信号の光すら遮るのね

 「ひとりで運転できるかな」第三回にしてド級の濃霧、ド濃霧に巻かれて怯えに怯えながらゆっくりゆっくり帰路に着いた。本当に勘弁してほしい。初心者マークが見えませんか。見えないよね、この霧だもんね。

 自分が好きにできる車を手に入れてもお出かけ放題とはいかない。雪道はカッチカチのスッベスベだし雨ガンガンだし霧がほんとうにきりがなく(冗談でなく出発から到着までずっと霧だった)、初心運転期間の僕をあの手この手で妨害する自然。

 運転席に座って初めてわかった。車社会とは「今の、運が悪かったら死んでたな」と「今の、運が悪かったら殺してたな」の殺し殺され全員悪人アウトレイジ社会である。

 言い過ぎた。言い過ぎたけども、そこまで外していない表現だと思う。後部座席でのんびりしているときに比べて背負っているものがデカすぎる。そりゃ運転姿勢も悪くなる。両肩にのしかかるプレッシャーで前のめりになったところを注意してくれる教員はもういない。自分で背を伸ばすしかないのが心細い。とにかく、安全運転する。ほんとにする。

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