心躍る能動的な旅。日本でもアドベンチャートラベルしたい。
皆さん、こんにちは!安永翔太です。前回投稿から時間が経ってしまいました。
以前のnoteで、アドベンチャートラベル(以下AT)について簡単に書かせて頂きましたが、当時より少し自分の理解も進んできたので、改めてまとめていきたいと思います。
アドベンチャートラベルについて
さて、ATについての説明を行う前に、まずは、こちらの動画をご覧ください。日本のAT先進地域、北海道のPR動画です。
ATは「①身体的活動」「②自然」「③異文化体験」の3つの要素のうち2つ以上を満たす旅行形態と定義されています。動画内でもその3要素が表現されていますね。
具体的には、
「① 身体的活動」は、軽めのハイキング、キャニオニング(渓谷下り)、ラフティング(川下り)、シーカヤッキング、乗馬、釣りなど、旅先で身体を動かすものが該当します。
アドベンチャーというと、冒険的な印象を受けるため、ロッククライミング(岩登り)やケイビング(洞窟探検)のようなハードなものを思い浮かべるかもしれませんが、ハイキングや雪遊びのようなソフトのものまでを含む広い概念です。
「② 自然」は、野生動物観察やクルージングなど、その旅行の中で自然に触れ合うものならば該当します。
「③ 文化」は、食文化、歴史、日本文化など、旅行者が日常とはかけ離れた文化を体験するものであれば該当します。
では、旅行会社が提供するような従来のパッケージプランとは何が違うのでしょうか。
従来のパッケージ旅行との違いは「能動性」
大きな違いは「能動的な旅」であるか否か。
従来の旅行であらかじめパッケージされたスケジュールでも、例えば大きな湖周辺をウォーキングし(①身体的活動、②自然)、本場の料理を食べ(③異文化体験)たとします。
これも、広い意味では、ATの定義に当てはまるといっても、間違いではありません。しかし、これは「受動的な旅」と言えるでしょう。
ATの本質とは「身体的活動(アクティビティ)を通じて、自然や文化という美しいものに触れ合うことで、旅行者が内面から変わっていくこと」にあると言えます。
もっというと「自然が美しいものであり、厳しいものであるということについて、自分なりに考えることができる」ことが、他ツアーには無いポイントだと思います。
それを、文章で読んだだけ、他人の体験談を聞いただけではなく、体験したからこその皮膚感覚によって、自分が何を感じたか。それで自分の中にどんな変化がおきたか。ここがとても重要です。
アドベンチャーしたい旅行者の動機
では、ATをしたいと思う人の旅行動機は何でしょうか?
大人になるとある程度、生活は安定し、未来も予想ができるようになり、新たに吸収するものも必然と減っていきます。そのような中で、まるで少年時代の青春のような複雑な感情で、自分自身をもう一度揺さぶりたい。
そう思うのが、アドベンチャートラベラーたちの旅行動機ではないでしょうか。
アドベンチャートラベルとは、直訳すると「冒険旅行」です。
そのニュアンスだけでイメージすると、「身体を酷使するもの」を想定してしまうかもしれません。ですが、それは正しくはなく、身体を全く動かさない文化体験でもATの一つなのです。
言い換えると、ATは「心の冒険旅行」であり、「ワクワク感」がつきものであると言えます。
逆にいえば“心が躍らない旅行”ならば、それはATではないと言えるでしょう。
日本はアウトドアブームというよりキャンプブーム
ここまでの説明で、ATの定義や考え方はなんとなくご理解いただけたと思います。
ですが、ここで気になることは「よし、じゃあアドベンチャートラベルに行こう!」と思っても、まず、日本国内ではそこまで普及していないこと。
そもそも、インバウンド旅行者を対象としているので、旅行金額が高く、私達一般の国内旅行者ではなかなか手がでない、というとこが現状ではないでしょうか。
それと合わせて、日本の現在はアウトドアブーム、というより、キャンプブームです。国内ではたくさんのキャンプ場やグランピング施設、それに類する施設がオープンしています。
同様に感じている方も多いかと思いますが、現在の日本は、アウトドア=キャンプと言えるほど"キャンプ人気が先行"しており、登山はまだしも、カヤックやサイクリング、岩登りやスノートレッキングなどの”アクティビティ”には、そこまで注目が集まっている訳ではありません。
では、ATの考え方はまだ国内に普及していない、かつ、グランピングなどのラグジュアリーなキャンピングに人気が集まっている現在の日本で、私達は心躍る冒険はできるでしょうか?
「自然に親しんで自由な気持ちになる」ことが、心躍る第一歩
僕は、日本のこのような状況の中で心躍る冒険ができるかどうかは、自分自身の心構えにかかっていると考えています。
逆に言えば、その心構えがあれば、前半で説明したATのワクワク感というエッセンスは、ATが普及していない国内でも十分に味わうことができる、ということです。
ここで質問です。
あなたが、自然をテーマにしたツアーやアウトドア体験に求めることは何でしょうか?なぜあなたは、自然の中に行きたいと思うのでしょうか?
おそらく多くの人は、自然に触れあってリフレッシュしたい。日々の喧騒から離れて自由な気持ちになりたいと考えているはずです。
これは、私達人間誰しもが持つ”自然活動を行う根本理由”ともいえます。「自然に親しんで自由な気持ちになる」ことが、心躍る冒険旅行の第一歩であるはずです。
「よし、それじゃあ早速、自然にレッツゴー…」
と、できればいいのですが、実は「自然に親しんで自由な気持ちになる」ってことが、意外と難しい…と感じたことはありませんか?
〜〜〜
今日はここまでにしたいと思います。
次回は、自然に親しんで自由な気持ちになる為にはどうしたら良いのか、その心構え等について掘り下げて考えてみたいと思います。
次回もどうぞ楽しみに!
(表紙写真:Yuya Nojiri)
(参考書籍:「アドベンチャートラベル大全」、「地域人 第83号 アドベンチャーツーリズム」)
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