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【デアリングタクト】6歳の秋に復帰! 注目される今後は繁殖入りか、それとも…?

2020年の3冠牝馬デアリングタクトが約1年ぶりの復帰に向けて準備を進めているという記事が出てきました!

長らく音沙汰なかったので、繁殖入りしたのかな?と思っていたのですが、もう6歳の秋になるのですよね(汗)
ウマ娘にも登場が発表され今年で引退か、それとも現役続行なのか…今後の動向が注目されます。

今回はコロナ禍に勇気を与えてくれた1頭でもあるデアリングタクトについて書いていきたいと思っております。


忘れることのできない2020年

本馬を語るにあたってキーワードとなるのは「新型コロナウイルス」と「無観客開催」でないかと考えております。

デアリングタクトが3歳となる2020年の年初に未知のウイルスが日本にも入ってきた影響で、春以降、社会は閉鎖状態となりました。当然競馬界にも大きな影響があり、レースは継続されるも無観客開催に。
そんな人々の「日常」が急に変わってしまい、不安や混乱が渦巻く中で、人々に勇気や希望を与えてくれた馬がこのデアリングタクトだったのではないでしょうか。

桜花賞で2歳女王のレシステンシアを破って優勝すると、オークスでは単勝1.6倍の断然人気をもろともせずに2冠達成。牡馬戦線でもコントレイルが皐月賞とダービーを制覇して、この年の3歳クラシック戦線は無観客ながらも大いに盛り上がることとなりました。

そして秋の大一番でもこの2頭が3冠目を制覇し、牡牝の無敗三冠馬が同年に誕生する歴史的なシーズンになるのですが、ここで終わることはなく、翌月に行われるジャパンCではアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトの直接対決が実現することに。

偶然にもノーザンファーム、ノースヒルズ、ノルマンディーと全く異なるオーナー/生産牧場だったこと、そして何よりも関係者の熱い思いによって実現したレースなのですが、このレースはアーモンドアイにとっては引退レース。

そんな名牝の花道にふさわしいレースで、アーモンドアイが先輩の意地を見せて優勝…と多くの競馬ファンにとって長らく忘れることのできない1年になったのではないかと強く信じております。

試練となる4歳以降のシーズン

アーモンドアイの引退で「しばらくはコントレイルとデアリングタクトの時代が続くのではないか」と多くの方々が信じていたのではないかと思います。
筆者もその1人になるのですが、対照的にこの2頭の4歳シーズンはかなり厳しいものとなります。

コントレイルは4歳の初戦となる大阪杯で重馬場にも泣き、3着に敗れると残りの春シーズンは休養が発表。秋の初戦となる天皇賞・秋でも3歳馬のエフフォーリアに敗れることで「コントレイル世代は弱い」説が出るようになりましたが、次走のジャパンCを何とか勝ち、意地を見せたところで引退&種牡馬入りとなりました。

その一方でデアリングタクトも4歳の初戦となる金鯱賞を単勝1.4倍の中、2着に敗れると次走香港で行われたクイーンエリザベスⅡ世Cでも3着に。その後怪我が判明して、1年以上の休養を余儀なくされてしまい、復帰後は5戦走るも1勝もできずに再度1年近い休養に入ってしまっているのが現状でございます。

6歳に入って未出走も現役続行!?

これは競馬やアスリートに限らず、人生という括りにおいてやはり“引き際“というのは大事だなと考えさせられます。

クラブの意向等々もあるかとは思いますが、3冠牝馬なので怪我をした4歳春での引退があっておかしくないですし、昨年のジャパンCを引退レースにすることもできたかと思います。

遅くとも6歳の春にサウジ遠征をできなかったタイミングで引退発表が適切だったのではないか、1頭の競走馬の人生として考えた際にあまりにかわいそうではないか…と素人ながらに思ってしまうのですが、そんなことは陣営・関係者も重々理解しているでしょう。

となると色々な思惑を想像せずにはいられないです。

“クラブ都合で引退させられない/させたくない“
→時々あることですが、他に活躍馬が少ない/いないから、馬主都合で現役続行せざるを得ない。ノーザン系であれば牧場サイドがそれを許さないですが、本馬は日高系なので、そういったことがないとは言い切れないかとは思います。

“繁殖としての価値が薄いと見ている”
→個人的にはこちらが有力説だと考えておりますが、デアリングタクトもサンデーサイレンスの4 x 3 クロス持ちということで、仮にディープインパクト系のコントレイルと3冠配合をしてしまうとサンデーの3 x 5 x 4という濃いクロスとなってしまいます。

また父がエピファネイア、母父がキングカメハメハということもあって、ロベルト系やキングカメハメハ系種牡馬とも相性が悪いことから、ハービンジャーや米国のダート血統などとの配合に限られてしまうというのも現在の日本競馬においては大きなマイナス要素だと考えます。

そういった意味ではもしかしたら引退後「海外繁殖入り」。最悪のケースでは「乗馬」ということも必ずしもないとは言えない状況かと思います。

最後に一花咲かせられるか

デアリングタクトのこれまでの人生においては、3歳・古馬で明暗がはっきりと分かれてしまいました。

当初から血統面が考慮されていたのであれば、それは必然だったのかもしれませんが、未曾有の事態によって社会に不安や絶望感が生まれる中、この馬が人々に与えた影響を考えると「最後に一花咲かせ、皆に見送られながら引退をして欲しい」というのが筆者の心からの願いでございます。

現役馬では異例の“ウマ娘登場“が発表されたということは、もう関係者間では先の予定が決まっているのかもしれませんね。
どんな人生になろうともデアリングタクトを能力を信じ、この馬の人生を応援し続けていきたいと思っております。

今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございます!

自分が大事にするものを皆さんへ共有できればと思っております。共感して頂ける方からサポートをいただけますと大変ありがたいです。