短歌日記　2021年8月後半

「適切に育てられてる」パンダには
適切な愛　不適切な死　

双子パンダが保育器で適切に育てられてるらしい

ナナフシのフリをしている枝のフリをしている君にサラテクト(ふしゅー) 

お互いの指紋を感じて抱きしめて
iPhoneよりも頼られてたい

iPhoneが自分も知らない自分の指紋を知ってるのはズルい気がする。

魂の分だけ沈む浴槽で平行世界の自分と出会う

久々につけたマスカラ　
こんなにも私の瞼は重かったっけ？　

魂に名前が印字されるまで、動かさないで抱きしめていて

Suicaの感じ

血が出る　私と風の境目がなくなったね。私は風。

血が出る　私が風に飛び出して境界線は曖昧になる

いつだって好きになるのは年上で
「またね」の丁寧語が欲しい

また会いましょうよりはフランクな感じの挨拶が欲しい

眼球の内部に蛍光塗料入れ、いつも明るく振る舞えたなら

舌だけがやけに冷たい
実習の終わりに飲めるカルピスもどき

あれ、美味しい

舌だけがやけに冷たい
実習の終わりに出てくるでっかいやかん

あのでっかいヤカンてどこに売ってるんだろう？

ワイヤレスブラ　ワイヤレスイヤホン
ワイヤレスにはならない心臓　

ワイヤレスブラ　ワイヤレスイヤホン
ノンワイヤレスな心臓　好きだ 

繋がってるって感覚

暗がりに青い炎のTwitter
怖さに勝てない　毒には弱い　

暗がりに青い炎のTwitter
怖さに勝てず　火を焚き続け

漫画版「風の谷のナウシカ」のワンシーンを思い出す

海パンを短パン+パンツとし、買い物に行く　　準猥褻罪　

猛毒の酸素を卵子に吹き付ける
殺してたって罪にならない

殺しても血が出ないから卵子とか精子は気軽に殺せちゃってる

髪型が、じゃなくて、君の全体が、かわいい大好きずっと見てたい

カレンダー共有アプリを使えない人の「泊まるよ」ラインに微笑む

泣き声を出せないままに21歳になったよ
ところで元気？　

大人になったら美しく泣き声をあげられると思ってた

クーラーの外側に出る
実際は息苦しいけど自由になれる

お豆腐を見れば必ず「ヘルシー」と、カレーも作れぬ祖父が言うなり

あの日からずっと地面が揺れているような気がする3.11

もう10年経つのに少し、でも、ずっと、揺れてる気がする地面と体

友達が呼ぶ「ママ」には恥ずかしさを吹っ切れた感が滲まされてる

22の友人が呼ぶ「ママ」のなか、吹っ切れた感が滲み出ている

この中で脱毛してない子がいるか
探ってしまう　上腕あたりを　

私が脱毛してないから

何回もおすすめされて見てしまう
上中巻は持っているのに

人生でスズキハルカと出会うのに上限数ってあるのだろうか

スズキハルカってめっちゃいない？？

「適切に育てられてる」パンダには
適切な愛　キラッキラの死　

内容をあんまりわかっていないから
ど真ん中より後ろに並ぶ

くっさ！と言いながらもう一度嗅いでしまう　くっさ！！と言う

なんでもう一回嗅ぐんだろうね？