【比較】サップ・カヤック・ラフト‥子どもと遊んでみた感想まとめ
今回は、水系のアウトドアアクティビティの中で、SUP、カヤック(シットオントップ、シットイン)、ラフトボートを、”どのアクティビティが、子どもと楽しく遊べるか”という視点で、比較してみたいと思います。
※純粋に道具の比較を行うため、流れのない海や川のフィールドで使った場合、ということで考えてみたいと思います。
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評価項目(★5段階評価)
安全性:水中に投げ出される心配はないか
コントロール性:初心者でも操作しやすいか
遊びの多様性:色んな遊び方がしやすいか
の3つから評価してみたいと思います。
SUP
【安全性】 :★★
【コントロール性】:★★★
【遊びの多様性】 :★★★★★
SUPとは、スタンドアップパドルボードの略で、穏やかな海面などを専用のボード(大きめのサーフボードみたいな)に立ったまま、パドルで漕いで進むアクティビティです。
【安全性】★★
名前の通り、立って漕ぐアクティビティなのですが、立つと重心が高くなりバランスがとりづらくなるので、立ったまま子どもを乗せるのはかなり難しいです。一人で乗ってても、初めてだとバランスを取れず水中に落ちてしまうことがよくあります。
そういう意味では、★1つでも良いか思いましたが、立つことを諦めて、座って乗れば安定性はグッと高まる。子どもと遊ぶときは、子どもを前に座らせて、大人が後ろに座って漕ぐ。これだと結構安定します。
ただし、座って安定感が出たとは言え、子どもを水中から引き揚げる際、SUPの片側だけに体重が偏ってしまうと、ひっくり返る可能性があります。
なので大人は、子どもがいる方と逆側に片足を出すなどして、体重をかけておいたらバランスが取れて安定するかと思います。
【コントロール性】★★★
パドルを持って、ボードの上で漕ぐだけなので、シンプルで分かりやすいのですが、SUPを少し難しくしている理由が、シングルブレードのパドル(水かきが片方しかないパドルのこと)だと思います。
シングルブレードなので、片方漕いだら、持ち換えてもう片方を漕ぐという漕ぎ方になりますので、始めてだとまっすぐ進むことが少し難しいかなと思います。
なので、僕個人的には、カヤック用パドルを(ダブルブレード)使うことをおススメします。先ほど書いたように、座るスタイルにするなら、カヤック用パドルがちょうど良いのです。
これなら、右左右…と自分が思うタイミングで漕げますので(持ち換える必要がない)、慣れてない方でも、まっすぐ進みやすくなります。
【遊びの多様性】:★★★★★
結論から言うと、SUPはかなり遊べます。
ボードの上にちょこんと子どもを座らせて、少し漕いであげるだけでも、十分楽しいと思いますし、ボードの上に立つことにチャレンジさせても良い。波があれば、ちょっとしたサーフィン気分も味わえます。
水を怖がらない子どもさんなら、サップから足を出して、バシャバシャとしたり、ちょっとサップから飛び込んでみたりしても楽しいと思います。
飛び込んだら、ひっくり返らないように気を付けながら(先に説明した要領、片側に足を出すなど)、子どものライフジャケットの肩口を持ち、グッと引っばりあげれば、簡単にボードに上に戻してあげれます。
繰り返し、水中に飛び込みたがっても、大人側も全然大変じゃないですよ。
入門向けの一般的なサップなら、横幅もあり安定しているので、大人がサップの上から子どもを引き上げるくらいはなんなくできます。(本格レース用のサップは横幅を細く作ってあるので、この遊び方にはオススメしませんが)
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シットオントップカヤック
【安全性】 :★★★★
【コントロール性】:★★★★
【遊びの多様性】 :★★★
シットオントップとは、カヤックの形状の一つで、カヤックの中に入り込むタイプ(シットイン)とは構造が違い、カヤックの上にちょこんと乗るタイプのもの。
【安全性】 :★★★★
シットオントップカヤックは、安定感があり、ちょっとやそっとでは転覆しない作りになっています。ですので、穏やかな海で、ファミリーでカヤックを楽しむのには、すごくお勧めなカヤックです。
先に紹介した、サップよりもさらに安定感がある。子どもが落ちても難なく引き上げれますし、大人が落ちても、コツを掴めば、はい上がれます。
波が無いところなら、ほぼひっくり返る心配はありませんので、安心して使えるカヤックだと思います。
【コントロール性】:★★★★
色んな形や用途があるカヤックの中で、一番初心者が漕ぎやすいのが、このシットオントップカヤックです。
初心者でも簡単に漕げるので、沖縄のマングローブ探検ツアーなどでよく使われているので、体験された方もいるかと思います。
実際にマリンレジャーが盛んな沖縄で、ゲストが乗るカヤックと言えば、こちらのシットオントップカヤックのことを指すくらい、メジャーです。
漕ぎやすいポイントとして、シットオントップカヤックは、他のカヤックやSUPに比べてまっすぐ進みやすい。推進力があるところです。
なので、目的地が決まっていて、そこまで漕がないといけないのなら、SUPよりも断然こちらが良いと思います。
【遊びの多様性】 :★★★
僕は、実際に子供を乗せてみる前までは、このシットオントップが一番子どもには向いていると思っていました。安定しているし、怖くないだろうと。
実際に子どもを乗せて漕いでみると、ちゃぷちゃぷと海面を進んでいくだけでも喜んでいましたし、安定していて安心感がある。
ですが、好奇心旺盛な子どもさんには、こちらシットオントップより、サップのようにすぐに水面を触れる乗り物のほうが楽しめるかなと思います。
シットオントップはどうしても、サップに比べたら、座面が水面からすこし離れて(高くなって)しまうので、子どもからしたら水との距離は遠くなってしまいますね。
そして写真でわかる通り、座面は結構ボコボコとした形状なので、立ち上がるとつまづいて危ないので、子どもさんを立たせるのはあまり向きません。
基本は座って楽しむ、そしてサップほど水面に近くないので、足を出して水面に付けたりとかは少ししずらい、という点を加味して、★3つとしました。
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シットインカヤック
【安全性】 :★★★★
【コントロール性】:★★★★
【遊びの多様性】 :★★
シットインカヤックとは、先ほどのシットオントップとは違い、カヤックの(コックピットの)中に入り込むタイプのものです。ですが、一口にシットインカヤックと言っても様々な種類があります。
ですので、今回はシットインカヤックの中でも、一番子どもを乗せることに向いているレクレーショナルタイプの場合として、お伝えしたいと思います。
【安全性】 :★★★★
先にお伝えしたシットインカヤックの特徴の通り、コックピット内部に入りこむタイプなので、誤って川や海に落ちてしまうことは、そうそうないと考えて良いです。
コックピット内部に子どもを座り込ませておけば、顔から肩くらいまでしかコックピットから外にはでないので、落ち着いて座っていてくれる子どもさんなら、安心して漕ぐことができると思います。
そして、カヤックの横幅も広めに作ってあるので安定感があり、波や流れが無いところなら、転覆する危険もあまりなく安心して使えるでしょう。
【コントロール性】:★★★★
コントロール性ですが、初心者の方が漕いでまっすぐ進めるか、という点でお伝えすると、前述のシットオントップと同等と考えてよいです。
シットオントップは、どちらかというと、海で使うことを想定されており、カヤック底部には、真っすぐ進むために重要な、キール(船の竜骨)があることがほとんどです。
それと同じく、シットインカヤックもキールがあるものをチョイスすると真っすぐ進みやすくなります。
川での仕様を想定したカヤックなら機敏な方向転換を考慮して、キールがない場合がありますので、乗る際には気にしてみて下さい。
キールが無いと、カヤックがふわふわとその場で回転しすくなるので、少しコントロールするのは難しくなります。
【遊びの多様性】 :★★
シットインカヤックは、子どもを乗せたとしても、自由に遊ばせたり、水に飛び込んだりとかは、ちょっとしづらいかなという印象です。
子どもは、コックピット内部でじっとしておくしかないので、水に入りたがる活発な子どもさんなら、少しつまらないかもしれません。
一緒に乗せて瀬を下ったりするなら、揺れたり、水がバシャバシャかかったりして、激しいのが好きな子どもなら楽しむかもしれませんが、カヤックをコントロールする大人側が、かなり慣れていないと危ないのでおススメはできません。
もし子どもを乗せるなら、二人乗り用のレクレーショナルカヤックにすると、さらにコックピット内部も広くなるので、子どもさんが窮屈でなく、いいかもしれません。
※下の写真は一人乗り用の最も小さい種類のカヤックです。レクレーショナルカヤックはまだ大きくで座るスペースはありますので、ご安心ください。
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ラフトボート
【安全性】 :★★★★★
【コントロール性】:★★
【遊びの多様性】 :★★★★
ラフトボートとは、ラフティングツアーで使われる6~10人乗りのゴムボートのことです。
ラフトボートは激流を下るために作られたボートなので、ゴムボートとは言え、かなりしっかりしていて、超安定しています。
ラフティングツアー以外では、荷物がたくさん載るので、海外では数日間にわたる川旅などで使われたりします。
【安全性】 :★★★★★
これはもう、ダントツの★5つです。穏やかな水面なら、ラフトボートを転覆させるほうが難しいくらいです。子どもがボートの上で飛んでも跳ねても全く問題なし。
転覆の不安が無いので、子どもの動きを制限する必要なく、のびのびと遊ばせることができるかと思います。
【コントロール性】:★★
これはラフトボートの唯一の難点かもしれませんが、それだけ大きいゴムボートをパドル一つでコントロールする必要があるので、結構難しいです。
僕もラフティングガイド時代にラフトボートを真っすぐ進ませるための練習に、結構時間を費やしました。
オープンデッキカヌーを漕ぐときの方法である、「Jストローク」と共通した漕ぎ方をしますので、シングルブレードパドル(水かきが片方しかないパドルのこと)で漕ぐカヌーをやっている方は、ラフトの漕ぎ方にも馴染みやすいかと思います。
ラフトボートに乗れる楽しさと、遊びの幅が広がるメリットを考えると、もし練習する機会があれば、練習しておいて損はないと思いますよ。
【遊びの多様性】 :★★★★★
ラフトボートなら、ゆっくりと乗っても良し。ラフトボートの上でお弁当を広げても良し。相撲を取っても良し。飛び込んでも良し。川岸の木にロープで繋いでボートの上で昼寝をしても良し。
ある程度ボートコントロールできるなら瀬を下っても良し。なんでもありですね。
穏やかな場所で転覆する心配はないので、ボートの上でジャンプしたり、相撲とったり、川に飛び込んでみたりすれば、子どもはすごく楽しんでくれるかなと思います。
ちなみに、子どもを始めてラフトボートに乗せた日は、ラフトボートに乗って対岸へ渡り、ラフトから下りて水際で遊ぶのが一番楽しそうでした(笑)。
それもそれで、ありですね。
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以上です。皆様がこれから水系のアウトドア遊びをされる際の参考になれば幸いです。また新たなアクティビティを経験できたら、随時更新させていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(表紙,1,5,7,枚目写真:Yuya Nojiri)
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