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2時間サスペンスを語る

\ジャッジャッジャーンジャッジャッジャーン/
でおなじみの火曜サスペンス劇場から、土曜ワイド劇場、金曜なんとか、月曜なんとか等と、かつて各テレビ局に『2時間サスペンスドラマ』枠がありました。

しかし、数年前に最後の砦だった枠が消滅し、地上波から2時間ドラマ専用枠が完全に消えました。ときどき思い出したように新作が放映される程度。

なぜ2時間サスペンスドラマが廃れたのか

色々な憶測がなされる中で「古臭い展開」「ありきたりの流れ」などを理由にしているところがありますが、どうなんでしょうか。

今でも世代交代しながら続いている【浅見光彦シリーズ】は『余計なことを言って警察に疑われ、その所轄の課長クラス(だいたい芸人)が偉そうに犯人扱いをしたところに「浅見光彦の兄」を名乗る人から電話がかかってきて、横柄な態度で出た課長が相手が刑事局長だということに気付き、光彦への態度が豹変する』という流れが、ときどきイレギュラーな展開はあるものの、ここだけ台本を書き換えていないのかなと思うほど、全く同じ流れです。

そうならそうとおっしゃってくだされえば良かったですのに!先生もお人が悪いっ!


この展開、水戸黄門が印籠を出す流れに感じていた「キタキタキター!」があるんです。桃太郎侍が「ひと~つ、人の世の生き血をすすり」とくる瞬間、遠山の金さんが桜吹雪を見せる瞬間、時代劇には必ず『お決まりの展開』がありますが、2時間サスペンスドラマにも通じるものがありました。

その時代劇も今はほとんど作られていないわけで、時代の流れなのかもしれません。が『お決まりの展開』が面白くないと思われているのかと思えばそうではないと思います。

「細かいことが気になるのが僕の悪い癖(相棒)」
「僕に3分だけ時間をもらえますか?(遺留捜査)」
「ジッチャンの名にかけて!(金田一少年の事件簿)」
「必ず!ホシを!あげる!(捜査一課長)」
『小競り合いを含めてメンバーがワチャワチャする』(特捜9)
など『お決まりの展開』『お決まりの台詞』は好きな人は多いと思っています。

莫大な製作費

もっとも大きな要因は、時代劇もそうだと思いますが『莫大な製作費』だと思います。
出演者のギャラが高かったと言われていますが、冷静に考えて、大型旅館貸切、観光地貸切、スタッフ出演者全員でロケ地に行き、何日も宿泊して撮るわけですから、とんでもない製作費になったと思います。
予算が削られてくれば、おのずとしょぼくなってきてしまう。しょぼくなれば視聴者は離れていく。うーん、悪循環…。
2017年の記事ですが、レジェンドのお二人もその点に触れています。


地上波からは消えましたが、BSやCSでは毎日のように再放送されています。
「需要はないわけではないが、供給ができない(供給するメリットがない)」というのを感じます。スポンサーになる企業側やテレビ局に、莫大な費用をかけて『2時間サスペンス』を撮るメリットがない。(と思っている!)

ブームにはならないが息は長い(はず)

そんなこんなで、2時間サスペンスがブームになったり、ドラマ枠が復活するというのはなかなか難しい状況ではあると思いますが、2時間サスペンスの面白さは世代を越える!!!(はず!!)

現に親戚の子供(小学生)は2時間サスペンスが好きで、「どのシリーズが好き?」と聞くと「おかしな刑事」と即答し、意気投合しました。
ホテル江戸屋さんで実施したサスペンスプランでは「中学生の子供と一緒に参加しても良いでしょうか」という問い合わせに「親御さんと一緒なら問題ないですがお子様が楽しめる内容ではないかもしれません。大丈夫でしょうか?」と確認したら「その子供がサスペンス好きなもので…」と言われて驚きました。嬉しいですね。

『お決まりの展開』というアトラクション

ツアー中に人が殺される(がなぜかツアーは続行する)。パーティーや茶会で人が倒れる。突然の観光紹介。たまたま刑事が居合わせる。崖で告白する。遺産相続で揉める。後継者争い。毎回に暴走して毎回に危ない目に合う主人公。髪を振り乱したお婆さんが飛び出してきて「ここから先に行けば〇〇様に呪われるぞ!」と警告される。村唯一の橋が燃やされる。嵐で山荘に閉じ込められる。包帯だらけや全身赤などのいかにも怪しい人がいる。

後半は2時間サスペンスあるあるというよりミステリー漫画あるあるですが、こういった『お決まりの展開』は普段の生活で遭遇することはめったにありません。

そういった普段は絶対に遭遇しない『お決まりの展開』につぎつぎと遭遇していく。
それをモブとして、また登場人物のひとりとなって体感するのは面白いのではないか…、まさに大人のごっこ遊びにふさわしいのでは…とはじめたのが『缶詰サスペンスプラン』です。

サスペンスといえば崖

ネックは関係者各所への協力や仕掛け、スタッフ・役者さんの数がたくさん必要なので、金額が高くなってしまうこと…。

『2時間サスペンスドラマ』自体がお金がかかっていただろうことを考えれば、こういことなんだなと実感はします。しかし、やるからには「ここでいっか」ではなく、本物の場所でやっていきたい。

なかなか頻繁にはできないと思いますが、定期的に色々なパターンで実施してみたいと思っております。

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