短歌日記　2021/5/14〜16

知らない景色を見るのが好き

シベリアの永久凍土も溶かすほど
暑くて熱い息をしている

天ぷらを巡って日本全国旅したい
うどん片手に塩を担いで

じゃりじゃりと橋を渡って異世界へ
汚い水を綺麗な水へ

海底に白い手埋まって蠢いて
こっちの世界へおいでと嗤う

連れ立って降りる二人の夢の国
魔法の白い手袋を脱ぐ

お菓子用　500円玉　握りしめて
誰も知らない家出の計画

私より工業地帯の煙突の方が似合うわ
白色マスク

曇り空　波も結構荒れていて
恋ができない私みたいだ

曇り空　波も結構荒れていて
あの夏の日を忘れてるみたい

鈍色の波は結構荒れていて
あの夏の日を忘れてるみたい

これがいちばんいいかな

くるぶしはストッキングで隠すのに
鎖骨を晒す女の強さ

好き

この世には星の数ほど駅があり
あの世界には駅みたいな星

選択肢　無数に分岐する中で
私がいるのは　あなたの世界

選択肢　無数に存在する中で
あなたがいるのは　わたしの世界

こっちのがかわいいかな

叢に逃げ込んできたカエルたち
ごめんと言って解剖学する

✳︎フィクションです

雨の日の葛西臨海公園で
対岸の夢　一人眺める

埼玉に海はないけど街がある
新幹線に乗るための街

この夜の寂しさ埋めるYouTube
青い付け爪、ヤンニョンチキン