見出し画像

スポーツは「才能」が全てなのか

スポーツが持つ教育的なポテンシャルは疑う余地がありません。


「スポーツが持つポテンシャル」の記事はこちら


しかしスポーツの世界や音楽の世界ではよく、こんな言葉を耳にします。  

「あの子は才能があるから特別」

「僕には才能が無いので努力しても無駄」

この言葉って、不思議な特徴があるんです。

それは「自分(自分の子供や自分のチーム)」が上手くいっていない時によく出る言葉。調子が良い時には「才能が・・・」って、あまり出てこないんですよね。

この言葉、何故か「自分は努力してもあの努力していない子に達しない」みたいな、ネガティブワードになっている気がしますので、今回は「才能という言葉をポジティブに理解する」ために記事を書いてみました。

画像1

まずは言葉の定義を理解しておく

まずは言葉としての意味をググってみました。

さいのう【才能】ある個人の素質や訓練によって発揮される、物事をなしとげる力。  
さいのう【才能】物事を巧みになしうる生まれつきの能力。才知の働き。「音楽の才能に恵まれる」「才能を伸ばす」「豊かな才能がある」「才能教育」  

才能と能力の違いも調べてみました。

才能:物事を巧みになしうる生まれつきの能力。 能力:物事を成し遂げることのできる力。  

こうして見ると、前述した「才能」という言葉の使い方は、決して間違ってないようです。

では逆に「生まれつきの能力」について考えてみましょう。


先天的な才能は存在するのか

これは「能力」という言葉の定義にもよりますが、先天的に与えられる能力というのは、個人的に「ハンデはあっても優劣を決定づけるものではない」と考えています。

「骨格」や「体質」は先天的な個人差が最も顕著に表れ、これはスポーツにおいては一定のハンデになる場合があります。

特に幼少期は身体的な成長期が早熟か晩成かによって、競技結果などには大きな影響を与えるでしょう。

ただ、身体的特徴は親からの遺伝の影響を大きく受けますが、各種運動能力は50%程度と言われており、成長していく中で努力で変えていける部分だと認識しています。

逆に身体的な成長期の違いが「過信」や「劣等感」に繋がることにより、将来的な能力の伸びに悪影響を与えてしまうリスクがあるので注意が必要です。


※成長過程の子供のスポーツに親御さんが関わりすぎるリスクについても別の記事で書いてます


画像2

環境が能力を劇的に変える

物事の結果や勝敗を決めるのが能力なら、能力を如何に伸ばすのかが最重要です。

その能力に影響を与える大きな要素が、性格と環境だと考えています。

スポーツ選手のお子さんがスポーツの優等生になりやすいのは、体格や体質の遺伝以上に、そのメンタリティの影響を家庭教育の中で受け、当たり前のようにスポーツの最先端の情報が入る環境が大きいと思っています。(もちろん遺伝的な優位性も多少はありますが)

音楽の世界はより顕著で、音楽や楽器に触れる家庭環境で育った子供の耳が優れているのは、明らかに環境による影響です。気分や天気、季節によって流す音楽を変えるような家庭で子供が育てば、音楽に対する感性が豊かになるのは当然ですよね。

なので私が考える「能力」は「(才能+環境)×費やす時間」という公式で導き出すことができます。


費やす時間の捉え方

「(才能+環境)×費やす時間」で能力の伸ばし方を表しましたが、費やす時間とはいわゆる「努力」のことです。  

この努力を「努力と思わず取り組めるか」も重要です。

そこにはその子の性格も関わりますし、指導者や両親の存在も影響するでしょう。当然、費やす時間は身体的な負荷を長時間かければよいというわけでもありません。(怪我をしたり、バーンアウトの危険性)

適度な負荷の訓練。

楽しんだり探求したり、自由気ままに向き合う時間。

間接的な影響を与える他の取り組み。(遊びやリフレッシュ)

精神的な健康や安心感。(家庭環境や友人関係)

冒頭の話に戻りますが、よく見るのは「全てを捧げたのに勝てない相手がいる」、もしくは「努力する(楽しむ)姿が見られない」という事実から「才能がない」と嘆く姿です。

それは多くの人が「才能×費やす時間」によって能力(将来)が決まると思い込んでいるからでしょう。

もっと「環境や、費やす時間の質」にフォーカスしてほしいと感じることが多々あります。

才能(先天的な特徴)なんて、たった一つの要素でしかないのですから。

画像3

神様からのギフトがあるとすれば

しかし私は、神様からのギフトはあると思っています。

それは性格です。

もちろん、性格も家庭環境などの影響を大きく受けます。しかし、環境だけでは説明のつかない部分も大きいと感じています。

1,2歳の子供の目の前にボールやピアノや絵本があった時。親の職業や願いとは違うものに興味関心を持つことはよくあること。

あきっぽかったり、執着心があったり、好戦的だったり探求心が強かったり・・・・親御さんの性格や環境だけでは説明のつかない個性を持つ子供をたくさん見てきました。

この性格が、費やす時間の質に影響を与えるのです。

訓練を苦痛と感じていなかったり、暇さえあれば研究・探求していたり、どんなことにも挑戦する性格が関連する様々な能力を上げていたり、明るく人懐っこい性格が周りからのサポートに繋がっていたり・・・・

だから身近に能力の高い人がいたら、才能があると羨むのではなく、学びに変えましょう。その「取り組む姿勢(性格)」にこそ、能力に秀でる理由が詰まっています。

考え方を変えれば、そういった人間が身近にいることは幸運でしかありません。


環境は変えられる。

費やす時間の質も変えられる。

そういう意味で私は「才能は重要な要素だがそれが全てではない」と考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?