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攻めと守りについて

こんにちは。
メモリーアスリートのYasです。

同じくメモアカの平田さんが最近リバイバル記事を上げていますね。
僕は平田さんの記事を読み漁っていた「平田キッズ」だったので、久しぶりに記事を読んでとても懐かしい気持ちになっています。
どれも有用記事なので、まだ読んでいない方はぜひ読んでください。

残念なことに2024年現在yasキッズはいないようですが、僕も前BSAマガジンでいろいろ記事を書いていたので、noteで再掲しようと思います。

今回は、Imagesを題材にMemory Leagueの練習について書いていた「Images大全」というシリーズの中から、攻めと守りについての記事です。
綺麗な成長曲線を描くための考え方をまとめています。

では本編スタート!


Images大全第6弾、「攻めと守り編」です。
Images大全なので、もちろん記事のベースとなっているのはImagesなのですが、今回の記事はImages以外の種目にも生かせるような内容になっています。
ぜひ幅広く活用してください。
それではいきましょう。Let’s go!

「攻め」「守り」とは

メモリースポーツ用語なのかよく分かりませんが、僕たちはよく「攻める」「守る」という言葉を使います。
なんとなく言葉から想像はつくと思いますが、「攻める」というのは正確性のリスクを取って、速いタイムで記憶する作戦を言います。
対して、「守る」というのは少しタイムを抑えて、正確性を重視する作戦のことです。

この「攻め」と「守り」を使い分けることで、練習の質を高めたり、大会での戦略の幅を広げることが出来ます。

「攻め」「守り」の意識の違い

「攻め」と「守り」があるのが分かったところで、どのようにすれば攻めたり守ったりすることが出来るのかを説明します。
まずは「攻め」についてです。

攻めることというのはリスクを取って速く覚えることでしたね。
では、どうすればリスクを取ることが出来るでしょうか。


これはImagesの競技中の頭の中の流れです。
この四つの段階の中でどこかを簡略化すれば、記憶には残りにくくなるかもしれませんが、タイムを縮めることが出来そうですね。
では、どこを簡略化するべきなのか。

「場所想起」の部分で簡略化するようなところはなさそうですよね。
画像を見るところについても、見るという行為に簡略化をしようがないので、難しそうです。
置く段階は先ほどの二つに比べれば短くできそうですが、それでも簡略化するほどのものではないでしょう。

というわけで、一番簡略化しやすいのは「ストーリー作り」だと思います。

例として、この二つの画像を覚えるとしましょう。
今までだったら、「怪しい薬が道端に落ちていたから拾って飲んでみたら、鳥になってしまった」のように詳しいストーリーを作っていたところを、「薬を鳥が食べた」のようにストーリーを短くします。
ストーリー内の前後ミスの確率は高くなってしまうかもしれませんが、確実にタイムを縮めることが出来ます。
逆に守るときは、タイムを落としてでも確実性を高めたいので、攻めとは真逆の意識で取り組む必要があります。
ということで、守るときは普段よりも詳しいストーリーを作ることを意識しています。
特に、同プレイス内での前後ミスは一番避けたいところなので、前後ミスが起きないようなストーリー作りを意識できればなお良いです。

「攻め」「守り」の使い分け方

では、実際に僕がここまで成長する中で、どのように「攻め」と「守り」を使い分けてきたのかを説明したいと思います。
こちらのグラフを見てください。


もしも、正確性を維持したままタイムを縮めることが出来たら…
なんてことはなかなか起きません…

僕にとって理想的なImagesのタイムと正確性の成長過程を、それっぽいグラフにしてみました。
Imagesをやっている人なら、なんとなくこのグラフが分かるかもしれません。

まず自分が現在、高い正確性を持って記憶できるタイムがあります。
そこからタイムを縮めるためには、「攻める」練習をします。
自分が持つベストの記録を上回るようなタイムが出せるかもしれません。それくらい思い切って攻めて大丈夫です。

ただ、いきなりそのような速いタイムで安定させることは難しいでしょう。

毎回パーフェクトが出せなくても、慣れという要素も込みで何回か、何日間か攻める練習をやってみます。
すると、だんだん目や脳がそのスピードに追い付いてくるので、今度はそのスピードで安定させられるように練習を重ねましょう。
この過程を繰り返していくことで、タイムをどんどん縮めることが出来ます。

では、何回か、もしくは何日間か攻める練習をしてみて、うまくいかない場合はどうしたらよいのでしょう。

この時は、一旦「守る」練習に切り替えます。
むやみに攻める練習を続けすぎると、雑にストーリーを作ったり、適当に場所に置く癖がついてしまい、結果として成長に時間がかかることがあります。
そうならないように、攻める練習を続けても正確性が向上しない場合は、一旦タイムを落として、正確性重視の練習に切り替えるんですね。
そしてまた安定感がついてきたら、攻める練習を再開する、という感じです。

僕の中で、これ以上攻める練習をしても厳しいなと感じるのは、
正答率が70%を下回り続ける場合
・どのルートを使ってもうまくいかない場合
・3日間くらい試してもうまくいかない場合
などです。
もちろんこのような場合でなくても感覚として良くない状態であれば、攻める練習をやめたりします。
自分がどのようなフェーズにいるのかを客観視して、今は攻めるべきなのか、それとも守るべきなのかを考えてみてください。

「守り」が先、「攻め」は後

ここまで攻めと守りについて話してきましたが、基本的には守りが前提です。

先ほど攻め方として「ストーリーの簡略化」を挙げました。
これは、「これだけのストーリーを作ったら絶対覚えられて、その中から削る箇所を探す」ということでしたね。
つまり、絶対覚えられる「これだけのストーリー」を理解していないと、速く覚えてもそれはただ速く覚えているだけになってしまいます。
絶対覚えられる守りのタイムやペースを理解していることが攻めの前提になるのです。

50秒で安定してパーフェクトを取れない人が40秒で覚える意味はないし、その先はもっとないです。
Imagesのレベルが10になっている人は、時間さえかければパーフェクトが取れる力はあるはずです。
60秒でも、それ以上かかっても問題ないので、まずは絶対覚えられるペースを理解してください。
そのうえで攻める練習に取り組みましょう。

なぜか攻めれない?

さて、今話していた「守る」ということに関しては、いくらでも時間をかけることができるので、攻めることよりは簡単にできると思います。

どちらかというと、問題は攻めるときです。
「攻めたつもりなのに全然タイム遅い…」なんてことはありませんか?

この現象の理由として考えられるのは、自分の中で勝手にスピードのロックがかかってしまっているということです。画像を見る前までは速くボタンを押そうと思っていても、実際やってみたらストーリー作りのスピードがそんなに速くなってなかったというのはよくあることです。

この現象に陥った時はどうすればいいのか。
僕がこのような時に意識していたのは、「手にボタンを押させる」という感覚です。
頭の中でのストーリー作りが途中でも、手にボタンを押させるんです。
当たり前ですが、ボタンを押してしまえば強制的に次の画像に進むので、それまでの画像の処理もそこで終了させられます。
最初はもちろんストーリーが不十分のまま進んでいってしまうと思いますが、「攻める」感覚をつかむことが出来るようになると思います。

この時のコツは、「ちょっときついなと思ってもボタンを押すテンポを変えない」、そして「記憶に入る前にきつくなるかもしれないことを把握しておく」です。
これ記憶できてるのかな、と途中で不安になることはありますが、その不安に構ってしまうと結局また元のスピードに戻ってしまいます。
まずは記憶する前に、「今回は攻めるんだ、脳の処理より少し早いテンポでボタンを押すぞ、だから途中できつくなっても気にせず攻めのテンポをキープするぞ」と自分に言い聞かせておきましょう。
そして、もし記憶中に不安になったりしても、テンポは変えずに攻めのリズムを刻み続けましょう。

伸び悩んだ時は、ぜひ参考にしてみてください。

「攻めと守り」編まとめ

さて、今回の記事はいかがだったでしょうか。

普段あまり「攻め」と「守り」を区別しないで練習していない、そもそもどう練習すればタイムが縮むのか分からない、といった人には少し参考になれたのではないでしょうか。

そもそもタイムが伸び悩むというのは、ある程度成長した人に起こる問題なので、伸び悩んでいる時点でそれなりの実力が付いたんだとポジティブに捉えて、この記事に帰ってきてください。笑
僕自身も時々この記事を読み返して、自分のことを客観視しながら成長に結びつけれたらいいなと思っています。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。


この記事は2年前に書いたものですが、考えは変わっていません。
内容もほぼ手を加えていないです。

やはり忘れてはならないのが、メモリースポーツも実力の積み上げが成長になるということですね。
この2年間、選手として、またコーチとして、いろいろなタイプの選手を見てきましたが、精度が高い人は伸び方が凄まじい傾向にあります。
逆に、スピードはあるけど安定感がない選手は伸びないことが多いです。

少しずつでも一歩ずつ、着実に積み上げていきましょう!

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