月に人生初めての転職をし、Webディレクターメンバーとして働いていましたが、10月の組織変更で正式にプロダクトマネージャーとして働くことになりました。

前職では、プロダクトマネージャーのような役割で働いていたものの、社内にプロダクトマネージャーという名称のポジションや職種名は存在していませんでしたので、初めてのプロダクトマネージャー就任となります。


今回は、僕が考える「なぜ転職して社歴の浅い僕がプロダクトマネージャー」になれたのか?について、その役割やスキル面を中心に書いてみたいと思います。


前職での経験

僕は、2011年に新卒で入社した会社でWebディレクターとして様々な業務を行ってきました。自分の守備範囲を意識せず、任せてもらえる業務を積極的に行ってきました。

過去に僕が行ってきた業務ですが、下記の通りです。

  • 企画

  • 要件定義

  • UI/UX設計

  • システム設計

  • 制作ディレクション

  • 開発ディレクション

  • プロジェクトマネジメント(予算、スケジュール、品質など)

  • KPI設計

  • プロダクトの目標設定

  • マーケティング戦略策定

  • SEO施策立案

  • プロモーション施策立案

  • 効果測定

  • データ分析

  • レポーティング資料作成

  • 新規商品企画

  • 成果報酬売上管理

  • プロダクト改善・プロモーションにかかる予算策定・管理

  • ユーザーサポート管理

  • 社内営業担当向け問い合わせ対応


担当するプロダクトや役割は1〜2年ごとに変わりつつも、職種としての呼び名はずっとWebディレクターだと思っていました。


改めて、Webディレクターとは?

Webディレクターの役割を改めて整理してみました。

Wikipediaを参考にして、言葉の意味からWebディレクターの役割を考えてみると下記の通りだと言えます。


Webプランナー、Webプロデューサーと区別され、企画・立案は役割範囲外(Webプランナーの役割)であり、制作物の経済的責任(商業的な成否)は負わず(Webプロデューサーの役割)、「制作物の作品としての質」に責任を持つ役割となります。


少し表現を変えていますが、Webディレクターの役割である『制作物の目標とする質(品質)を計画し、達成することに責任を持つ』を果たす上で、ディレクター1人では制作物を作ることができません。UI/UX設計やクリエイティブ制作等は「デザイナー」が行い、機能を実装するコーディングや制作物を運営する環境の構築等は「エンジニア」が行います。 (※スキルや各組織・チームの役割分担で差異がある)


つまり、それ以外のことをWebディレクターが行うこととなりますので、具体的には、下記のことを行うことが役割となります。

  • KPI設計・管理(目標設定、効果測定等)

  • 情報設計(IA)(サイト構造やカテゴリ分類等)

  • プロジェクトマネジメント(スコープ、品質、スケジュール、コスト、リスク、 コミュニケーション等)


言葉の意味から導き出したWebディレクターの役割はかなり限定的なものでした。Web関連の他の職種の役割範囲も整理すると次の図のようになるかと思います。


しかし、大企業の潤沢な組織でなければ、ここまで明確に役割が細分化されることはないかと思います。
そのため、Webディレクターの中で他の職種の役割を兼ねる人が現れます。

画像15
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僕も他の職種の領域に越境してきたことになります。


続いて、プロダクトマネージャーの役割やスキルなどを見ていきましょう。


プロダクトマネージャーの役割とは?

プロダクトマネージャーのミッション

プロダクトのビジネス的な成功に責任を負う


プロダクトマネージャーの役割

よくこんな風に表現されます。

「プロダクト開発において、Why(なぜ)、What(なに)を決める」


周りの世界の変化に合わせて、プロダクトが成長するためのニーズを特定し、実装するために、プロダクトマネージャーは、他のものとの間に立って、とても概念的なこと(例えば世界を変えるビジョン)ととても具体的なこと(例えばある一つのボタンの機能要求仕様)との間に橋を架けることを行います。


大きく以下の3点を実施します。

  • プロダクトが顧客に提供する価値の最大化

  • マーケティング戦略(STP、4P)の計画及び推進

  • プロダクトライフサイクルを一貫してコミット


これでも、まだまだ抽象的だと思いますので、ninjinkun’s diaryの【翻訳】プロダクトマネジメントトライアングルを参考に、プロダクトマネージャーの役割を語る上で外せないプロダクトマネジメント・トライアングルについて説明します。


プロダクトマネジメント・トライアングル



この図は、プロダクトネットワークと言われ、どのプロダクトでも共通するプロダクトを取り巻く環境です。


プロダクトネットワークの中心に位置するのは、プロダクト自身です。
全てのプロダクトは開発者、ユーザー、ビジネスで繋がっています。


プロダクトマネージャーは、プロダクトネットワークの全ての領域を健全に機能させることに責任を持っています。



こちらは、それぞれの領域の空白を埋める役割の例が書かれたものになります。


網羅的なリストというわけではなく、それぞれの領域の雰囲気を手っ取り早く伝えることを意図している点には注意が必要であるが、プロダクトマネジメントの全容を掴むことができると思います。


このあと、プロダクトマネジメント・トライアングルに存在する役割に、僕が経験してきた役割や業務をプロットしていこうと思いますが、これをさらに簡単にしてくれている図を使用したいと思うので、ご紹介します。


プロダクトマネジメントトライアングルと各社の PM の職責と JDに登場するプロダクトマネジメントトライアングル(改案)です。



開発者と顧客を繋ぐ役割として、

  • カスタマー/技術サポート

  • データ分析

  • デザイン


顧客とビジネスを繋ぐ役割として、

  • マーケティング

  • パートナーシップ

  • ビジネスデベロップメント


開発者とビジネスを繋ぐ役割として、

  • プロジェクトマネジメント

  • 社内外調整/資源獲得

  • プロダクト仕様


これらの各役割を有効に機能させることがプロダクトマネージャーの役割となります。


誤解が無いように補足しますが、これらの役割全てをプロダクトマネージャーが担う必要はありません。


プロダクトに関わる関係者で役割分担しながら健全に機能する状態を作ります。現在のプロダクトがおかれる状況やチーム体制によって、プロダクトマネージャーが担うべき役割は変化するということになります。


自分の経験をプロダクトマネジメント・トライアングルにマッピング

僕がWebディレクターとして経験してきた役割や領域をプロダクトマネジメントトライアングル(改案)にマッピングしてみました。



赤色の実線がメインの役割として3年以上経験した領域です。
青色の点線が関連する役割として3年程度経験した領域です。
緑色の一点鎖線が関連する役割として1年程度経験した領域です。


知らず知らずの内に経験してきたことが、プロダクトマネジメント・トライアングルに存在していました。

各領域の深さという点では十分ではない領域が多いですが、基礎知識があり、プロダクトの戦略に基づいて、専門家やエキスパートとコミュニケーションを取りながら前に進めることができるという状態です。


実は、転職を考える前から、プロダクトマネージャーという職種を知り、自分がやっていることが近い気がしていました。


しかし、転職活動においては、プロダクトマネージャーの職種に就くことよりも、ミッションやビジョン、業界、事業内容が志向とマッチしていることの方が重要度が高かったので、プロダクトマネージャーにはこだわらずに転職活動を行いました。
その結果、Webディレクター職種の求人で転職が決まったのですが、働き始めて社内にプロダクトマネージャーというポジションが存在することを知りました。


与えられた役割をしっかりとこなしながら、マネージャーにプロダクトマネージャー志向であることや過去の経験やスキルを伝えながら、プロジェクトの中でのアウトプットを意識的に行いました。


その上で、下記の幸運が重なり、

  • Webディレクター集団の中でシステム開発ディレクションの経験がある人材が少ないこと

  • プロダクトマネージャーを増員する体制変更の計画があったこと

  • 入社後にアサインされたプロダクト開発チームにプロダクトマネージャーのボスがいたこと

  • たまたま僕が情報発信する記事(このブログ)が見つけられ間接的にもプロダクトマネージャー志向があることが伝わったこと


10月の組織変更にて、プロダクトマネージャーの集まるグループに兼務で所属し、正式にプロダクトマネージャーとして働くことになりました。

これが、僕のプロダクトマネージャーのなり方(Webディレクター編)です。


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