読書日記『コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる 』(山崎亮,2011)
1、2年前に日本農業新聞にて掲載されていたコラムがきっかけで山崎さんを知った。ワークショップの手法や注意点、どんな効果があったのかを中心に書かれていた。もともと美術やデザインといったものに興味があったし、研究室の分野に近いこともあって、その連載を楽しみにしていた。
そんなきっかけで、本書に目をつけてはいたものの、読むのはこんなに遅くなってしまった。読んでから、「もっと早く読んでおけば良かった〜!」と脳内で叫んだ。それぐらい興味深く、最近の課題意識にぴったりだった。
私の課題意識というのは、「人の流れはデザインできそう。どういうデザインをすれば、多くの人が訪れる地域や場所ができるんだろう」というものだ。
この疑問に対して、本書からは、
・ハード(施設・設備)だけでなく、ソフト(活動するコミュニティ)の整備をすること
・既存のコミュニティがあれば協働し、無いなら育てる
・コミュニティが活動するにつれて変容できるハードにしておくこと
という3つを学んだ。
また、コミュニティデザインは
・全開の笑顔とコミュ力で地域の人に話を聞くところから始める
・ゆっくり進める。何度も試行錯誤する
・社会的課題を美と共感の力で解決するために、当事者が力を合わせるきっかけを作り出すこと
・誰がどこをどのように使うのかを空間的に整理し、それを満足させられる空間形態をデザインする。そのデザインからさらに新たな利用を想定して、デザインを変える…というやりとりを重ねる
というものだと理解した。
私は建築やデザインの専門家ではないが、このような視点を持っていることは決してマイナスにはならないだろう。コミュニティデザインをもっと学びたくなった。
読了日:2023/01/16