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#20代メディアビジネス寿司 をサポートする30代の長く熱苦しい思い

2020年の年明けぐらいから、メンターでもある松浦シゲキさん(@shigekixs)の個人ワークをお手伝いしているのですが、このたび、(某人気マーケイベントにインスパイアされた)新企画「#20代メディアビジネス寿司」を始めることになりました。

20代メディアビジネス寿司のスタッフ募集!
https://bosyu.me/b/WwWLEIIhQ4c

メディアビジネスにおける「コミュニケーションのハブ」となる人材を増やしたい。そんな目的を持ったイベントです。
(みんなで寿司を握る会ではないです。寿司を食らいながら語らう会です)

企画の詳しい趣旨はbosyuの本文や松浦さんのツイートを見ていただくとして、この企画に込めている個人的な思いを書き留めておきたいと思います。

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メディアビジネスを領域別に語れる時代は、もうとっくに過ぎた

メディア業界って、テレビならテレビ、新聞なら新聞、出版なら出版、ウェブならウェブとか、同領域内では割と仲良くなるのですが、領域を超えたコミュニケーションが(特に若手時代は)生まれづらい印象があります。
他方、広告業界では「統合マーケティングコミュニケーション(IMC)」という言葉が1990年代には生まれていたし、日本でも近年は、新聞社がウェブメディアを水平展開し、有名テレビプロデューサーが(他局の!)ラジオパーソナリティを務める時代になりました。
自領域に閉じた情報発信やビジネススキームでは立ち行かなくなる中、領域にまたがるナレッジやスキル、人間関係の共有が重要度を増している。「メディア業界の各領域をつなぐハブ」となることを意識する人が増えてほしいと思っています。

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純度100%の職人が生き残る道はどんどん狭くなる

「コンテンツ(制作)とビジネスを両方わかる人が欲しいんだよね」って、業界の誰に聞いても言われます。本音か建前かはわからないけれど、もはや純粋に記者や編集者になりたい人、純粋に営業になりたい人、みたいな人は要らないぐらいのそぶりです。そりゃ人件費も増やせない状況下、完全な縦割りより、相互理解が進んだ最少人数の組織で事業を高速回転させたいよね。

で、現状はというと、人材流動性が高いウェブ業界を中心に、それっぽい人は徐々に増えている印象はありますが、それでも十分ではない。一社でそういうハイブリッド人材を育てるようなノウハウも余裕もないし、かといって自学自習しようにもロールモデルもいない。
個人からすれば「学びたいのに学べない」状態、業界や企業からすれば「欲しいのに増やせない」状態だと言えるでしょう。需給が噛み合っていないのです。

もちろんこれから始める企画ですし、すぐにそんな人材育成ができるとも思いませんが、自分の専門分野を大切にしつつ他の職域にも手を出すことを目指す目線の高い人たちが集まる「職域のハブ」空間になれば面白いことが起こりそう、と感じます。

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2020年代は「垂直に教え教わる」時代ではない。メディアビジネスはなおさら。

松浦さんはご自身のサロン「メディアコミュニケーションラボ」を持たれています。それはそれで非常に学びのある場なのですが、「この場にもっと20代を突っ込んだらより面白くなるかもしれない」と感じることがあります。

様々な世界で言われていますが、特にメディア業界は、異なる世代が学び合うモデルが作りやすく、またその必要性も高い産業だと思います。
上の世代は専門性の高い経験や見識、業界全体への影響力を持つ一方、技術革新の速度と頻度が高すぎて、最新メディア環境へのキャッチアップが出来ている人は少ない。若手と言われる人たちは、上の世代ほどの大局観はなかなか持てず目の前の仕事に忙殺されがちな一方、新技術へのリテラシーや、オーディエンスインサイトの把握では大きく先をいっている。
また、メディアビジネスそのものへの関心も、総じて若い世代のほうが高いと感じます。そりゃそうですよね。4マスなどいわゆるレガシーメディアの新卒は、これから足を踏み入れる場所が衰退産業だと散々脅されてきたわけだし、逆にウェブ業界の若手は「ウェブは金が稼げない」現実を日々噛み締め、安月給に苦しんでるんだから。

これから作ろうとしている場所はもちろん20代の人たちを中心にした場所ですが、主宰は松浦さんで、俺のような20代ではないサポートメンバーもいます。「異なる世代のハブ」となりうる人が増えることは、一つの希望を生むことと同義ではないでしょうか。

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「意義はあるけど稼げない」の先へいい加減いかなくては

お金を稼ぎたいと思うなら、もっと収益性の高いビジネスはたくさんあります。それでもこの仕事をしている人たちは、どこか酔狂なところがある……ってのが言い過ぎなら、なにかに魂を引かれてるわけです。たとえば民主主義社会における報道の意義、カルチャーに人生を救われた原体験、情報をトリガーに社会が動くダイナミズム……

だから、そういう人たちが集まると「自分たちのやってることに、意義は間違いなくある。だけどそれでは稼げない、そこが問題なんだ」というような言葉が交わされます。そこにはたいてい、90%の切実な危機意識と9%の自尊心、そして1%の開き直りが漂っています。

言ってることは間違ってない。まあでも、それを延々と定時後の職場や飲み会で繰り返しても大して何も変わらない。そろそろその先にいかないと、業界全体が沈没していきかねないし、ちゃんと持続的にそれなりの額を稼げなきゃ、さらに下の世代の優秀な人達がこっちに来てくれなくなる。

そんな現状に対し、特効薬ではないけど確実に効いてくるのが、「メディアビジネス総体」を考える人が増え、その人達が助け合う仕組みを作ることだと信じています。

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とはいえ、俺はサポートメンバーなので

この #20代メディアビジネス寿司 の主催者は松浦シゲキさんですし、主役は20代のメディアパーソン各位です。俺はあくまでサポートメンバーです。
なので、一番大事なのは「20代の人達が何を求めているか」であり、その次が「松浦さんが何をしたいか」です。俺が上につらつらと書いてきたような思いは、最初の2つを達成する中で、こっそりと混ぜ込んでいく類のものでしょう。

特に2月18日(火)の夜に開催予定の「第0回」は、松浦さんの問題意識を皆さんにシェアするのと、参加してくださる、企画のコアメンバー候補となる20代の方々のニーズをヒアリングすることが主題になると思います。何がしたいか、何が足りないのか、ぜひ聞かせてください。

20代メディアビジネス寿司のスタッフ募集!
https://bosyu.me/b/WwWLEIIhQ4c

何より、コミュニティはその場自体が快適で有益で楽しいものでないと続いていかない。俺の役割の第一義は、その心地よさを担保することだと思っています。あ、あと、食道楽勢としては、イベントに出てくる寿司のクオリティを徐々に上げていくのも裏ミッションかなと。
20代メディアパーソンに美味しい寿司を振る舞いたくてたまらないお寿司屋さんやそういうお寿司屋さんを知ってる人は、ぜひ坪井までご連絡ください。もちろんお金は払います。

そんなわけで、皆様のご応募、お待ちしております!

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